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河川維持放流による小水力発電

河川維持放流による小水力発電

ダムからは、下流域にダムがなかった場合と同量の流水を確保することで水生生物などの生育環境・生態系を維持するために、常に一定量の放流が行われる。この維持の目的でダムからの放流される流量を発電に利用する場合は、環境に影響を与えないとして、2013年12月に河川法が改定された。改訂内容は河川維持放流による水力発電の設置が「許可制」から「登録制」となり、手続きの簡素化・円滑化が図られた。

この規制緩和により、福岡県では県営ダムの放流水を活用した小水力発電について、事業の採算性の調査を行った結果、12ダムのうち4ダム(瑞梅寺、藤波、力丸、陣屋)で採算性が成り立つ結果が得られた。この中で最も採算性の良い瑞梅寺ダムが着工されることになった。

また、日本工営は中小水力発電を対象として、全国初のダムESCO(エネルギー・サービス・カンパニー)事業を開始した。これは、水力発電設備を建設し、発電の事業主体となって固定買取制度で売電収入を得ると同時に、これまで栃木県が負担していたダム管理の電気料金をESCO業者が負担し、設備の維持管理費を除いた残りを利益するという事業である。

表1に維持流量発電所計画を運転開始予定順に示す。中部電力は自社のダムに対し、自らが事業者となり維持流量発電所を設置するだけでなく、グループ企業のシーテックとも協力し、事業を進めている。(2014年6月号)


表1 維持流量発電所計画

維持流量発電所 ダム名 発電所出力 運転開始 発電事業者
寺山ダムESCO事業発電所 栃木県寺山ダム
(栃木県矢板市)
190kW 2013年9月 日本工営
瑞梅寺ダム放流水小水力発電所 福岡県瑞梅寺ダム
(福岡県糸島市)
99kW 2014年末(予定) 糸島市
新串原(しんくしはら)水力発電所 中部電力矢作第二ダム
(岐阜県恵那市)
220kW 2015年6月(予定) 中部電力
阿多岐水力発電所 岐阜県営阿多岐ダム
(岐阜県郡上市)
190kW 2015年6月(予定) 中部電力
秋神水力発電所 中部電力秋神ダム
(岐阜県高山市)
290kW 2016年4月(予定) シーテック
中木庭ダム小水力発電所 中木庭(なかこば)ダム
(佐賀県鹿島市)
195kW 2016年4月(予定) 西技工業・九州電力・九電工連合体

出典:各プレスリリースから作成

 

参考資料:
• 国交省 小水力発電普及促進への取り組み
https://www.mlit.go.jp/river/riyou/syosuiryoku/131211_syousuiryoku_pamphlet.pdf
• 福岡県・糸島市 プレスリリース
http://www.pref.fukuoka.lg.jp/uploaded/life/81088_16532244_misc.pdf
http://www.city.itoshima.lg.jp/uploaded/attachment/8372.pdf
• 佐賀県 プレスリリース
http://www.pref.saga.lg.jp/web/kurashi/_1261/kk-damu/_76143.html
• 株式会社シーテック プレスリリース
http://www.ctechcorp.co.jp/news/wp-content/uploads/2014/04/26-04-21.pdf
• 中部電力 プレスリリース
http://www.chuden.co.jp/corporate/publicity/pub_release/press/3219938_6926.html
• 日本工営 プレスリリース
http://www.n-koei.co.jp/news/2013/20130920.html

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