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下水汚泥とコーヒーかすからバイオガス製造

下水汚泥とコーヒーかすからバイオガス製造

富山県黒部市で、「下水汚泥」とコーヒー豆を粉砕・抽出した残渣の「コーヒーかす」を混合し、メタン発酵させる「下水道バイオマスエネルギー利活用施設」が2011年5月に完成した。この施設は、黒部市浄化センター内に、2009年8月から建設していた。下水濃縮汚泥(年間26,248m3)と、近隣のアサヒ飲料衙摸工場からの「コーヒーかす」(年間2,884m3)を原料とし、一日あたり2,728m3のバイオガスを発生させる。

回収されたバイオガスはボイラー燃料として熱回収するとともに、マイクロガスタービンによる電力回収と熱回収を行う。回収熱は、メタン発酵処理に発生する汚泥の乾燥に用い、乾燥汚泥は、燃料として火力発電所に販売される。更に回収電力は黒部市浄化センター内で利用される。この施設の稼動により、CO2発生量は年1,000トン削減できる。

アサヒ飲料衙摸工場は、缶コーヒーを年間3億9,000万本生産しており、毎年多量の「コーヒーかす」が発生している。これまでは、産業廃棄物として県外の企業に運び肥料に加工し、運搬費を含めた処理コストは年間1億円を超えていた。「コーヒーかす」を黒部市でバイオガスとして利用することにより、工場は浄化センターまでの約7kmの近距離の運搬で済み、運搬費を大幅に下げることができ、かつ運搬によるCO2排出も削減できる。一方、黒部市にとっても安定的に原料を確保できる。

「コーヒーかす」は、含水率が65%以上で、固形物の99%(重量割合)以上が炭素成分の有機性廃棄物であり、メタン発酵原料として適している。粉砕する手間も無く、発生するバイオガスも下水濃縮汚泥だけに比べると10倍発生するという。近隣の工場から出る「コーヒーかす」を黒部市が利用することは、地域のバイオマスを地域のために活用する仕組みが整い、再生可能エネルギーの利用拡大が大きく進むことになり、地元企業と行政の両者がメリットを享受できる。

 

図  黒部市の「下水道バイオマスエネルギー利活用施設」
図  黒部市の「下水道バイオマスエネルギー利活用施設」

 

参考
http://www.ees.ebara.com/business/topics/hdmob6000000074c.html
http://www.mlit.go.jp/report/press/city13_hh_000055.html
http://www.city.kurobe.toyama.jp/guide/svGuideDtl.aspx?servno=2221

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