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メタン発酵バイオガス利用の広域化

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バイオマスの中で、焼酎粕や大豆煮汁などの「高濃度有機性排水」や、生ごみ、余剰汚泥、家畜ふん尿、下水汚泥のような「様々な成分を含む水分の多い廃棄物」には、メタン発酵によるバイオガスとしてエネルギー回収する方法が適している。地域において、種々の廃棄物系バイオマスが排出されるので、地域の特性を生かしたシステムが構築されている。

焼酎泡盛は、沖縄県の特産物で、沖縄に47社の焼酎製造会社があり、年間約2万キロリットルを生産している。焼酎かすは約3万トン発生している。焼酎製造会社の多良川蠅2009年11月、焼酎粕をバイオガスに変換するバイオガス化設備工事を始め、2010年9月に完成する。総事業費は3億円で、1.43億円は農林水産省が補助する。メタン発酵させ、バイオガスとしてボイラー燃料に使用する。バイオガスを利用した場合、年間35トンのA重油が削減でき、CO2排出削減効果は年間64トンである。

メタン発酵バイオマスガス利用に新たな動きが出てきた。2009年7月に、「エネルギー供給構造高度化法」が成立し、その中で、ガス業界に「バイオガス利用を義務づける内容」が盛り込まれた。これに関して、東京ガス蠅搬膾絅ス蠅、2009年10月に、バイオガスの活用を始めると発表した。食品残さおよび下水汚泥を原料として、メタン発酵させ、精製させ都市ガスと同レベルの成分とする。これを都市ガスのガス導管に直接注入する。このシステムは、「バイオガスは、発生場所で燃料として利用する」という従来の考えでは無くて、「バイオガスを都市ガスの導入管に注入し、一般家庭や工場などへ広域に供給する」という点で従来と異なる。このバイオマス供給の広域化システムづくりで、バイオガスの利用が拡大・促進されることが期待できる。


表 都市ガス導管へのバイオガス量とCO2排出削減量

ガス会社バイオマス都市ガス導管への
バイオガス量
(万m3N/年)
期待されるCO2削減量
(トン/年)
実証事業期間
東京ガス食品残さ1651,8302010年〜2019年
大阪ガス下水汚泥801,2002010年〜2019年

図 メタン発酵プロセスと精製バイオガスの都市ガスへの利用
図 メタン発酵プロセスと精製バイオガスの都市ガスへの利用


参考:環境新聞、ガスエネルギー新聞、日経産業新聞、朝日新聞、毎日新聞、琉球新報朝刊 他

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