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浮体式洋上風力発電実証試験機が相次いで運転開始

浮体式洋上風力発電実証試験機が相次いで運転開始

2013年10月28日に長崎県五島市糀島沖で、2MWの浮体式風力発電(環境省)の運転が開始された。また、11月11日には福島県沖の浮体式風力発電(経済産業省)の運転が開始された。福島県沖では、まず2MW機が設置されたが、2015年までに更に7MW機が2基追加される予定である。(表1参照)

日本は世界6位の排他的経済水域を有する海洋国で、広大な洋上を活用できる。しかし、日本の海岸線は急激に深くなる場所が多いので、欧州のように遠浅の海域ではなく比較的深い海に風力発電設備を設置することが必要である。さらにこれら実証試験では、風や波の影響のほかに、海洋生物に与える影響も検討される。表2に示すように環境省の調査では、浮体式の風力発電を設置することで、陸上の約4.5倍の設備容量が得られる可能性を示している。

浮体式洋上風力発電の実績は世界でも、ノルウェーのHywindプロジェクト(2.3MW)とポルトガルのPrinciple Powerプロジェクト(2MW)しかなく、日本は浮体式洋上風力発電の分野で世界のトップとなった。日本の風力発電企業としては、三菱重工業が2013年9月にデンマークのVestas社(2012年世界シェア2位)と洋上風力発電の合弁会社を設立し、世界のトップグループを目指す体制を整えている。(2013年12月号)


表1  浮体式洋上風力発電実証事業

  福島県沖洋上風力 長崎県五島市糀島沖洋上風力
水深 約100〜150m 100m
離岸距離 約20〜40m 約1km
第1期 期間 2011〜2013年 2011年〜2012年
設備容量 2MW×1(ダウンウインド型) 100kW×1(ダウンウインド型)
風車メーカー 日立製作所 富士重工業
浮体構造 コンパクトセミサブ型 ハイブリッドスパー型
第2期 期間 2014〜2015 2013〜2015年
設備容量 7MW×2(油圧駆動アップウインド型) 2MW×1(ダウンウインド型)
風車メーカー 三菱重工業 日立製作所
浮体構造 アドバンストスパー型
V字セミサブ型
ハイブリッドスパー型
事業主体
参加企業等
経済産業省
丸紅
東京大学
三菱商事
三菱重工
ジャパンマリンユナイテッド
三井造船
新日鐵住金
日立製作所
古河電気工業
清水建設
みずほ情報総研
環境省
戸田建設
日立製作所
芙蓉海洋開発
京都大学
海上技術安全研究所

出典:福島県洋上風力コンソーシアム プレスリリース
http://www.fukushima-forward.jp/news_release/news131114.html
GOTO FOWT プレスリリース
http://goto-fowt.go.jp/archives/422/


表2  洋上風力発電のポテンシャル

設置場所 ポテンシャル(億kW) 備考
陸上 2.8  
洋上(着床式) 3.1 水深50m未満
洋上(浮体式) 12.6 水深50m以上

出典:総合海洋政策本部参与会議(第7回)資料
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kaiyou/sanyo/dai7/siryou3.pdf

 

参考資料:
• Statoilホームページ
http://www.statoil.com/en/TechnologyInnovation/NewEnergy/RenewablePowerProduction/Offshore/Hywind/Downloads/Hywind_nov_2012.pdf
• Principle Powerホームページ
http://www.principlepowerinc.com/news/press_PPI_WF_deployment.html
• 三菱重工プレスリリース
http://www.mhi.co.jp/news/story/1309275427.html

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