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オーストラリア クイーンズランド州はバイオマスのリーダーを目指す

オーストラリア クイーンズランド州はバイオマスのリーダーを目指す
写真 ポンガミアの実

オーストラリアは、再生可能エネルギー政策(Renewable Energy Target:RETプログラム)によって、2020年までに国内電力の20%を再生可能エネルギーから供給することを計画している。オーストラリアで2番目に大きい州(日本の4倍)であるクィーンズランド州は、再生可能エネルギー計画を積極的に進めている。現在、電力の5.5%が再生可能エネルギーであり、この内訳は、55%がマカデミアナッツの殻、サトウキビの搾りかすなどのバイオマス、22%が水力、19%が太陽熱温水である。

クィーンズランド州にはバイオテクノロジーの研究所、企業が多くあり、オーストラリアのバイオサイエンスの拠点である。又この州は、熱帯雨林と豊富な海洋資源を保有しており、2020年までにアジア太平洋 地域の、バイオマスの製造と利用のリーダーとなることを目指している。

この州で最も力を入れているバイオエネルギーは、オーストラリア北部、インドが原生のマメ科植物ポンガミアからのバイオディーゼルである。ポンガミアの実は油糧が40%あり、1年間、1ヘクタール(ha)の面積で生産されるバイオディーゼルは5トンあり、これはアブラヤシの果実から取れるパーム油と同じで他の油脂植物と 比較して生産性は良い。しかもパーム油が食用油であるのに対し、ポンガミアは非食用で食料と競合することも無い。更にマメ科植物の特徴である根粒菌を根に持っていて、この菌が空気中の窒素から窒素肥料を生産し、土壌を肥やす働きをする。このようにポンガミアは、荒れた土地や塩分を含む土地でも肥料無しで良く育ち、乾燥条件にも耐える有望なバイオマス資源である。

オーストラリアのBioenergy Research 社(BER)は、「クイーンズランド州の200km x 200km の土地でボンガミアを植林すれば、オーストラリアで必要な液体燃料をすべて賄える」と試算している。ボンガミアの実からオイルを搾油した後の絞り粕 (Meal)は、高タンパクで家畜飼料として使うことができる。痩せて樹木の無い土地でボンガミアを植林すれば、緑も増えバイオ燃料も供給でき、しかも家畜を飼うことができる。ボンガミアは正に環境に優しい植物として、今後の利用が期待できる。

表  バイオディーゼルの年間生産量(トン/ha)

油脂植物 バイオディーゼル
生産量
アブラヤシ 5
カノーラ 0.8
0.8
ジャトロファ 1.2
ポンガミア 5

 

図  バイオディーゼルの年間生産量(トン/ha)
図  バイオディーゼルの年間生産量(トン/ha)

 

図  オーストラリア クイーンズランド州
図  オーストラリア クイーンズランド州

 

参考:
安達 健;季報エネルギー総合工学Vol129,NO2 (2006)、
Bioenergy Research 社ホームページ:http://www.pacificrenewableenergy.com.au
オーストラリア クイーンズ州政府ホームページ http://www.export.qld.gov.au

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