HOME  >   トピックスアーカイブ  >  化合物太陽電池モジュールにおける世界最高の変換効率達成

化合物太陽電池モジュールにおける世界最高の変換効率達成

化合物太陽電池モジュールにおける世界最高の変換効率達成

シリコン結晶太陽電池では理論的に28%程度の変換効率が限界であり、現時点のシリコン単結晶セルでは25.6%、GaAs化合物結晶セルでは、27.5%までが達成されている。一方、高変換効率を得ることを目的とし、化合物を積層して多接合セルとした開発が行われている。(表1参照)

シャープ㈱は、「インジウムガリウムリン(InGaP)」、「ガリウムヒ素(GaAs)」、「インジウムガリウムヒ素(InGaAs)」の3つの光吸収層から成る独自の構造の化合物3接合型太陽電池セル(面積:1.047cm2)として、2014年12月に世界最高の変換効率37.9%を達成した。そして、2016年5月にこのセルを用いて、実用的なモジュール(面積:968cm2)として世界最高の変換効率である31.17%を達成した。

このセルの組成として、InGaPは太陽光の短波長領域、GaAsは中間波長領域、InGaAsは長波長領域で効率良く発電できるように選ばれている。ただし、InGaAsとGaAsの結晶格子のサイズが異なるため、そのままでは効率が低下する。その対策として、図1に示すようにバッファ層を加え、最後にInGaAsを成膜後、反転して基板に接着する工程を採用し、高効率を実現している。(2016年7月)

 

表1  研究開発太陽電池の最高変換効率(2016年4月20日時点)

種類 変換効率(%) 研究開発機関
Si単結晶セル 25.6 パナソニック
化合物結晶(GaAs)セル 27.5 LG電子(韓国)
化合物2接合セル 31.6 Alta Devices(米国)
化合物3接合セル 37.9 シャープ
化合物3接合モジュール 31.17 シャープ

出典:Nrel Best Reseaech Cell Efficienciesを基に作成

 

図1  化合物3接合型太陽電池セルの製造方法
図1  化合物3接合型太陽電池セルの製造方法

 

参考資料:
• シャーププレスリリース
http://www.sharp.co.jp/corporate/news/160519-a.html
• シャープ技報 第107号・2014年7月
Nerl Best Reseaech Cell Efficiencies
http://www.nrel.gov/ncpv/images/efficiency_chart.jpg
• 化合物薄膜系太陽電池の変換効率世界記録達成(日本)(2012年10月)
https://www.asiabiomass.jp/topics/1210_05.html

その他のトピックス