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林地残材バイオマス混焼発電を6ケ所の石炭火力発電所で実施

林地残材バイオマス混焼発電を6ケ所の石炭火力発電所で実施

日本は国土の約70%を森林で覆われており、森林資源が豊富である。しかし、山から運び出す収集・運搬コストがネックとなって、林地残材や間伐が未利用のままになっている。年間800万トンの林地残材が発生しているが、利用されているのは製紙原料等への利用でわずか1%程でしかない。経済産業省は、林地残材の利用促進に向けて、石炭に木質チップを混ぜて燃焼、発電する実証事業(「林地残材バイオマス石炭混焼発電実証事業」)を実施している。2009年度は約30億円の補助金で、6ケ所の石炭火力発電所で実施することを決定した(表)。木質チップの混合率は、石炭に対して0.5〜2%である。

今回の実証事業は、発電事業を行う電力会社の他に、製鐵会社も採択された。製鐵所内では、石炭火力による発電を行なっており、新日本製鐵の釜石製鐵所では14.9 万kWの発電に年間25万トンの石炭を使用している。今回の5,000トンの林地残材の利用で2%の石炭利用が削減でき、CO2排出削減にも貢献できる。6ケ所の石炭火力発電所で、年間11万5,900トンのCO2排出削減が見込まれる。今回採択された6ケ所の石炭火力発電所の他に、東京電力の常陸那珂火力発電所(100万kW)においても、2012年から石炭混焼発電を行なう。木質バイオマスの年間使用量は7万トンで、CO2排出削減効果は年間11万トンを見込んでいる。

林地残材バイオマスの石炭混焼発電事業は、CO2排出削減の他にも、地域の活性化にも有効である。林地残材や間伐材を回収・運搬するために作業道を整備したり、ペレットに加工する新たな事業と雇用も生まれる。


表 林地残材バイオマス石炭混焼発電実証事業(2009年度採択事業)

No実施事業発電所(発電出力)木質バイオマス使用量
(トン/年)
CO2排出削減量
(トン/年)
1中国電力三隅(100万kW)
:島根県浜田市
30,00023,000
2新小野田(50万kW x 2 基)
:山口県山陽小野田市
35,00029,000
3電源開発松浦(100万kW x 2 基)
:長崎県松浦市
25,00040,000
4九州電力苓北(70万kW x 2 基)
:熊本県天草郡苓北町
15,00010,000
5住友共同電力新居浜西3号機(15万kW)
:愛媛県新居浜市
5,0006,900
6新日本製鐵釜石製鐵所の石炭火力発電(14.9 万kW)
:岩手県釜石市
5,0007,000
合計115,000115,900
採択事業では無いが、石炭混焼発電を計画している実施事業
東京電力常陸那珂(100万kW)
:茨城県那珂郡
70,000110,000

図 林地残材の年間発生量と利用状況
図 林地残材の年間発生量と利用状況


図 石炭火力発電所のバイオマス使用量
図 石炭火力発電所のバイオマス使用量


図 石炭火力発電所のCO2排出削減量
図 石炭火力発電所のCO2排出削減量


参考:一般社団法人 新エネルギー導入促進協議会ホームページ(平成21年度「林地残材バイオマス石炭混焼発電実証事業」の交付決定)、社団法人 日本有機資源協会ホームページ、中国電力ホームページ、電源開発ホームページ、新日本製鉄ホームページ、朝日新聞他

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