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赤外線で発電できる太陽電池

赤外線で発電できる太陽電池

現在、使用されているSi系太陽電池は、主に太陽光の可視光線波長域のエネルギーを電気エネルギーに変換している。一方、次世代の太陽電池のひとつである色素増感型太陽電池(DSC)は、有機化合物からなる色素の光反応を利用して、電気エネルギーを得る。このDSCでは、色素を変えることで利用できる波長域を可視光線より広い波長域へ変更することが可能である。

東京大学先端科学技術研究センターは、DSCの性能向上を目指した近赤外線に対し発電可能なルテニウム錯体色素DX(ダイエックス)を開発し、田中貴金属工業(株)が2015年1月に発売を開始した。

地上に届く太陽光のエネルギーは可視光線が52%、それよりも波長が長い赤外線が42%、波長の短い紫外線が6%の割合となっている(図1)。従来のDSCでは、長波長側の限界が800ナノメール程度であったのが、DXでは200〜300ナノメートル程度拡張し、近赤外線の領域まで利用することで、他のDSCに較べて効率の良い10.0%以上の光‐電気変換効率を得ている。

また、研究開発型ベンチャー企業の国際先端技術総合研究所㈱では、赤外光を利用して、可視光線の無い真っ暗な室内でも発電するDSCを開発している。

DSCは、現状ではSi太陽電池の約18%の変換効率に較べると低いが、広い太陽光波長域に対応することによる効率向上、室内や弱い光でも発電できる特性を活かした使用方法への対応を目指して研究開発が進められている。(2015年6月)

 

図1  DSC用色素の吸収波長範囲
図1  DSC用色素の吸収波長範囲
出典:TANAKAホールディングス(株)プレスリリースを基に作成
http://pro.tanaka.co.jp/topics/fileout.html?f=128

 

参考資料:
• TANAKAホールディングス(株)プレスリリース
http://pro.tanaka.co.jp/topics/fileout.html?f=128
• 日本経済新聞2014年12月30日

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