図 2.1にエネルギー・バイオ燃料分野に関わる主な政策の全貌を示す。この内、政府が打ち立てたバイオ燃料に関連する基本的な政策は2002年12月に閣議決定された「バイオマス・ニッポン総合戦略」であり、2005年の京都議定書の発効を経て改訂された新たなバイオマス・ニッポン総合戦略に基づき、国産バイオ燃料の大幅な拡大が指向されている。
2005年に発効した京都議定書では、日本は2008年~2012年の第1約束期間内に1990年の温室効果ガス排出量に比べ、6%削減する義務が課せられており、このためのガス排出削減対策の一つとしてバイオマスエネルギーの導入・促進を図ることが求められている。このことが日本でバイオエタノールの導入についての検討が開始された最大のインセンティブとなり、その目標達成のための具体的な数値と工程に基づく対応をすべく、新たに各数値目標の見直しなどが織り込まれた京都議定書目標達成計画が2005年4月に閣議決定された。その中で、輸送用燃料におけるバイオマス燃料として原油換算50万kL導入を内数として含むバイオマス熱利用導入目標を原油換算308万kL相当とすることが掲げられた。
(a)当面(2010年ごろまで)の目標当面は、原料作物としての食料用・飼料用との競合にも留意して、さとうきび糖みつ等の糖質原料や規格外小麦等のでん粉質原料等、安価な原料や廃棄物処理費用を徴収しつつ原料として調達できる廃棄物を用いて生産を行う。
具体的な取組として、農林水産省は、さとうきび糖みつや規格外小麦等の安価な原料を用いたバイオ燃料の利用モデルの整備と技術実証を行い、2011年度に単年度5万kL(原油換算3万kL)の国産バイオ燃料の生産を目指すこととしている。
また、環境省は、建設発生木材を利用した国産バイオ燃料製造設備の拡充等を支援する事業を行い、今後数年内に単年度約1万kL(原油換算約0.6万kL)の国産バイオ燃料の生産を目指すこととしている。
なお、京都議定書目標達成計画において、2010年度までに原油換算50万kL(国産、輸入問わず)のバイオ燃料の導入を図ることとされている。石油業界は、2010年度に36万kL(原油換算21万kL)のバイオ燃料の導入を図ることとしている。
(b)中長期(2030年ごろまで)の目標
中長期的には、稲わらや木材等のセルロース系原料や資源作物全体からバイオエタノールを高効率に製造できる技術等を開発し、国産バイオ燃料の生産拡大に向けて同報告書に掲げる課題を解決することを目指す。
これらの革新的技術を十分に活用し、他の燃料や国際価格と比較して競争力を有することを前提として、2030年ごろまでに国産バイオ燃料の大幅な生産拡大を図る。各関係省庁より発表されているバイオ燃料導入目標・計画について表 2.3にまとめた。
表 2.3 バイオ燃料導入目標・計画(日本)
※1 農林水産省については2011年の目標値である。
※2 農林水産省の試算による
関係省庁・専門家らで構成される推進会議等により、現状把握、目標設定、ロードマップの作成等が各種報告書の中に取りまとめられている(表 2.4、)。