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パーム油産業からの廃棄物利用が進むマレーシア

パーム油産業からの廃棄物利用が進むマレーシア

マレーシアのパーム油生産は2009年に1,790万トンで、インドネシアの2,200万トンに次いで世界第2位である。マレーシアではパーム油生産量の約90%が輸出に振り向けられ、輸出総額の9.2%を占めている。これは電気・電子製品の41.2%に次いで多く、パーム油はマレーシアの国家的輸出産業になっている。

アブラヤシの果実から得られる植物油が、パーム油(palm oil)である。この他にアブラヤシの種子から採った油は、パーム核油 (palm kernel oil)と呼んでいる。これら油を採った後に、多くの廃棄物が出る。パーム油残渣は空果房(Empty Fruit Bunch: EFB)、パーム核油残渣はパーム核粕(Palm Kernel Cake: PKC)であり、その他にも伐採後の枝葉、パーム廃液(Palm Oil Mill Effluent:POME)も廃棄物として排出される。更にアブラヤシ の木はおよそ25年間隔で植え替えられるが、伐採されたパーム古木が大量に発生している。パーム古木の幹には75〜80%の大量の樹液が含まれていて、その中にはグルコースなど発酵性糖が豊富に含まれていることが判明した。

2009年のマレーシアでは、パーム油生産1,790万トンに対し、パーム核油が210万トン、パーム核粕が230万トン、空果房と果肉繊維は3,000万トンもあり、油以外の廃棄物が多量に排出されるものの、これらは貴重なバイオマス資源でもある。パーム廃液を含めると、マレーシアのパーム油産業から排出される廃棄物は6,550万トンにのぼり、これら全ての廃棄物を再利用すると発電設備容量で2,400MWの出力となる。

マレーシア政府は再生可能エネルギーの利用に力を注いでいる。2009年は、パーム油、米、サトウキビからの廃棄物および地方自治体の廃棄物を1,230 万トン再利用した。これは設備容量で498.9MWの発電、400 ギガジュールの熱を生む設備に匹敵する。これの投資は28億リンギッド:Ringitt Malaysia(940億円)であった。更に2009年は再生可能エネルギー利用について18のプロジェクトが採択され、総額3億7,660万リンギッド(126億円)で、これにより3,449人の雇用が新たに生まれた。この中には、5,200万リンギッド(17億円)の予算で、43万2000トンのパーム油廃棄物を利用し、設備容量で11.5MWの発電プロジェクトも含まれている。

 

図  アブラヤシの果実と種子からの油と廃棄物残渣(マレーシア 2009年)
図  アブラヤシの果実と種子からの油と廃棄物残渣(マレーシア 2009年)

 

図  マレーシアの再利用廃棄物発生量とエネルギー供給(マレーシア  2009年)
図  マレーシアの再利用廃棄物発生量とエネルギー供給(マレーシア 2009年)

 

参考:
社団法人 日本植物油協会ホームページ;http://www.oil.or.jp/
第6回バイオマス・アジアワークショップ(2009年11月広島)
Malaysia Performance of the Manufacturing and Services Sectors (2009)

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