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ネパールではバイオマスストーブが普及段階に

ネパールではバイオマスストーブが普及段階に

ネパールのエネルギー源はバイオマス(木材、家畜糞尿、農業廃棄物)が80%以上を占めている。家庭の大半は薪が燃料で、国の消費エネルギーの80%以上が家庭で消費されている。このため次の2つが課題になっている。

  1. 健康への被害
    家庭で料理に使用する薪の燃焼排ガスがそのまま家の中に充満するため、小児喘息・気管支炎で死亡する率が高い。2001年のネパール国勢調査結果では喘息・気管支炎での死亡者数は、年間7,170 (6.71%)人で、5歳以下の幼児はその23%を占めている。人口全体に占める幼児は12.1%なので、幼児の死亡率は成人の約2倍である。PM10(10ミクロン以下の微粒子)のネパールの家庭での実測値は、2,418 μg/m3と報告されており、LNGを燃焼させた時の約3倍である。
  2. 森林面積の減少
    住民が消費する薪の量が多くなり、ネパールの森林面積が減少している。
    2004/2005のネパール統計では、1,680万トン/年の薪需要に対し、現状の森林面積を維持して行くための限界伐採量は647.8万トン/年(需要量の39%)である。特にTerai地区(草原地帯で、ネパールの南地区でインドに隣接している地区)は需要量の19%しかない。その結果、ネパールでは、毎年約1,000万トンのバイオマスが森林面積を確保する量よりも多く伐採され、森林面積が減少している。

この2点を同時に解決するバイオマスストーブが普及し始めた。このバイオマスストーブは、燃料として木質ペレットを使用し、燃焼用空気との接触を良くし燃焼効率を上げ、燃焼排ガスが家屋の中に排出されない構造に改造している。このバイオマスストーブだと熱変換効率が向上すると共に家庭内の大気がクリーンになるのである。2009年3月にはバイオマスストーブは3万台を超えたとNAEF(National Agriculture and Environment Forum)は推定している。

図 ネパールのバイオマス利用の課題と対策
図 ネパールのバイオマス利用の課題と対策


図 Terai地区(ネパール)
図 Terai地区(ネパール)


(出典)
http://mech.ioe.edu.np/evision/e2.pdf
http://www.thefreelibrary.com/Biomass+Fuel+Smoke+and+Health+Effects+in+Nepal-a01073880570
http://www.hedon.info/1366/news.htm

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