HOME  >   トピックスアーカイブ  >  農地でのソーラーシェアリングの進展

農地でのソーラーシェアリングの進展

農地でのソーラーシェアリングの進展

固定価格買取制度開始以降、農地を利用した太陽光発電に注目が集まっている。日本には455万haもの農地があり、その内40万haが耕作放棄地になっている。この耕作放棄地といえども農地法により、農地転用の申請を行い許可されることが必要であり、太陽光発電を設置することは困難であった。

しかし、営農を行いながら耕作地の上部空間に太陽光発電設備等の発電設備を設置する技術が開発され、2013年3月に農林水産省が農地転用を行わずに、太陽光発電を設置することを下記の条件付で認めることとなった。

  1. 支柱は簡易な構造で容易に撤去できるものに限る
  2. パネルの角度、間隔等からみて農作物の生育に適した日照量を保つための設計になっている
  3. 営農型発電設備の下部の農地において生産された農作物に係る状況を、毎年報告する
  4. 申請に係る転用期間を3年以内の期間とし、問題のない場合に延長を認める

ソーラーシェアリングは、ある照度(光飽和点)以上では植物の光合成量が飽和することで余分な照度を太陽光発電に振り分けても、植物の収穫に影響しないという考え方である。柑橘類では3〜4万ルクスで晴天時の10万ルクスより低い照度で十分である。具体的には、農地の上部架台に隙間を空けて太陽電池パネルを取り付ける。表1にソーラーシェアリング太陽光発電の例を示す。最も規模の大きい福島県の例は2013年の8月に工事に着工した段階である。

また、植物の葉が緑に見えるのは、植物のクロロフィルが太陽光スペクトルのうち最も大きなエネルギーを持つ緑色の領域の光を吸収しないためで、この領域の光を選択的に吸収する色素を用いた色素増感型太陽電池によるソーラーシェアリングが考えられている。具体的には半透明のフィルム状太陽電池を農地の上部に設置したり、温室の屋根などに使用したりする。

 

表1 ソーラーシェアリング太陽光発電の例

  CHO技術研究所 ソーラー
シェアリング坪井
有限会社マイスター
環境サービス
イー・コモンズ
設置場所 千葉県市川市 静岡県浜松市 福島県
設備容量(kW) 4.56+4.68 50 200
運転開始 2011年 2013年8月
関連事業 農林省「緑と水の環境革命プロジェクト」 固定価格買取制度 遊休地等賃貸利用型太陽光モデル実証事業
農作物 落花生、たまねぎ、そば、チンゲンサイなど 柑橘類(でこぽん)

 

参考資料:
• 農林水産省通達
http://www.maff.go.jp/j/press/nousin/noukei/pdf/130401-01.pdf
• ソーラーシェアリング協会HP
http://solar-sharing.org/about/index.html
• イー・コモンズプレスリリース
http://8210-55.com/_src/sc2924/83v838c83x88c8e793fa288a948eae89ef8ed083c815b81e83r8382839383y29.pdf
• かずさDNA研究所シンポジウム資料
http://www.saci.kyoto-u.ac.jp/?p=3012

その他のトピックス