HOME  >   トピックスアーカイブ  >  2030年に向けての日本の風力発電拡大策

2030年に向けての日本の風力発電拡大策

2030年に向けての日本の風力発電拡大策

経済産業省では、2016年夏に「風力発電競争力強化研究会」を立ち上げ、10月に報告書をまとめた。この研究会では、多くの化石燃料や再生可能エネルギーによる発電の中で、風力発電の競争力を高め、風力発電がFITによる庇護から自立した電力源になるにはどうするべきかという議論がなされた。この報告書によると、日本の風力発電のコストは、現状では風車単体価格は世界の1.4倍、工事費は1.6倍、運転維持費は2倍と高コスト体質であり、FITから自立したコストの競争力のある電源になることが必要とされた。

この実現のための目標として、以下の項目が挙げられた。

  • 風車価格の低減→風力導入の競争促進・強い風車産業を育成し、国際水準を目指す。
  • 工事費低減→ウインドファーム・風車の大規模化によってコストを下げる。
  • 運転維持費低減→競争促進・メインテナンスの効率化により、国際水準を目指す。

具体的な課題と対策としては、

  1. 投資環境の改善
    (系統制約海象、環境アセス迅速化、ファイナンス環境整備)
  2. 開発可能ポテンシャルの拡大
    (低風速領域の利用と開発、古い風車の入れ替え、洋上風力立地環境整備)
  3. 強い風車産業の育成
    (コスト低減努力促進、新型風車開発、海外展開、風車メーカの総合産業化)
  4. 効率的・安定的な発電システムの確立
    (データ産業化による設備利用率向上、O&Mの効率化支援、出力変動対策の技術開発等)

報告書では、風力発電は2030年までに発電コストを6割以上低減し、FITからの自立を目指すため、1キロワット時当たり8〜9円を実現するとした。この検討を受けて12月13日の経済産業省調達価格等算定委員会(第28回)では、風力発電(出力20kW以上の陸上風力)のFIT価格を、表1に示すように毎年度1円ずつ引き下げていく方針が示された。(2017年1月)

 

表1  陸上風力発電(出力20kW以上)の買取価格案

  (参考)平成28年度 平成29年度※1 平成30年度 平成31年度
調達価格 22円/kWh 21円/kWh 20円/kWh 19円/kWh
資本費 30万円/kW 31.2万円/kW 29.7万円/kW 28.2万円/kW
運転維持費 0.6万円/kW/年 1.13万円/kW/年 1.03万円/kW/年 0.93万円/kW/年
設備利用率 20% 24.8% 平成29年度の前提を据え置き 平成29年度の前提を据え置き
IRR(税引前)※2 8% 今年度の前提を据え置き 今年度の前提を据え置き 今年度の前提を据え置き
調達期間 20年間 今年度の前提を据え置き 今年度の前提を据え置き 今年度の前提を据え置き

出典:資源エネルギー庁
http://www.meti.go.jp/committee/chotatsu_kakaku/pdf/028_02_00.pdf

 

参考資料:
• 経済産業省「風力発電競争力強化研究会 報告書(平成28年10月)」
http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/energy_environment/furyoku/pdf/report_01_01.pdf
• 経済産業省「調達価格等算定委員会(第28回)‐配布資料」
http://www.meti.go.jp/committee/chotatsu_kakaku/028_haifu.html

その他の最新トピックス