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太陽エネルギーからの水素変換効率更新

太陽エネルギーからの水素変換効率更新

水素を再生可能エネルギーから製造し、エネルギーの貯蔵・輸送を担うエネルギーキャリアとする研究開発が、内閣府「総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)」の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)として推進されている。

理化学研究所と東京大学らの研究チームは、太陽光発電から水素を製造するエネルギー変換効率15.3%を達成したと2015年4月に発表した。図1に示すように太陽電池としては、集光レンズ(フレネルレンズ)を用いた集光型太陽電池を用い、水電気分解では水溶液ではなく導電性ポリマーを電解質として使用することにより、従来の光触媒を用いた太陽光からの水素生成のエネルギー変換効率(10%以下)を上回ることを示したものである。

これに続いて同年8月20日にはオーストラリアのMonash大学が変換効率22.4%達成を発表したが、続いて9月17日には東京大学と宮崎大学の研究チームが、24.4%の変換効率を達成したと発表し、世界の最高効率を更新した。

この最高効率を示したシステムは、光学系の設計を改良した住友電気工業㈱製の集光型太陽電池を、THK㈱製の高精度太陽追尾架台に搭載して、宮崎大学の屋外で試験が行われた。水電気分解には導電性ポリマーが使用されている。現時点の集光型太陽電池の発電効率は31%で、今後さらに35%まで改善すると、太陽光から水素へのエネルギー変換効率は28%に達すると予想している。

集光型太陽電池に使用される材料は高価であるが、日射条件に恵まれた海外で大規模に水素を製造し、液体水素にしてタンカーで海外から石油のようにエネルギー源として輸入することが可能になる。効率の高い集光型太陽電池を用いた水素変換技術は、大陸を結ぶ新しいエネルギーキャリアとして期待される。(2015年10月)

 

図1  集光型太陽光発電による水素生成のイメージ
図1  集光型太陽光発電による水素生成のイメージ
各種資料から作成

 

参考文献:
• SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)ホームページ
http://www8.cao.go.jp/cstp/gaiyo/sip/
• 理化学研究所プレスリリース
http://www.riken.jp/pr/press/2015/20150428_1/
• Monash大学プレスリリース
http://monash.edu/news/show/monash-research-sets-new-record-for-generation-of-fuels-from-sunlight
• 東京大学・宮崎大学プレスリリース
http://www.t.u-tokyo.ac.jp/pdf/2015/20150917_sugiyama.pdf

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