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各地に広がる木質バイオマスの熱利用

各地に広がる木質バイオマスの熱利用

日本全国で、年間3,120万m3の木質バイオマスが発生している(2006年度)。最も多いのは建築発生木材で、次いで製材工場残材、林地残材と続く。この内、全体の41%にあたる1,280万m3の木質バイオマスが、再利用されていない。日本のバイオマスの発生量と利用状況を表に示す。

未利用の木質バイオマスが最も多いのは林地残林で、未利用率は99%である。山林の保全のために間伐は必要であり、そこからでる間伐材等の林地残林の有効活用が課題となっている。この林地残材等の木質バイオマスを、化石燃料に代わる熱エネルギー源として利用する動きが、各地で広がっている。この背景には、政府や自治体がCO2排出削減を強力に推進していることがある。横浜市では、2010年4月に、新築建造物(延べ床面積2,000m2以上)への再生可能エネルギーの導入検討を、義務付ける条例を施行する。


表 日本の木質バイオマス発生量と利用状況(2006年)

木質バイオマス発生量(万m3利用状況利用量(万m3
林地残材860マテリアル利用10
未利用850
製材工場残材1,080エネルギー利用230
マテリアル利用790
未利用60
建築発生木材1,180エネルギー利用630
マテリアル利用180
未利用370
合計3,120

図 日本の木質バイオマス発生量と利用状況(1)
図 日本の木質バイオマス発生量と
利用状況(1)

図 日本の木質バイオマス発生量と利用状況(2)
図 日本の木質バイオマス発生量と
利用状況(2)

表 木質バイオマス利用

実施者木質バイオマス利用
水沢地方森林組合、
ラナシステム株式会社
(岩手県奥州市)
  • 間伐材をペレット状の固形燃料に加工
  • 2009年度は1,000m3、 2010年度は2,000m3を固形燃料に
  • 最新の林業機械(2,000万円)を導入し、伐採コストを低減
上伊那森林組合、
森のライフスタイル研究所
(長野県伊那市)
  • 間伐材からのペレット生産量を2009年度に1,500トンに(前年比25%増)
  • 輸送コストの削減やストーブ利用者へのペレット宅配により、手軽に使える
    燃料の定着を図る
  • 灰の回収やストーブの維持管理のサービス提供
株式会社サタケ
(広島県、東京都)
  • 野菜くず、おからを乾燥する設備「生ごみ畜産飼料リサイクル工場」に、
    木質バイオマス(チップ)を燃料
  • 2009年2月に実証プラントを稼動
  • 年間10基の販売を目指す
矢崎総業
  • 廃木材からの木質ペレットと太陽熱を併用した業務用ボイラーを開発。
  • 化石燃料を全く使用しない熱源装置
  • 病院、老人ホーム、レストラン、温浴施設が販売対象
津軽国土保全共同組合
(つがる市)
  • 伐採した後の不要材から燃料用木材チップや、土壌改良・水質浄化用の炭を生産する
    「森林バイオマス連続炭化プラント」の火入れ式を2009年9月28日実施
島根県
  • 木質バイオマスをエネルギー利用するアドバイザー事業を2009年8月から実施
二宮木材株式会社
(栃木県那須塩原市)
  • 杉の乾燥に樹皮や木くずを使用。2009年1月から実施
  • 燃料代が月400万円削減、年間のCO2削減量は486トンでCO2排出削減事業として、政府の国内クレジット承認委員会に申請
セイホク石巻工場
(宮城県)
  • 伐根や枝葉を利用する「高性能バイオマスボイラー」を2009年9月28日から本格稼動

参考:「バイオマスエネルギーの現状について」H21年2月 資源エネルギー庁資料、
   日経産業新聞、東奥新聞、電気新聞 日刊木材新聞 他

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