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世界初のブローホール式波力発電システム実証研究施設が稼働開始

世界初のブローホール式波力発電システム実証研究施設が稼働開始

東京大学先端科学技術研究センターが、飯田誠特任准教授をプロジェクトリーダーとして、開発していた世界初のブローホール式波力発電実証研究設備が、2014年10月2日に福井県越前町小樟(ここのぎ)の海岸に姿を現した。このブローホール式波力発電は、波の荒い海岸の岩場に見られる潮吹き穴(ブローホール)を人工的に岩盤に孔をくり抜いて再現し、その中で波の上下動で生じる風で空気タービンを回転させて発電するものである。この設備では人工ブローホールとして直径1.4m、長さ約50mの穴を3本掘削し、最大30kWを発電する。

これまでに研究されてきた波力発電に比べて、今回設置されたブローホール式波力発電は構造が簡単であるため、建設費やメンテナンス費を抑えられる可能性があるとされている。表1図1にこれまで日本の実海域で実証試験が行われたブローホール式とそれに類似した振動水柱型1)の波力発電の例を示す。また、新しく開発された空気タービンは今まで問題になっていたタービン翼の失速を防ぎ、回転数を制御して効率を向上させる新しい技術が使われている。このプロジェクトは環境省の地球温暖化対策技術開発・実証研究事業として、2012年度から2014年度の3年計画で行われているものである。(2014年11月号)

 

表1 日本の実海域で実証試験が行われたブローホール式および振動水柱式の波力発電の例

名称 研究機関 研究実施時期 定格出力
①波力発電船「海明」 海洋研究開発機構 1976〜1986 125kW×8
②沿岸固定波力発電 海洋研究開発機構 1983 40kW
③堤防利用波力発電 運輸省第1港湾建設局 1989〜2000 約60kW
④浮体型波力発電
「マイティーホエール」
海洋研究開発機構 1998〜2002 50+10kW、30kW×2
⑤ブローホール式波力発電 環境省、東京大学先端科学技術研究センター 2012〜2014 30kW

※①〜④は振動水柱式
出典:環境省地球温暖化対策技術開発・実証研究事業 ブローホール式波力発電パンフレット (PDF)
波力発電の研究開発の現状 日本マリンエンジニアリング学会誌 第47巻 第4号(2012) (PDF)

 

図1 波力発電実証試験実施場所
図1 波力発電実証試験実施場所
出典:表1と同じ

 

1) 振動水柱式:
装置内に空気室を設け、海面の上下動によって生じる空気の振動流を用いて空気タービンを回転させ発電する方式

 

参考資料:
• 福井新聞
http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/society/54720.html
• 環境省地球温暖化対策技術開発・実証研究事業 ブローホール式波力発電パンフレット (PDF)
• 波力発電の研究開発の現状 日本マリンエンジニアリング学会誌 第47巻 第4号(2012) (PDF)

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