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再生可能エネルギーの出力変動対策としての水素利用

再生可能エネルギーの出力変動対策としての水素利用

太陽光発電や風力発電のような再生可能エネルギー発電は、日射や風の強弱により出力が変動する。これらの変動を吸収する手段として蓄電池が検討されており、一部の風力発電設備等に設置され実証試験が行われている。

蓄電池を利用する方法とは別の対策として、発電された電力により水の電気分解を行ない、水素を発生し、水素としてエネルギーを蓄え、輸送する技術の検討も行われている。この場合に水素をエネルギーキャリアと呼ぶ。蓄電池では、設置スペース等により蓄電できる容量が限られるが、水素の場合は、水電解装置があれば、できた水素はタンクに貯蔵できるので、タンクから水素を別の場所に輸送すれば設置スペースの制約はなくなる。

ドイツなどでは、最近大規模な実証事業が行われているが、日本でも風力発電や太陽光発電と組み合わせた実証事業が開始されている。水素は燃料電池自動車の燃料として、直接利用することができる利点もある。

表1に水電解装置の種類、表2に日本で行われている再生可能エネルギー電源と組み合わせた実証事業の例を示す。(2014年3月号)

 

表1 水電解装置の種類

  アルカリ水電解 固体高分子型水電解 水蒸気電解
特徴 水酸化ナトリウムや水酸化カリウムを電解質にした電気分解で最も歴史がある 固体高分子型燃料電池のイオン交換膜を使用した水電解。燃料電池が水素と酸素からエネルギーと水を発生させる逆反応を利用する。 800℃程度の高温で水蒸気を電解する方法で他の水電解よりも高効率が期待できるが、まだ開発中である。固体酸化物燃料電池(SOFC)の逆反応である。
メーカー・研究機関 バンテック等 神鋼環境ソリューション
アタカ大機
GSユアサ等
東芝
産業技術総合研究所

出典:各社ホームページから作成

 

表2 再生可能エネルギー電源と組み合わせた水電解水素製造実証事業

設置場所 主要関係企業 電源 備考
屋久島 神鋼環境ソリューション 水力発電 2004-2005年、鹿児島大学、屋久島電工、ホンダが実証試験を実施(終了)
北海道稚内 バンテック 風力発電 2005年環境省「風と燃料電池で築く環境最先端の町づくりプロジェクト」
秋田県
仁賀保高原
日立製作所 風力発電 2011〜2012年 国立極地研究所の風力発電機(既設)と接続して試験データを収集する。
埼玉県庁 ソーラー水素ステーション 本田技研工業、本田技術研究所、岩谷産業 太陽光発電 2012年 環境省・地球温暖化対策事業

出典:各社ホームページから作成

 

参考資料:
• 再生可能エネルギー発電の出力変動対応(トピックス11月)
http://www.asiabiomass.jp/topics/1311_04.html
• 本田技研プレスリリース
http://www.honda.co.jp/news/2012/4120327.html
• 日立製作所プレスリリース
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2011/11/1107.html
• 神鋼環境ソリューションホームページ
http://www.kobelco-eco.co.jp/product/suisohassei/hhog_nounyu.html
• バンテック株式会社 福岡水素戦略会議報告資料
http://www.f-suiso.jp/bunkakai/H23bunkakai/4th/H23_4_3.pdf
• アタカ大機ホームページ
http://www.atk-dk.co.jp/business/processor/sterilization/hydrospring.html
• GSユアサホームページ
http://tokki.gyid.gs-yuasa.com/products/ozone_03.php

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