HOME  >   トピックスアーカイブ  >  ユーグレナ(ミドリムシ)によるジェット燃料

ユーグレナ(ミドリムシ)によるジェット燃料

ユーグレナ(ミドリムシ)によるジェット燃料

CO2排出削減の動きから再生可能エネルギーであるバイオマス燃料は、注目を浴びてきた。航空業界でもICAO(国際民間航空機関)とIATA(国際航空運輸協会)は、①2020年までに毎年1.5%燃費を改善、②2020年にカーボン・ニュートラル達成、③2050年までに2005年比で50%のCO2削減、を目標としており、バイオマスを原料とするバイオジェット燃料への期待は高い。

原料となる燃料作物の中で、陸生植物を利用する場合、食用作物の育成、また耕作地の競合が問題となるが、微細藻類は、食糧との競合がなく、また陸生植物に比べ単位面積あたりの油脂生産量が高い(表1)、などの特徴をもつが、大量培養技術が確立されておらず、今後の課題となっている。しかし至近では、油脂含有率の高い新規株の発見・培養成功、また大規模培養に向けた屋外での培養試験成功などの報告が相次いでいる。

欧米でも微細藻類からのバイオジェット燃料化に取組んでいるが、表2に示すようにユーグレナからはジェット燃料に適した軽質油が抽出できる。我が国においては、株式会社ユーグレナ(2005年に起業、藻類培養の技術開発型ベンチャー企業),JX日鉱日石エネルギー,日立プラントテクノロジーの三社共同で、大量培養技術を基として低コストでの製造技術(図1)の開発を実施しており、2018年にジェット燃料の事業化を目指している。また神鋼環境ソリューションと筑波大学の研究開発グループでは2013年5月に今まで以上の生産性が期待できる新規株の発見を報告している。現在のところ陸生植物由来のバイオ燃料による試験が海外で進んでいるが、次世代の原料として期待される微細藻類を利用したバイオ-ジェット燃料の実用化に向け、日本も大きく動き出しつつある。(2014年1月号)

 

図1 ジェット燃料の製造工程
図1 ジェット燃料の製造工程
出典:NEDO新エネルギー成果報告会-バイオマスエネルギー利用技術の実用化に向けて- 「微細藻由来のバイオジェット燃料製造に関する要素技術の開発」2012年12月13日〜14日 を元に作図
http://www.nedo.go.jp/content/100513639.pdf

 

表1 燃料作物の生産性比較

  微細藻類 パーム ジャトロファ
油脂生産量(kg/m2•y) 5.9 0.6 0.2
炭素量 12〜40 14〜16 18程度
特徴 生産能力が高い 生産コストが安い 乾燥に強い

出典:日立プラントテクノロジ−技法No.5 (2011年1月号、P34)

 

表2 微細藻および植物油の脂肪酸炭素量分布
表2 微細藻および植物油の脂肪酸炭素量分布
出典:NEDO新エネルギー成果報告会-バイオマスエネルギー利用技術の実用化に向けて- 「微細藻由来のバイオジェット燃料製造に関する要素技術の開発」2012年12月13日〜14日を基に作表
http://www.nedo.go.jp/content/100513639.pdf

 

参考資料:
• IHIプレスリリース
http://www.ihi.co.jp/ihi/all_news/2013/press/2013-11-14/
• 神鋼環境ソリューションプレスリリース
http://www.kobelco-eco.co.jp/topics/news/2013/20130530.html

その他のトピックス