HOME  >   トピックスアーカイブ  >  藻を活用して農村漁村に新ビジネスを(日本)

藻を活用して農村漁村に新ビジネスを(日本)

藻を活用して農村漁村に新ビジネスを(日本)

日本の農林水産省は、2011年2月、農山漁村の「バイオマス」や「自然エネルギー」を利用して新たなビジネスを生み、6兆円産業に育てるために、「緑と水の環境技術革命総合戦略」を発表した。この中で注目を浴びているのが、「藻の新規資源作物の利用」である。

2020年までに、藻バイオマスについて、石油に対して競争力のある生産・利用技術を確立することを目標としている。藻はオイル生産能力が植物よりも10倍〜数百倍高いことから、藻が生産する油を自動車用、船舶用の燃料として利用する研究が進められており、航空機用のジェット燃料用では、既にテスト飛行が成功している。

燃料としての利用の他に、エネルギーとして利用できる。藻から油を抽出した後には有機物の残渣が発生する。残渣は藻の30〜70%にもなるとも言われ、油と残渣を有効利用することによって初めて、「持続可能な藻燃料の製造」が達成できる。残渣は、固形燃料化して発電や熱に利用したり、メタン発酵等の利用を行い、エネルギーとして利用する。

化粧品や健康食品としての利用も可能である。繁殖速度が極めて大きい藻である「オーランチオキトリウム(Aurantiochytrium)」は、付加価値の高い「スクアレン」を生産する。「スクアレン」は、深海ザメの肝油の90%を占める油性成分で、肝機能を回復し、新陳代謝をアップする働きがあると言われている。藻が生産する「スクアレン」が、化粧品や健康サプリメントなど高価(4,000円/kg)な新商品に生まれ変わる。

このように藻バイオマスには、燃料、エネルギー、健康食品としての様々な利用可能性がある。日本はこれまでに藻の利用技術を蓄積し世界に発信してきた。藻バイオマスの利活用は、日本のエネルギー供給安定にも、産業活性化にも役立ち、一刻も早い実用化が望まれる。

 

図  藻の利用
図  藻の利用
出典:2011年8月5日 バイオインダストリー協会セミナー:「藻類バイオ燃料の現状と課題」

 

図  オーランチオキトリウムから化粧品・健康サプリメントへ
図  オーランチオキトリウムから化粧品・健康サプリメントへ
出典:「オーランチオキトリウム」の写真はWikipedia から

 

参考:
農林省ホームページ(http://www.maff.go.jp/j/press/kanbo/bio/110222.html
バイオインダストリー協会セミナー:「藻類バイオ燃料の現状と課題」

その他のトピックス