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食品廃棄物からバイオ燃料の技術開発と事業化

食品廃棄物からバイオ燃料の技術開発と事業化

日本において、1年間に廃棄される食品廃棄物は2004年度で約1,940万トンで、内訳は、食品製造業(産業廃棄物)からが339万トン、食品流通業や飲食店業(事業系一般廃棄物)からが532万トン、一般家庭(家庭系一般廃棄物)からが1,070万トンとなっている。この中で一般家庭からの食品廃棄物は、3%しか再利用されていない。

リサイクル率の低い一般食品廃棄物ついて、新日鉄エンジニアリング蠅蓮∨牟綵市で、「食品廃棄物エタノール化の技術開発と事業化」の実証実験を2005年から行ってきた。この実証実験は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の事業で、北九州市で発生する生ごみからバイオエタノールを製造する。

北九州市で発生する年間の一般廃棄物は、約168,000トンで、この内、生ごみは59,000トンあり全体の35%を占めている。生ごみ以外の廃棄物は、紙、草木、繊維、プラスチックの可燃ごみである。生ごみを含む一般廃棄物は、ゴミ処理施設で焼却されるが、生ごみは水分が71%も含まれ、焼却処理に多くの燃料を必要とすることが課題になっていた。

今回の技術開発は、水分の多い生ごみを焼却処理を行わず、バイオ燃料に変えることに特徴があり、プロセスは以下の通りである。

  1. 一般廃棄物から水分の多い生ごみを分別し、
  2. 生ごみからエタノールとA重油に代替可能な回収油をバイオ燃料として製造し、
  3. 製造過程で排出される残渣は、一般廃棄物中の可燃ごみと混合してゴミ処理施設(ガス化溶融炉)で処理する

この実証実験で、一日10トンの生ごみを処理し、379kgのバイオエタノールと660kgの回収油を製造できた。北九州市で発生する年間の生ごみ59,000トンから、バイオエタノールが2,242トンできる計算になる。今回の開発により、ゴミ処理施設での燃料の使用が削減され、かつバイオ燃料が製造できることが確認できた。事業系一般廃棄物の再利用について、事業化が一歩前進した。


表 食品廃棄物の発生量と再利用 (2004年度)

食品廃棄物 発生量 (万トン) リサイクル量 (万トン) リサイクル率 (%) リサイクル
産業系廃棄物 339 265 78  • たい肥化:122万t (36%)
 • 飼料化:93万t (27%)
 • 油脂の抽出:50万t (15%)
事業系一般廃棄物 532 165 31  • たい肥化:44万t (8%)
 • 飼料化:50万t (10%)、
 • 油脂の抽出:71万t (13%)
家庭系一般廃棄物 1,070 30 3  たい肥化
合計 1,941 460 24  


表 北九州市での一般廃棄物排出量(トン/年)

可燃ごみ 72,150 104,020
草木 13,420
繊維 5,030
プラスチック 13,420
生ごみ 家庭系生ごみ 39,000 59,000
事業系生ごみ 20,000
その他 5,030
合計 168,050


図 北九州市での一般廃棄物排出量とリサイクル処理
図 北九州市での一般廃棄物排出量とリサイクル処理


表 北九州市での一般廃棄物排出量と生成物(トン/年)

生ごみ
食品廃棄物(無水) 17,110
水分 41,890
合計 59,000
生成物
エタノール 2,242
回収油 3,894
廃液 31,270
残渣(水分66%を含む) 18,880
その他(CO2等) 2,714
合計 59,000

 

図 北九州市での一般廃棄物排出量と生成物利用(トン/年)
図 北九州市での一般廃棄物排出量と生成物利用(トン/年)

 

参考:
新日鉄エンジニアリング螢廛譽好螢蝓璽后http://www.nsc-eng.co.jp/news/detail/78
サイエンスポータルニュース、
北九州市ホームページ:
http://www.city.kitakyushu.jp/pcp_portal/PortalServlet?DISPLAY_ID=DIRECT&NEXT_DISPLAY_ID=U000004&CONTENTS_ID=25223

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