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波力発電の実証試験が開始された

波力発電の実証試験が開始された

山形県の酒田港(図1参照)において、2015年4月から波力発電の実証試験が開始された。この試験はNEDOの海洋エネルギー技術研究開発の一環として実施されるもので、事業化した場合の発電コストとしては40円/kWh以下を目指している。

この実証試験では振動水柱型空気タービン波力発電形式を採用しており、波の力で誘起される水位の上下動を空気室の中で空気の流れに変え、その空気でタービンを駆動し、更には発電機を回して電気エネルギーを得るシステムである。水位の上下動によって空気の流れる方向は絶えず入れ変わるが、回転方向が変わらない特殊なタービンが用いられており、最大15kW程度の発電容量を持っている。

酒田港における実証試験は、約30年前に実施された試験に続いて今回が2回目になる(表1)。第1回目は1987〜1999年に振動水柱型波力発電の実証試験が、旧運輸省第一港湾建設局と㈶沿岸開発技術研究センターを中心とした民間企業20社の共同研究として実施されたが、今回は表1に示すようにNEDOを中心として三菱重工鉄構エンジニアリング㈱、東亜建設工業㈱その他の機関、企業が参加して実施される。

この試験では、広範囲の波の周波数に対して空気エネルギーへの変換効率が向上する機構を追加するとともに、振動水柱型空気タービンの種類を、一回目のウェルズタービンから新開発の衝動タービンへ変更することによって発電効率向上をねらっている。

また、既設の防波堤に後付できる構造を採用しており建造・設置コストを低減できることも期待されている。(2015年6月)

 

図1  山形県酒田港における波力発電実証試験
図1  山形県酒田港における波力発電実証試験

 

表1  酒田港における振動水柱型波力発電の実証試験の比較

  第1次実証試験 第2次実証試験
時期 1987〜1999年 2015年
タービン方式 ウェルズタービン 衝動タービン
空気室 防波堤一体構造 既設防波堤への後付
定格発電量 60kW 15kW
発電効率 12.6〜20.9% (波高1.18〜4.83m):
実験値
1次変換効率:60〜70%(水槽実験値)
2次変換効率:40%以上(計画値)
発電効率:24〜28%
実施者 旧運輸省第1港湾建設局
㈶ 沿岸開発技術研究センター
他民間企業20社
NEDO
三菱重工鉄構エンジニアリング㈱
東亜建設工業㈱
海洋研究開発機構
港湾空港技術研究所
佐賀大学
日本大学
本間組
ASI総研

出典:
国立研究開発法人 港湾空港技術研究所HP
http://www.pari.go.jp/cgi-bin/search-ja/detail.cgi?id=1992060310202
土木学会東北支部技術研究報告会資料
http://library.jsce.or.jp/jsce/open/00322/2011/48-02-0056.pdf
NEDOプレスリリース
http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100378.html
NEDO 再生可能エネルギー成果報告会資料(海洋分野)
http://www.nedo.go.jp/events/report/ZZFF_100009.html

 

参考資料:
• NEDOプレスリリース
http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100378.html
• 国立研究開発法人 港湾空港技術研究所HP
http://www.pari.go.jp/cgi-bin/search-ja/detail.cgi?id=1992060310202
• 土木学会東北支部技術研究報告会資料
http://library.jsce.or.jp/jsce/open/00322/2011/48-02-0056.pdf
• NEDO再生可能エネルギー成果報告会資料
http://www.nedo.go.jp/content/100546658.pdf
http://www.nedo.go.jp/events/report/ZZFF_100009.html
• 世界初のブローホール式波力発電システム実証研究施設が稼働開始(トピックス2014年11月)
http://www.asiabiomass.jp/topics/1411_03.html

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