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微細藻類の大規模屋外培養への取り組み

微細藻類の大規模屋外培養への取り組み

微細藻類は大量の油分を含む性質があることから次世代のバイオ燃料として注目されている。㈱IHI、神戸大学、ネオ・モルガン研究所㈱のグループは、鹿児島県に屋外大規模培養試験設備を2015年4月までに完成し、運用を開始することを発表した(写真1参照)。このグループは2013年に、IHIの横浜事業所で100m2の培養池試験に成功しているが、今回は1,500m2で試験を行う。

上記の例は屋外の培養池を使用した開放系システムであるが、微細藻類の大規模培養には、光が透過する透明容器を使用した閉鎖系システムも考えられる。しかしこちらは建設費が高価となるため、藻類の生産コストがかかりすぎる難点がある。一方、開放系では生産コストの低減が期待できるが、動物プランクトンや植物プランクトンが花粉や虫、鳥のフンなどに付着して侵入し、多種類のプランクトンとの生存競争が生じる可能性があるため実証試験が必要である。

培養池で大規模培養を行う実証試験は、㈱IHI、神戸大学、ネオ・モルガン研究所㈱のグループの他にも、表1に示すように、いろいろな微細藻類に対して行われており、基礎的な実験室の研究から実証試験の段階に移りつつある。また、培養池としては角型のプール状以外に円形で攪拌機構のあるタイプや楕円形で水流を起す機構のあるレースウェイ型が使用されている。(2015年5月)

 

写真1 ㈱IHI、神戸大学、ネオ・モルガン研究所㈱により建設中の培養設備
写真1  ㈱IHI、神戸大学、ネオ・モルガン研究所㈱により建設中の培養設備
提供:新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100354.html

 

表1  日本における微細藻類の大規模屋外培養の例

事業者 屋外培養池規模 試験場所 微細藻類 支援機関
㈱IHI、神戸大学、
ネオ・モルガン研究所㈱
1,500m2 鹿児島県鹿児島市 ボトリオコッカス NEDO
電源開発㈱、日揮㈱、
東京農工大学
円形10m2×20 福岡県北九州市 海洋微細藻類
Fistulifera 属
NEDO
JX日鉱日石エネルギー㈱、㈱ユーグレナ、㈱日立製作所、慶応義塾大学 レースウェイ型25m2×2 沖縄県石垣島 ユーグレナ(ミドリムシ) NEDO
スメーブジャパン㈱ レースウェイ型大小7本
合計
2,600m2
宮城県石巻市清崎モデルファーム ナンノクロロプシス 農林水産省
筑波大学、つくば市、茨城県 レースウェイ型
2,800m2
茨城県つくば市栗原 ボトリオコッカス 国土交通省、内閣府
仙台市、東北大学、筑波大学 【計画】ボトリオコッカス:200m2(培養フィールド)
オーランチオキトリウム:360L(90L培養槽×4)
宮城県仙台市南蒲生 ボトリオコッカス、オーランチオキトリウム 復興庁、文部科学省
デンソー㈱ 33,000L 愛知県西尾市 シュードコリシスチス 農林水産省

出典:各種資料から作成

 

参考資料:
• NEDO ニュースリリース
http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100354.html
• IHI プレスリリース
https://www.ihi.co.jp/ihi/all_news/2013/press/2013-11-14/index.html
• 福岡県地域エネルギー政策研究会
http://www.pref.fukuoka.lg.jp/uploaded/life/154903_50847268_misc.pdf
• 平成26年度NEDO新エネルギー成果報告会バイオマス分野 予稿集
http://www.nedo.go.jp/events/report/ZZFF_100009.html
• 日本経済研究所レポート
http://www.jeri.or.jp/membership/pdf/research/research_1411_01.pdf
• 朝日新聞
http://www.asahi.com/articles/ASG3S4J02G3SUJHB00F.html
• 東北復興次世代エネルギー研究開発機構HP
http://net-tohoku.sakura.ne.jp/wp/task2
• デンソー㈱ HP
http://www.denso.co.jp/ja/aboutdenso/corporate/business/newbusiness/newbusinessdomain/bio/#menu_wrap

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