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再生可能エネルギー出力変動対策用に超電導フライホイールの開発

再生可能エネルギー出力変動対策用に超電導フライホイールの開発

太陽光発電や風力発電は、日照や風速の変化によって発電量が変動することは避けられない。このような天気によって変動する再生可能エネルギーは導入量が多くなると、電力系統の安定性に影響を与える可能性がある。電力系統の安定性を確保する方法は各種あるが、その一つの方法として、リチウムイオン電池などを用いた大型蓄電池システム(表1参照)が開発され、実証試験が行われている。

蓄電池以外の方法として、鉄道総合技術研究所と古河電気工業㈱を中心とするグループは超電導フライホイール蓄電装置を用いた実証試験を2015年4月から開始している。この装置は、余剰電力があるときは、モーターでフライホイール(はずみ車)を回して回転エネルギーとして蓄積し、逆に電力が不足した場合には、フライホイールでモーターを発電機として駆動して発電する。このフライホイールは高温超電導技術によって、非接触で浮上して回転するため、摩擦によるエネルギー損失を少なくすることが可能である。この装置は超電導フライホイールとして世界最大級のものであり、仕様を表2に示している。

試験終了後、この超電導フライホイール装置を山梨県が運営する1MWの米倉山大規模太陽電池発電所に移設し、2015年夏に系統連系して基礎データを取得する予定である。(2015年6月)

 

表1  2次電池と超電導フライホイールの比較

  2次電池 超電導フライホイール
原理 電力を電気化学エネルギーとして貯蔵 電力を回転エネルギーとして貯蔵
長所 可動部がない 瞬時変動に対応可能
メンテナンスフリー
短所 繰り返し充放電による劣化あり 超電導状態を維持するための冷却が必要(補機動力がいる)

出典:鉄道総合技術研究所HPを基に作成
http://www.rtri.or.jp/rd/division/rd79/rd7920/rd79200107.html

 

表2  超電導フライホイールの仕様

項目 内容
フライホイール サイズ 外径2000mm、内径1400mm、高さ900mm
質量 約2985kg
材質 CFRP
回転数 6000rpm(周速度:628m/s)
蓄電能力 100kWh
出力 300kW
超電導コイル材質 イットリウム系高温超電導線材(臨界温度50K)

出典:クボテック(株)プレスリリースを基に作成
http://www.kubotek.com/info/pdf/news/2015/CFRP_flywheel_nr_150202.pdf

 

表3  超電導フライホイール開発実施団体・企業

実施団体・企業 担当分野
NEDO プロジェクト運営
鉄道総合技術研究所 超電導磁気軸受、発電電動機
古河電気工業(株) 超電導磁気軸受
クボテック(株) CFRP製フライホイール
(株)ミラプロ 真空容器
山梨県企業庁 系統連系制御

出典:クボテック(株)プレスリリースを基に作成
http://www.kubotek.com/info/pdf/news/2015/CFRP_flywheel_nr_150202.pdf

 

参考資料:
• 鉄道総合技術研究所HP
http://www.rtri.or.jp/rd/division/rd79/rd7920/rd79200107.html
• 鉄道総合技術研究所プレスリリース
http://www.rtri.or.jp/press/2014/20140310.html
• 古河電気工業(株)プレスリリース
https://www.furukawa.co.jp/what/2015/kenkai_150415.htm
• クボテック(株)プレスリリース
http://www.kubotek.com/info/pdf/news/2015/CFRP_flywheel_nr_150202.pdf

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