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高分子膜を使用したバイオ燃料の製造

高分子膜を使用したバイオ燃料の製造

イオン交換樹脂触媒を利用した、バイオディーゼル燃料製造システムの実証試験が種子島西之表市で開始されることが2016年10月に発表された。基本となる技術は東北大学で2005年から開発を行ってきたが、2015年からはNEDOの新エネルギーベンチャー技術革新事業に採択され、「イオン交換樹脂法における地域密接型バイオ燃料生産のための分散型燃料製造装置と集中型樹脂触媒再生設備の開発」というテーマ名で株式会社エプシロン、特定非営利活動法人こすもの3者で共同開発が行われた。このプロジェクトは2016年度も継続され、株式会社エプシロンが主体になり、種子島内2ヵ所の分散型燃料製造装置と1ヵ所の集中型樹脂再生設備からなる地域密着型バイオ燃料生産システムの試験を行っていく予定である。

このシステムでは、まず陽イオン交換樹脂を充填した反応器で、従来副生物の石鹸になっていた遊離脂肪酸を燃料にほぼ100%変換する。続いて、2つ目の陰イオン交換樹脂を充填した反応器で、主成分の油脂が燃料にほぼ100%で変換され、副生するグリセリンはイオン交換樹脂内に吸着、溶液中から除去される。従来の方法で、課題であった副生物の分離が容易で、反応のために必要な温度も50℃程度であるため排熱による運転も可能である。

また、2016年11月には、東レ(株)により、サトウキビ製糖工場で発生するバガス、廃糖蜜を原料とするバイオエタノール製造技術において、「膜利用発酵プロセス」の実証試験に成功したことが発表された。今回の実証により、従来プロセスに比べ約10倍の高い生産速度で、収量も10〜20%向上することが確認された。この技術は、これまでに開発した高透水性・高耐久性のポリフッ化ビニリデン(PVDF)素材の分離膜を組み込んだ発酵リアクターを用いることで、菌体リサイクル型連続発酵を行うプロセスである。こちらは、環境省の「CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業の成果であり、5年以内の実用化を目指すとしている。(2017年2月)

 

図1  分散型燃料製造装置フロー
図1  分散型燃料製造装置フロー
出典:NEDO、エプシロン、東北大学プレスリリースを元に作成
http://www.epsilon-global.com/news_release_2016.pdf

 

図2  膜利用発酵プロセスフロー
図2  膜利用発酵プロセスフロー
出典:平成22年度〜平成25年度成果報告書 
非可食バイオマス由来混合糖からのバイオブタノール生産に関わる基盤技術開発報告書を元に作成

 

参考資料:
• NEDO、エプシロン、東北大学プレスリリース
http://www.epsilon-global.com/news_release_2016.pdf
• 2005年東北大学プレスリリース
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/press_release/pdf2005/20051012.pdf
• 株式会社エプシロンHP
http://www.epsilon-global.com/
• 東レプレスリリース
http://cs2.toray.co.jp/news/toray/newsrrs01.nsf/0/AFB55CAF3DF5A0E649258076002F6B18
• 平成22年度〜平成25年度成果報告書 非可食バイオマス由来混合糖からのバイオブタノール生産に関わる基盤技術開発報告書

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