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日本の海洋温度差発電技術をアジアへ

日本の海洋温度差発電技術をアジアへ

日本は周りを海に囲まれていることから、海の表層の温かい海水と深海の冷たい海水の温度差を利用した、海洋温度差発電の研究開発が行われている。現状の技術では20℃の温度差で発電可能であるが、さらに15℃でも発電できるように、特に熱交換器の開発が行われている。低緯度の地方での表層は、年間を通して26〜30℃程度に保たれ、600〜1,000mの深海は1〜7℃であり、十分な温度差があり、海洋温度差発電に有利である。地域別では、沖縄・九州・伊豆七島や小笠原諸島を含む、東京電力、沖縄電力、九州電力管内の導入ポテンシャルが高い。

佐賀大学の海洋エネルギー研究センターでは、2003年から発電出力30kWの試験プラントが稼動している。ここで得られた研究成果を生かして、インド国立海洋技術研究所に対してインド南東部における、発電施設開発(1MW以上)の技術支援を行っている。また、インドネシアにおいては、佐賀大学と共同で発電量ポテンシャル調査が行われている。同国では表層と水深500〜600mで20度の差があり、条件が良いことがわかる。

一方、2011年には、台湾の工業技術研究院が5kWのモデルプラットフォームを立ち上げた。この様に、海洋温度差発電のポテンシャルの大きいアジアにおいて、海洋温度差発電開発の動きが活発化しつつある。

アジア以外では、米国で長年海洋温度差発電を研究開発しているロッキード・マーチン社は、米国エネルギー省の予算で、ハワイにおける10MWのパイロットプラント開発を2008年に開始している。

 

図 海の表層と深層の平均温度差(数字は表層と水深1000mの温度差(度))
図 海の表層と深層の平均温度差(数字は表層と水深1000mの温度差(度))
出典:ロッキード・マーチン社ホームページから作成
(http://www.lockheedmartin.com/content/dam/lockheed/data/ms2/documents/OTEC-brochure.pdf,
http://www.lockheedmartin.com/us/products/otec.html)

 

表 海洋温度差発電の導入ポテンシャル(離岸距離30km以内、単位MWh/年)

電力管区 現状技術(温度差20度以上) 将来技術(温度差15度以上)
北海道電力(株) 0 244,404
東北電力(株) 0 13,339,728
東京電力(株) 19,268,496 53,658,504
北陸電力(株) 0 5,077,296
中部電力(株) 0 5,234,976
関西電力(株) 654,372 3,894,696
中国電力(株) 0 4,446,576
四国電力(株) 504,576 4,706,758
九州電力(株) 4,446,576 29,588,652
沖縄電力(株) 22,051,548 35,651,448
合計 46,925,568 155,843,028

出典:海洋エネルギーポテンシャルの把握に係る業務 NEDO 2011

 

図 インドネシアにおける海水の垂直温度分布
図 インドネシアにおける海水の垂直温度分布
出典:International Seminar on Ocean Energy2012資料
http://energy-indonesia.com/03dge/0120918-02.pdf

 

参考資料:
 NEDO再生可能エネルギー白書2010
 佐賀大海洋エネルギー研究センターホームページ
http://www.ioes.saga-u.ac.jp/jp/index.html
 台湾週報2011/4/22
http://www.taiwanembassy.org/ct.asp?xItem=195360&ctNode=3591&mp=202

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