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日本における風力発電コスト低減と設備拡大

日本における風力発電コスト低減と設備拡大

日本風力発電協会(JWPA)は2016年3月、日本における風力発電の本格的な導入拡大を実現することを目指して、諸問題を整理・検討し解決のための具体的な施策をとりまとめた「JWPA Wind Vision Report 〜真に信頼される電源を目指して〜」を策定した。日本風力発電協会の発表によると、2015年(1〜12月)の風力発電の単年導入量は244MW(24.4万kW)で、2015年12月末の累積導入量は3.038GW (303.8万kW)(2,077基、434発電所)となった。

また、今回の報告の中で、2015年7月に政府が決定した2030年に向けた「エネルギーミックス(電源構成)」を踏まえ、「ビジョン V4.3」(2014年6月策定、図1参照)の実現に向けた諸課題を整理・検討し、問題解決に向けた具体的な対応や施策を下記の5項目として取りまとめた。

  1. 発電コストに対しては、2030年までに1kWhが8−12円まで低減できる試算を発表した。発電コストの高さが普及への課題として指摘されているが、同協会は量産効果や稼働率向上、技術革新で建設費を圧縮して低減できるとまとめた。1kWh当たり8円に到達すると火力発電や卸電力市場価格を下回る(図2参照)。
  2. リパワリングでは既設の設備が20年後に、既設と同一容量で建て替えられるとしていたのを、系統の広域運用などによる規制緩和で、設備利用率の高い大型機への置き換えを考慮する。
  3. 地域特性に合致した系統連系の整備・強化により、好風況地域への風力発電導入が進むことがコスト低減、関連産業の集積化により地方経済活性化にも寄与する。
  4. 洋上風力発電の導入促進では、周りを海に囲まれた日本の地理的条件を活用することと、欧州等の事例、実績を活用することがある。
  5. 風力発電産業を支える炭素繊維や軸受・増減速機等の素材及び主要部品を含めた産業全体のサプライチェーンの確立が必要である。

図1の2030年の導入目標は、3,620万kWであるが、日本風力発電協会では、政府による「エネルギー基本計画」や「エネルギーミックス」の改定や、世界および日本のエネルギー情勢を注視しながら、「ビジョンV4.3」と「JWPA Wind Vision Report」を随時見直していくとしている。(2016年5月)

 

図1  風力発電導入ロードマップ
図1  風力発電導入ロードマップ
出典:http://jwpa.jp/pdf/20160229-JWPA-WindVisionReport-ALL.pdf

 

図2  電源別2030年発電コスト(風力を赤枠で囲む)
図2  電源別2030年発電コスト(風力を赤枠で囲む)
出典:http://jwpa.jp/pdf/20160229-JWPA-WindVisionReport-ALL.pdf

 

参考資料:
• JWPAウィンドビジョン(報告書)
http://jwpa.jp/pdf/20160229-JWPA-WindVisionReport-ALL.pdf
• 総合資源エネルギー調査会・長期エネルギー需給見通し小委員会・第10回
http://www.enecho.meti.go.jp/committee/council/basic_policy_subcommittee/mitoshi/010/
• 2030年の日本の電源構成ベストミックス案(2015年7月)
https://www.asiabiomass.jp/topics/1507_06.html

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