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中小水力発電の老朽化更新とFIT

中小水力発電の老朽化更新とFIT

日本における中小水力発電の歴史は古く、図1に示すように開設されてから50年以上の設備も多数あり、中には老朽化が進んでいる設備もある。

固定価格買取制度は、既設の中小水力発電設備の更新に対しても適用される。この場合、中小水力発電設備の全更新を対象とした「新設区分」と、既設の中小水力発電設備の電気設備と水圧鉄管を更新する場合を対象とした、「既設導水路活用型区分」の2種に分けられている。特に「新設区分」に該当する場合には、新設と同じ買取価格(24円〜34円)が適用される。

既設設備更新にも固定価格買取制度が適用(14円〜25円)されることから、表1に示すように更新の例が増えている。東京発電㈱では、表に示した以外に2015年から2019年にかけて10か所の発電所の更新を行う予定である。また、王子製紙㈱でも10か所の発電所の更新を進めている。王子製紙では電力小売り事業参入のために、2015年2月に王子伊藤忠エネクス電力販売㈱を設立し、2016年度から開始される電力の小売自由化に備えている。

更新により同じ水量・落差であっても最新鋭の水車や発電機を使用することで、10%以上の能力向上が期待できる場合があるほか、水車や発電機の台数を減らして大型の装置に集約したり、季節による条件の変動に追従する可変速水車技術の採用も行われ、能力向上に貢献している。(2015年11月)

 

図1  中小水力発電の設備導入件数推移
図1  中小水力発電の設備導入件数推移
出典:中国経済産業局セミナー資料
http://www.chugoku.meti.go.jp/event/energy/120904_2.pdf

 

表1  中小水力発電の更新の例

名称 地域 事業者 開設 出力kW 更新時期 更新後出力kW
石岡第2発電所 茨城県 東京発電 1913年 1,300 2014年3月 1,600
尻別川第1発電所 北海道 王子製紙 1921年 2,190 2015年3月 2,430
深良川第2発電所 静岡県 東京発電 1924年 1,400 2015年3月 1,600
尻別川第2発電所 北海道 王子製紙 1926年 2,880 2015年3月 3,200
白田川発電所 静岡県 東京発電 1927年 2,900 2015年5月 3,100
上の代発電所 栃木県 古河電気工業 1935年 5,800 2015年11月
(予定)
5,920
背戸山発電所 栃木県 古河電気工業 1953年 790 2017年1月
(予定)
790

出典:
東京発電(株)ニュースリリース
http://www.tgn.or.jp/teg/news/
古河電気工業プレスリリース
http://www.furukawa.co.jp/what/2015/env_151013.htm
東芝レビュー Vol.70 No.1(2015)
https://www.toshiba.co.jp/tech/review/2015/01/70_01pdf/a06.pdf

 

参考資料:
• 資源エネルギー庁資料
http://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/dl/nintei_mizu.pdf
• 王子ホールディングス資料
http://www.ojiholdings.co.jp/content/files/ir/library/financial/financial_20150529.pdf
• 中国経済産業局セミナー資料
http://www.chugoku.meti.go.jp/event/energy/120904_2.pdf
• 東京発電(株)ニュースリリース
http://www.tgn.or.jp/teg/news/
• 古河電気工業プレスリリース
http://www.furukawa.co.jp/what/2015/env_151013.htm
• 東芝レビュー Vol.70 No.1(2015)
https://www.toshiba.co.jp/tech/review/2015/01/70_01pdf/a06.pdf

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