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マレーシアでパームヤシによるバイオコークス製造試験開始

マレーシアでパームヤシによるバイオコークス製造試験開始

近畿大学と大阪ガスエンジニアリングは、2014年3月3日にマレーシアにおいて、パームヤシ由来のバイオマスを原料としたバイオコークスの製造試験を開始することを発表した。

バイオコークスは、バイオマス原料を粉砕して反応容器内に充填し、加熱・加圧することによって生成される固体燃料である。近畿大学が開発したバイオコークスの製造プロセスは、従来の方法が炭化に800℃程度の加熱が必要であったことに比べ、約180℃、20MPaの条件で原料を炭化させない新たな固形化転換技術で生成されるため、燃料化による減量がほとんどない。バイオコークスの木質ペレットと木質チップとの比較を表1に示す。

近畿大学は表2に示すように2008年以来、実証試験やバイオコークス製造装置の開発を継続して行っている。そして、その取り組みが認められ、新エネルギー財団が実施している2011年度新エネ大賞(資源エネルギー庁長官賞)のほか環境省の2012年度地球温暖化防止活動環境大臣賞を受賞している。

今回のマレーシアにおける製造試験は、独立行政法人科学技術振興機構(JST)の実施する「産学共同実用化開発事業」によるもので、大阪ガスエンジニアリングがパイロットプラントをマレーシアに設置し、年間650トン程度の製造を2年間行う。その結果により、商業プラントを建設し、バイオコークスの量産化および日本国内の溶解炉等への販売を目指すとしている。(2014年5月)


表1 バイオコークス、木質ペレット、木質チップの物性比較

項目 バイオコークス 木質ペレット 木質チップ
サイズ 任意。事業ベースでは直径100mm
長さ1000〜2000mmが一般的
直径6〜8mm
長さ5〜25mm
縦横とも20±5mm
比重 1.4 0.55 0.2(含水率60%)
含水率 ほぼゼロ 10〜15%未満 40〜80%(標準)
硬度 非常に硬
発熱量(MJ/kg) 18〜23 16.7(含水率12%以下) 10.5(含水率60%)

出典:2010年度 北海道経済産業局 バイオマスの燃料利用ルートマップ作成調査報告書
http://www.hkd.meti.go.jp/hokni/20110513_2/20110513_2report.pdf

 

表2 開発経緯

年月 内容 関係企業
2008年4月 豊田自動織機の東知多工場の溶解炉で実証試験。バイオコークスが石炭コークスの11.4%を代替できることを確認 近畿大学、豊田自動織機
2010年4月 実用タイプバイオコークス製造装置開発(約1トン/日) 近畿大学、ナニワ炉機研究所
2011年4月 世界初のバイオコークス商用プラントを大阪高槻市に建設 近畿大学、大阪府森林組合
2011年9月 廃棄物高温ガス化直接溶融炉で石炭コークス56.5%の代替に成功 近畿大学、JFEエンジニアリング、ナニワ炉機研究所、日本鉱研
2012年 新型連続製造機の開発に成功 北海道経済産業局「地域イノベーション創出研究開発事業」
2012年1月 新エネ大賞(資源エネルギー庁長官賞)受賞 近畿大学、大阪府森林組合、ナニワ炉機研究所
2012年12月 地球温暖化防止活動環境大臣賞受賞 近畿大学、豊田自動織機、大阪府森林組合、ナニワ炉機研究所

出典:近畿大学プレスリリースを基に作成
http://www.kindai.ac.jp/topics/assets_c/2014/03/140303bio-coke.pdf

 

参考資料:
• 近畿大学プレスリリース
http://www.kindai.ac.jp/topics/assets_c/2014/03/140303bio-coke.pdf
• 近畿大学バイオコークスプロジェクトホームページ
http://www.kindai.ac.jp/bio-coke/
• 北海道経済産業局 バイオマスの燃料利用ルートマップ作成調査報告書
http://www.hkd.meti.go.jp/hokni/20110513_2/
• 新エネルギー財団 平成23年度新エネ大賞
http://www.nef.or.jp/award/kako/h23/p03.html
• 平成24年度 地球温暖化防止活動環境大臣賞
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/min_award/h24_pamph/full.pdf

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