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微生物燃料電池で発電とリン回収に世界初の成功

微生物燃料電池で発電とリン回収に世界初の成功

廃水からエネルギーを回収する方法としては、メタン発酵によりメタンガスを得る方法が広く使われている。それとは異なり、微生物が排水中の有機物を分解する際に発生する電子を利用して、発電するのが微生物燃料電池である。負極には電子生産微生物が保持されており、正極は白金触媒で出来ている(図1参照)。負極で発生した電子は回路を流れ、負荷を通過して正極で水酸イオンを発生する。

岐阜大学は、微生物燃料電池を用いて発電をしながら廃水からリンを回収することに世界で初めて成功したことを2014年12月に発表した。この技術は、プラス極近傍は水酸イオンのためアルカリ性になることに注目し、リン、マグネシウム、アンモニウムを含む廃水(養豚廃水)からMAP(リン酸マグネシウムアンモニウム)を回収するものである。従来のMAP製造法では、排水をアルカリ性にするために前処理に薬剤の添加が必要であったが、この方法では発電と組み合わせることでMAPの製造が可能であり、アルカリ薬剤を加えないために中和する必要なしに肥料として使うことができる。

発電能力としては、消費された有機物に含まれるエネルギーが電力になった割合(発電効率)は25%であり、単位電極当たりの発電量は2W/m2である。現在は実験室レベルの研究であるが、 発電と肥料として利用できるリンの回収を同時に行う微生物燃料電池の実用化が期待される。(2015年1月)

 


図1  微生物燃料電池の構成
出典:岐阜大学ホームページ(http://www.gifu-u.ac.jp/about/publication/g_lec/special/201411.html
JST新技術説明会資料(https://www.jstshingi.jp/abst/p/12/1205/tokai2-3.pdf)から作成

 

参考文献:
• 岐阜大学ホームページ
http://www.gifu-u.ac.jp/about/publication/g_lec/special/201411.html
• JST新技術説明会資料
https://www.jstshingi.jp/abst/p/12/1205/tokai2-3.pdf
• 日経プレスリリース(2014年12月2日)
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=375166&lindID=5

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