HOME  >   トピックスアーカイブ  >  八丈島でジャトロファ50%燃料の漁船走行試験

八丈島でジャトロファ50%燃料の漁船走行試験

八丈島でジャトロファ50%燃料の漁船走行試験

非食用植物であるジャトロファは、大豆のような食用油糧と競合しないことから、環境に優しい新たなバイオ・エネルギーとして世界で注目されている。このジャトロファは、種子の30%が油分であり、単位面積当たりの油脂収量は、ヒマワリの2.5倍、大豆の3.6倍である。更に、砂のような痩せた土地でも早く生成し、栽培しやすい。しかし、最大の難関は栽培気象条件で、25℃以上が必要なことであり、日本ではこれまで栽培されてこなかった。

宮崎県、鹿児島県、熊本県、長崎県、沖縄県では、県および市の自治体が主体となり、市民団体や民間企業と連携して、遊休農地、耕作放置地、転作田および山間部の荒地を使い、このジャトロファの試験栽培を推進している。自治体の狙いは、エネルギーの地産地消である。ジャトロファの新バイオ燃料は、遊休農地等の有効利用と農家のコスト削減に貢献できる。宮崎市の市民団体である「南九州ジャトロファプロジェクト」は、2009年8月末までに、宮崎県を中心に鹿児島県・熊本県の南九州一帯で、「苗づくり」10,000本を達成した。このプロジェクトは、生産したバイオ燃料をA重油に混ぜ、ビニールハウスの燃料などの用途に見込んでいる。

更に、2009年9月25日、ジャトロファ油を50%混合した燃料で、漁船の1時間の走行試験が八丈島で行われ、良好な結果を得た。この走行試験は、NPOなでしこファミリーと八丈島の地元企業である坂上が主催した。今回使用されたジャトロファ油は、「高速攪拌法」で精製されたものである。従来の油脂からのバイオディーゼルの製造法は、油脂とメタノールとのエステル交換によって生成する「脂肪酸メチルエステル法」がある。「高速攪拌法」は、メタノールを使用せず、副産物としてのグリセリンが発生しない点から注目されている。八丈島では、現在、ジャトロファは栽培されていない。今後、八丈島町は、遊休農地対策と燃料油の自給を目指し、本格的なジャトロファ栽培を計画している。


表 油糧作物の生産量、含油率、油脂量

油糧作物生産量
(kg/ha)
含油率
(%)
油脂量
(kg/ha)
ジャトロファ5,000301,500
パーム油20,501204,100
菜種3,440401,376
ヒマワリ1,43442602
大豆2,31418416

図 油糧作物の含油率
図 油糧作物の含油率

図 油糧作物の油脂量
図 油糧作物の油脂量

参考:雑誌「エネルギー経済」第35巻,第3号,100(2009)、日経産業新聞、環境新聞 他

その他のトピックス