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木質バイオマスから水素製造の商用プラントが建設開始

木質バイオマスから水素製造の商用プラントが建設開始

日本の2005年度の森林資源の蓄積量は、木材の生産目的で人の手で育てられている「人工林」が25億5,400万m3、自然の力で育てられている「天然林」が17億8,600万m3で合計43億4,000万m3であった。この森林資源は、年々着実に増加しており、1年間で約8,000万m3も増え続けている。特に「人工林」の増加が大きいが、これは戦後の拡大造林で植えた木々が成長し収穫期を迎えているのと、輸入材が増えたために、日本の「人工林」が使われなくなったためである。

これら森林資源から排出される年間の木質バイオマス量は、林地残材(860万m3)、製材工場等残材(1,080万m3)、建設発生木材(1,180万m3)で合計3,120万m3ある。この木質バイオマス利用は、エネルギー利用が860万m3(28%)、マテリアル利用が980万m3(31%)で、残り41%の1,280万m3は再利用されていない。

1,280万m3の未利用分を、すべてペレット化しエネルギー利用すると石油換算で240万kℓに相当し、約500万トンのCO2削減効果がある。この未利用の木質バイオマスと、毎年8,000万m3もの森林資源が自然増加していることから、日本は莫大な木質バイオマス量を保有している。これらを資源として利用できれば、CO2削減効果は非常に大きい。

バイオマスの利用について、「木質バイオマスをガス化し、水素を製造するプラントを建設する」と(株)新出光が、平成22年6月2日に発表した。福岡県で排出される製材端材や建設廃材を原料として1日15トンをガス化し、7,200m3の高純度の水素を製造する。今回建設されるプラントは、平成23年度に試運転を行なった後、本格的な商業運転に入る。1日15トンの商用ガス化プラントは世界初である。得られる水素は、燃料電池用に使用される。


表 森林資源の蓄積状況(単位 百万m3

年度 1969 1976 1986 1995 2002 2005
人工林 558 798 1,361 1,892 2,338 2,554
天然林 1,329 1,388 1,502 1,591 1,702 1,786
合計 1,887 2,186 2,863 3,483 4,040 4,340

 

図 森林資源の蓄積状況
図 森林資源の蓄積状況

 

図 木質バイオマスの年間発生量と利用
図 木質バイオマスの年間発生量と利用

 

参考:
「森林・林業・木材産業における取組について」平成20年6月林野庁資料、株式会社新出光 報道発表資料、「木質バイオマスのエネルギー利用」国立国会図書館No510(2006年) 他

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