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次世代地熱発電の開発

次世代地熱発電の開発

地熱発電は、太陽光発電や風力発電のように天侯や時間帯に左右されずに出力が安定しており、水力と同様、ベースロード電源として位置付けられる貴重な再生可能エネルギーであり、一層の発展が期待されている。

しかし、現在の地熱発電は、地下1〜3km 程度の深さに存在する地熱貯留層の位置を正確に特定することが難しく、地熱発電所を建設するためには地質調査、物理探査等に長期間を要すため経済的リスクが高い等の課題がある。そこで、現在は利用が困難とされている地熱資源を発掘、活用する次世代地熱発電システムを開発することが、2016年4月の日本政府の「エネルギー・環境イノベーション戦略」に明記された。

次世代地熱発電の例として、超臨界注1)地熱発電があり、産業技術総合研究所の試算によれば、地熱井は従来の5倍程度の生産能力があり、現在の国内の地熱発電容量の数十倍以上のポテンシャル(数十〜数百GW)を持っている。超臨界地熱発電は、太平洋プレート注2)の沈む込みにより生じた、地下深部の海水起因の高温・高圧水(超臨界水)の貯留層を利用する地熱発電である。

NEDOがまとめた「島弧日本のテラワットエネルギー創成先導研究」(2014〜2015年度)には、超臨界地熱発電の研究開発課題、2030年までの技術開発ロードマップが示されており、東北地方に50以上存在する古火山・古カルデラ下部(4〜5km)に地下超臨界水が存在する可能性があるとされている。(2016年11月)

 

表1  島弧日本のテラワットエネルギー創成先導研究の研究体制

委託先 実施内容 再委託先
産業技術総合研究所 貯留層設計・造成検討,開発技術検討,発電技術検討,経済性評価,  
富士電機㈱ 発電技術検討,経済性評価 JFEエンジニアリング㈱
地熱エンジニアリング㈱ 貯留層設計・造成検討,開発技術検討,発電技術検討,経済性評価, ㈱リナジス
北海道大学
東京大学
九州大学
東京工業大学
東北大学 貯留層設計・造成検討,開発技術検討,発電技術検討  

出典:産総研 NEDO TSC Seminar 資料から作成
http://www.nedo.go.jp/content/100789530.pdf

 

注1)
超臨界
水は374℃、220気圧以上の高温・高圧になると、液体と気体の区別がつかない特殊な超臨界状態になる。
注2)
太平洋プレート
プレートテクトニクス理論では,地球表面が10数枚のプレートにより覆われ,プレート同士が接する境界部付近では,プレートの沈み込みが起こり、地震や火山といった活発な地学現象が生じる。太平洋プレートは日本の太平洋側に位置し、日本の方向に沈み込んでいる。

 

参考資料:
• JOGMEC資料
http://geothermal.jogmec.go.jp/report/file/session_160603_06.pdf
• 産総研 NEDO TSC Seminar 資料
http://www.nedo.go.jp/content/100789530.pdf
• エネルギー・環境イノベーション戦略(NESTI2050)
http://www8.cao.go.jp/cstp/nesti/honbun.pdf

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