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日本の風力発電所設置の法的規制緩和

日本の風力発電所設置の法的規制緩和

港湾における洋上風力発電所の設置には、港湾管理者にとっては、広範囲の空間を排他的に使用できる権利を長期間にわたり特定の事業者に与えるために、公共の利益の観点から施設の維持管理や事業終了後の撤去が確実に行われる保証が必要であった。また、洋上風力事業者からは、短期間の占有許可を更新し続ける形態は、立場が不安定で資金調達に支障が生じるおそれがあった。そこで、国土交通省港湾局は、2016年7月1日施行の改正港湾法により、港湾管理者が洋上風力発電事業者を公募で決めることにより、図1の水域の洋上風車、洋上変電施設、海底送電線および陸上の運転監視施設、陸上変電施設等の港湾区域における長期占用を認めることとした。この制度により、港湾の機能を損なうことなく、適切な風力発電事業者が安定して発電を行うことが可能になった。

また、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)では環境アセスメント(環境影響調査)負担の問題を解決するために、風力発電施設などを新設する際に必要な環境アセスメントの手続期間の半減を目指して取り組みを進めている。つまり、これまで実施されていなかった完成後の風力発電所の鳥類、騒音・超低周波音、景観に対する環境影響実態調査や工事中の大気環境に対する調査を行い、事前のアセスメントと比較し、重点的に調査すべき点と簡略化できる点を明確にする。この事業の終了後、環境アセスメントの項目(表1参照)は精査されたものとなり、より迅速化を狙うことが可能になる。(2016年8月)

 

図1  再生可能エネルギー源を利活用する区域(洋上風力発電施設等)
図1  再生可能エネルギー源を利活用する区域(洋上風力発電施設等)
出典:国土交通省「港湾における洋上風力発電の占用公募制度の運用指針」
http://www.mlit.go.jp/common/001136929.pdf

 

表1  既設サイトにおける環境要素と調査検討項目

区分 環境要素 調査・検討項目
存在及び供用 鳥類 *1 ・ 風力発電施設の存在及び供用に伴う以下の状況
  ・ 生息環境の減少・喪失
  ・ 移動経路の遮断・阻害
  ・ ブレード・タワー等への接近・接触(バードストライク)
騒音・超低周波音 ・風力発電施設の存在及び供用に伴う騒音及び超低周波音の状況
景観 ・風力発電施設の存在及び供用に伴う主要な眺望景観の状況
工事の実施 大気環境 工事の実施に伴う大気質(窒素酸化物、粉じん)、騒音及び振動の状況

*1 鳥類の調査対象種については、前倒環境調査の適用による環境アセスメント迅速化の検討のため、猛禽類や渡り鳥等、重点化・簡略化の検討が有効であると考えられる種を選定する。
出典:NEDO 既設の風力発電所に関する環境影響の基礎検討
http://www.nedo.go.jp/content/100780330.pdf

 

参考資料:
• 国土交通省「港湾における洋上風力発電の占用公募制度の運用指針」
http://www.mlit.go.jp/common/001136929.pdf
• NEDO既設の風力発電所に関する環境影響の基礎検討
http://www.nedo.go.jp/content/100780330.pdf
• 2015年の日本における風力発電導入状況(2016年3月号)
https://www.asiabiomass.jp/topics/1603_02.html
• 日本の洋上風力発電所(着床式)の状況(2014年1月号)
https://www.asiabiomass.jp/topics/1401_02.html

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