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下水処理場でバイオ燃料用の藻類生産(ニュージーランド)

下水処理場でバイオ燃料用の藻類生産(ニュージーランド)

藻は適度な濃度の有機排水(家庭・工業用排水など)を与えると、著しく増殖することが知られている。これは、有機排水中に含まれる窒素分やりん分が肥料としての役目を果たすためで、この排水を利用して藻を増殖させバイオ燃料とすれば、低コストで有機排水の浄化が出来ると同時に高効率でバイオ燃料も生産することができる点で画期的である。

世界最大規模の「下水を利用した藻からのバイオ燃料製造設備」が、ニュージーランドで稼動している。ニュージーランドのクライストチャーチで発生する一次処理後の下水を、HRAP (High Rate Algal Pond; 高効率の藻増殖池)に導き、この池で藻を増殖させ、回収した藻を超臨界水反応炉(SCWR; Super Critical Water Reactor)でバイオ燃料とする。

現在、5ヘクタールの藻増殖池で、一日当たり2,000m3の下水一次処理水を池に取り入れて藻を増殖させている。下水汚泥から発生させたバイオガスを燃焼させて電力を得る一方、燃焼排ガス中に含まれるCO2を藻の増殖にも利用している。回収された藻は、高温(300℃以上)、高圧(20 MPa)の臨界水で処理され、年間70,000リットルの原油(Crude Oil)の成分と似たバイオ燃料が生産できる。この超臨界水反応炉は、2005年に完成しMark1SCWR(MK1)と呼ばれている。

MK1の12倍のバイオ燃料生産能力(年間84,000リットル)を持つMK2プラント建設が、2008年に開始された。MK2は、1日当たり1,000kgの藻から2バレルのバイオ燃料を生産できる。2011年2月の地震で藻繁殖池の水路が損傷を受けたものの、現在MK2はフル稼働中である。更にMK2の20倍のバイオ燃料生産能力(年間1,600,000リットル)を持つMK3プラントの建設も検討されている。クライストチャーチには220ヘクタールの下水処理池があり、この下水をすべて利用すればバイオ燃料が1日あたり90バレル生産できる。

 

図  下水を利用した藻からのバイオ燃料製造
図  下水を利用した藻からのバイオ燃料製造
出典 (http://www.niwa.co.nz/our-science/freshwater/research-projects/all/biofuel-from-wastewater-algae)
http://www.niwa.co.nz/sites/default/files/algaeoilproduction_-_solray.pdf
http://www.niwa.co.nz/sites/default/files/algaeoilproduction_-_hrap.pdf

 

写真  藻増殖池(HRAP)
写真  藻増殖池(HRAP)
出典(http://www.niwa.co.nz/sites/default/files/algaeoilproduction_-_hrap.pdf

 

写真  回収された藻
写真  回収された藻
出典(http://www.niwa.co.nz/sites/default/files/algaeoilproduction_-_hrap.pdf

 

参考:
http://www.engineeringnews.co.nz/magazine/articles/36-environmental-management/106-solray-mimics-nature-to-get-oil-from-algae
Solray Energy ホームページ(http://solrayenergy.com/

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