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航空機用バイオ燃料の規格が承認見込み

航空機用バイオ燃料の規格が承認見込み

世界の民間航空会社において、年間使用するジェット燃料は700億ガロン(2.65億kℓキロリットル)で、この燃料使用による航空機からのCO2排出量は6億7,700万トン(2008年)にもなっている。これは全世界のCO2排出量の約2%に相当する。現在運航中のジェット燃料(Jet-A,JetA-1)は、石油からのケロシンが主成分で、米国材料試験協会(ASTM:American Society for Testing and Material)の規格に、ジェット燃料の特性が定められている。

世界各国の航空会社は、2008年からCO2排出削減に向けて、バイオ燃料を20〜50%混合したジェット燃料を用いた飛行実験を行い(表-1)、バイオ燃料の基準化作りを目指してきた。航空機用バイオ燃料は、「バイオ合成パラフィンケロシン(Bio SPK: Bio Synthetic Paraffin Kerosene)」と呼ばれ、ジャトロファ、カメリナ、藻に水素を添加して製造される。炭素数が9〜15のパラフィンから構成され、硫黄分を含まない。この「Bio SPK」は、機体やエンジンに何の改修を行なわずに使用できる、ジェット燃料(Drop-in Fuel)でもある。

航空機用バイオ燃料「Bio SPK」の使用は、米国材料試験協会(ASTM)の承認が必要となる。現在「Bio SPK」を50%混合した、「ジェット燃料使用承認プロセス」が進行中で、2011年上半期までには承認される見込みとなっている。「Bio SPK」が承認されることで、航空業界のバイオ燃料利用が大きく前進し、CO2排出削減に向けた動きが加速される。

いろいろなバイオ燃料を用いた飛行実験は、今後もTAM (ブラジル)等の航空会社で行われる予定である。更に、ボーイング蠅蓮2011年に中国国際航空蠅閥力して、ジャトロファを使った中国産ジェット燃料で試験飛行をする。世界各国は、その国の実情に合ったバイオマスがあり、近い将来、その国特有のバイオジェット燃料が製造され、飛行場で航空機に給油されるようになる。


表 バイオ燃料フライト(過去の実績と今後の予定)

航空会社 実施日 バイオ燃料原料 バイオ燃料混合比
Virgin Atlantic(英国) 2008年
2月23日
ココナッツ、ババス 20%
Air New Zealand(ニュージーランド) 2008年
12月30日
ジャトロファ 50%
Continental Airlines(米国) 2009年
1月7日
藻、ジャトロファ 50%
Japan Air Lines(日本) 2009年
1月30日
カメリナ、ジャトロファ、藻 50%
KLM(オランダ) 2009年
11月23日
カメリナ 50%
TAM (ブラジル) 2010年 ジャトロファ -
Interjet(メキシコ) 2011年 サリコルニア -
Azul(ブラジル) 2012年 サトウキビ -

 

図 バイオ合成パラフィンケロシン(BiO SPK)の製造法 (UOP:Universal Oil Products Companyが開発)
図 バイオ合成パラフィンケロシン(BiO SPK)の製造法
(UOP:Universal Oil Products Companyが開発)

 

参考:
http://www.enviro.aero/Biofuels.aspx
http://biofuelsdigest.com/bdigest/2010/10/21/boeing-to-test-china-biofuel/
バイオ合成パラフィンケロシン(Bio SPK)の製造法:「Evaluation of Bio-Derived Synthetic Paraffinic Kerosenes (Bio-SPK)」

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