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メコン河流域圏でのバイオマス利用促進プロジェクトがスタート

メコン河流域圏でのバイオマス利用促進プロジェクトがスタート

東南アジアを流れるメコン河は、チベット高原を源流とし、中国、ミャンマー、ラオス、タイ、カンボジア、ベトナムの6ヶ国を流れ、南シナ海に抜ける典型的な国際河川の一つである。メコン河を流域とするこれら地域は、メコン河流域圏(GMS; Greater Mekong Subregion)と呼ばれ、6ヶ国が加盟し、260万km2の面積と3億2,600万人の人口を擁する。

アジア開発銀行(ADB; Asian Development Bank)は、2011年7月、「メコン河流域圏のバイオマスの利用促進のためのプロジェクトを決定した」と発表した。北欧開発基金(NDF; Nordic Development Fund)からの400万ドルの供与と、カンボジア、ラオス、ベトナムからの60万ドルの資金を基に、これら3国で、2011年7月から2014年12月までプロジェクトを進める。

カンボジア、ラオス、ベトナムの国々では、農業の副産物として大量に発生する籾殻や家畜の排泄物が、クリーンエネルギーや肥料として有効に利用されていない。同時に、バイオ燃料を生産するために穀物の大規模農業が行われ、この結果として食料向けの穀物生産や森林が減少し、食料安全保障上の問題が出ている。

プロジェクトでは、

  • 500基の一般家庭向けのバイオガス・システム(家畜の排泄物からメタンガスを製造)
  • 600基のバイオ炭製造炉(薪を蒸し焼きにして炭を製造)
  • 75,000基の炊事用コンロ(燃焼効率を良くし室内の空気汚染を予防する)

の設置を計画している。

カンボジア、ラオス、ベトナムの農村地域で、ほとんどの家庭の料理用に木質燃料(薪)を使用している。UNICEF(国連児童基金;The United Nations Children's Fund)の2005年の報告では、燃焼効率の悪い炊事用コンロや、品質の良くない木質燃料を室内で使用することで、全世界で毎年160万人が、室内の空気汚染で死亡しているという。

今回のプロジェクトは、食料安全保障の確保のために、土地や森林の利用についても検討される。未利用のバイオマスを有効利用することで、クリーンエネルギーを製造し、更にCO2排出削減と農村部貧困層の生活改善が図られる。

 

図  メコン河と6ヶ国の流域
図  メコン河と6ヶ国の流域

 

図  メコン河流域圏( GMS; Greater Mekong Subregion
図  メコン河流域圏 (GMS; Greater Mekong Subregion)
出典:http://www.adb.org/GMS/img/gmsmap2010.pdf
http://www.adb.org/gms/)

 

写真  バイオ炭(木質バイオマスを蒸し焼きにして製造)
写真  バイオ炭(木質バイオマスを蒸し焼きにして製造)
出典:http://www.geres-cambodia.org/pdf/Project%20Sheet-Green%20Charcoal.pdf

 

参考:
・アジア開発銀行ニュースリリース
http://beta.adb.org/news/adb-help-gms-boost-biomass-use-clean-energy-food-needs
・プロジェクトのTechnical Assistance Report
(http://www.adb.org/documents/tars/REG/44747-01-REG-TAR.pdf)
・Groupe Energies Renouvelables, Environnement et Solidarités in Cambodia (GERES Cambodia)ホームページ
http://www.geres-cambodia.org/about_us.php
http://www.geres-cambodia.org/pdf/Project%20Sheet-%20Biomass%20Energy%20Lab.pdf)

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