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ジャトロファの生産能力を高める研究成果

ジャトロファの生産能力を高める研究成果

ジャトロファは、熱帯や亜熱帯に広く分布している植物である。乾燥・荒廃地での生育が可能な非食糧型の油脂植物で、次世代型バイオ・ディーゼル燃料の主力植物として注目されている。ジャトロファは種子の含油率が30%あり、油の生産量は1ヘクタールあたり1.5トンで、食糧油のパーム油の4トンには及ばないが、大豆、ヒマシ、ヒマワリ等の油糧作物と比べて非常に高い。

油脂作物の生産性は、光合成が効率良く働き、干ばつなど環境からのストレスへの適用力で決まる。ジャトロファの生産能力を高める方法として、分子レベルで品種改良したり、生産能力の高い遺伝子に組み換える方法がある。ジャトロファの生産性を著しく高め、実用化を大きく前進させる研究成果が相次いで発表された。

かずさDNA研究所と大阪大学の研究グループが、「ジャトロファの全ゲノム解読(全遺伝子情報)を2010年5月までに完了した。」ことを明らかにした。生産性の高い「遺伝子組み換えジャトロファ」への実用化に向けた大きい一歩である。更に奈良先端科学技術大学院大学は、ジャトロファに「油脂含量を増加させ、環境ストレスに耐える機能を発現させる」研究を行なってきた。研究グループは2010年5月に、機能発現の成功確率を、従来の30倍も向上させることに成功した。これは世界最高水準の高確率である。

ジャトロファの日本における試験栽培も始まっている。2010年5月17日、成田国際空港会社は、「ジャトロファの栽培場所は、空港外と空港内の2ケ所に合わせて約500平方メートルに、7月までに60本のジャトロファとアブラギナを試験栽培する」と発表した。ジャトロファは寒冷な土地では育たないと言われている。将来、航空機のけん引車や航空機のジェット燃料の利用を検討している。


表 油糧作物の油脂量

油糧作物 生産量
(kg/ha)
含油率
(%)
油脂量
(kg/ha)
パーム油(マレーシア) 20,501 20 4,100
ジャトロファ(インドネシア) 5,000 30 1,500
菜種(ドイツ) 3,440 40 1,376
ヒマワリ(アルゼンチン) 1,434 42 602
ヒマシ(インド) 1,064 47 500
大豆(米国) 2,314 18 416

図 油糧作物の含油率 
図 油糧作物の含油率


図 油糧作物の油脂量 
図 油糧作物の油脂量


参考:
エネルギー経済 第35巻 第3号 p100 「新規油糧作物の開発―ジャトロファへの期待、現実と課題」、千葉日報、Nikkei Business 他

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