East Asia Summit / Energy Cooperation Task Force   Bio-fuel Database in East Asia 日本語版 English HOME
Adress About DB Contact Us Link
Japan
  トップ  >  日本  >  第5章 戻る
日本_目次
第1章
第2章
第3章
第4章
第5章
第6章
第7章
 
前へ 目次へ 次へ
 
日本
 
第5章
バイオ燃料の市場構造
5.1 国内市場(燃料製造・流通状況)
わが国のバイオエタノールは、現在、全国各地で実証事業が行われている段階で、商用段階に至 っていない。一方、ETBEについては、石油業界が2007年から首都圏50箇所の給油所において、 ETBEを配合したレギュラーガソリンの販売が開始された。バイオディーゼル燃料の生産・利用に関する取組については、自治体・市民・民間企業で広がりを見せている。
5.1.1 バイオエタノール
バイオエタノールは商用レベルで流通している段階ではないが、将来的なバイオエタノール導入 を睨んだ実証事業が行われている。
国がバックアップする実証事業は、取り組み予定のものも含めると全国10ヵ所(2007年時点) で、原料作物の生産、バイオエタノールの製造、E3ガソリンの走行等の実証試験を行っている。 以下にバイオエタノール製造事例を紹介する。
表 5.1 国内の代表的なバイオエタノール製造取組事例
表 5.2 バイオエタノール製造事例
事業主体
アサヒビール (株)
(独)農業・生物系特定産業技術研究機構
九州沖縄農業研究センター
所在
沖縄県伊江島
方式
高バイオマス量サトウキビを用い、従来通りの粗糖製造量を確保した上で、同時にエタノールを 経済的に 生産する
運転開始年
2006年1月
費用負担
農林水産省、経済産業省、環境省、内閣府
原料
高バイオマス量サトウキビ 糖蜜
原料調達費
50aの農地にて栽培
原料調達量
30t/年
製造品
エタノール・エタノール混合ガソリン
製造能力
1,125L/年
(圧搾機処理能力600kg/h)
システムフロー
・高バイオマス量サトウキビ等を作付面積約50aで試験栽培し、高バイオマス量サトウキビの収穫物調査
ならびに育成系統の生産力評価と品種候補系統を選定する。
・バイオエタノールは、敷設するE3ガソリン製造設備にてガソリンと3%の割合で混合し、伊江村が保有する
公用車63台(年間走行距離 約37万km)により活用される。
・ 製糖の副産物として出るバガスは、製糖・エタノール製造における熱源として利用するとともに、余剰分は
畜産の敷料にしたうえで最終的には村の堆肥センターで堆肥化し、葉タバコなどの栽培の肥料 として活用する。

施設仕様
サトウキビ処理能力30t/年のパイロットプラントを伊江島内に建設し、栽培した高バイオマス
量サトウキ ビを原料として、パイロットプラントでの 製糖及びエタノール製造試験を実施(計画
では、50aから年間 30tの サトウキビを収穫し、砂糖約2tとバイオマスエタノール約1kLを製造)
表 5.3 バイオエタノール製造事例1
事業主体 バイオエタノール・ジャパン・関西(株)
所在
大阪府堺市西区
共同開発
大成建設(株)、大栄環境(株)、丸紅(株)、サッポロビール(株)、東京ボード工業(株)
方式
月島機械(株)と丸紅(株)が米国から輸入した、特殊微生物の発酵によるエタノール変換技術を導
運転開始年
2007年1月
費用負担
建設費 37億円 (環境省補助事業)
原料
木質バイオマス(建設廃木材、木くず、
剪定枝等)、紙くず、食品残渣(おから
等)
原料調達費
逆有償
原料調達量
4~5万t/年(初年度、建築廃材)
製造品
燃料用エタノール(ガソリンの添加剤) 東京、大阪など
大都市圏から市販予定
製造能力
初年度1,400kL/年
設備増強後4,000kL/年
システムフローと
施設外観
施設仕様
設備形式:破砕設備、発酵設備、ボイラー設備、発電設備
設備能力:
敷地面積: 約15,000m2
破砕設備概要:処理能力180t/日
発酵設備概要:処理能力82t/日
ボイラー設備概要:処理能力86t/日
発電設備概要:処理能力1,900kw
1 バイオエタノール・ジャパン・関西(㈱)HP、http://www.bio-ethanol.co.jp/index.php
表 5.4 バイオエタノール製造事例
事業主体 三井造船(株)、岡山県
所在
岡山県真庭市
方式
木質系バイオマスを糖に変換後、VTT(フィンランド)が開発した酵母を用いて発酵、精製し、
バイオエ タノールを製造する
運転開始年
2005年6月
費用負担
バイオマス等未活用エネルギー実証試験事業(NEDO)を活用
原料
未利用森林資源(風倒木、製材
廃材)2007年より籾殻・稲わら・
スイートコーンの茎葉・ソルガム
原料調達費
(岡山県より提供)
原料調達量
風倒木120t/年、製材廃材50t/年、
合 計170t/年
製造品
バイオエタノール
製造能力
315L/日
システムフローと
施設外観
未利用林産資源を原料に、木質系バイオマスを糖に変換後、VTT(フィンランド)が開発した酵母
を用い てエタノール発酵、精製しエタノールを得る。
精製したエタノールは浸透圧原理を用いた珪素、アルミニウム、ナトリウム、酸素を組成とする
珪酸塩鉱物から構成されるゼオライト膜により無水化される。
製造した無水エタノールは、岡山県(農林水産部林政課)の事業(グリーンバイオ・プロジェクト)
として実施されるE3車走行実験と連携する。
グリーンバイオ・プロジェクトでは、岡山県内の精油所でガソリンに3%混合され、真庭農協
勝山給油所 を改修した専用給油設備にて、岡山県真庭支局及び真庭市の公用車に給油される

施設仕様
バイオマス処理量:最大2t/日(含水率50%)
また、この他の事例として、月島機械(株)が千葉県内のパイロットプラントにて木質系バイオマスからのエタノール製造実証試験を行った例があるほか、現在、国内各地でバイオエタノール製造 の取組み又は事業化可能性調査が行われている。
2007年度、各経済産業局による「バイオマス等未活用エネルギー事業調査事業」においては、バイオエタノール関連の調査が合わせて7件採択されている2
バイオエタノールの生産量は、2005年度末時点で合計30kL/年程度にすぎない。
利用状況としては、大阪府が環境省の委託を受けて2007年10月からE3の供給を開始した。この事業の内容は、E3(バイオエタノール3%混合ガソリン)を製造して、大都市圏において自動車 用燃料として販売し、原料調達から販売までの各生産・流通段階において、自動車用燃料としての品質を確保しつつ、登録されたガソリンスタンドにおいて登録された車両に対しE3を供給するこ とで、必要な管理手法やE3の社会的受容性等の検証を行うものである3
2 経済産業局、平成19年度「バイオマス等未活用エネルギー事業調査事業」採択者一覧表
3 環境省 報道発表資料、http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=8874、平成19年10月4日
ページ上部へ
5.1.2 ETBE
ETBEはエタノールとイソブテンを合成して生産される。石油化学業界からの副生イソブテンは、 ほぼ全量が既に原料利用されており、ETBE製造向けの供給余力はないものと推定されている。そ のため、我が国においては、石油精製業界から発生する副生イソブテン約63万トンが供給可能量の上限とみなされる。このイソブテンからのETBE製造可能量は約108万トンであり、必要なエ タノール量は約62万kL となる4
具体的な利用状況として、石油業界では、経済産業省の「平成19年度バイオマス由来燃料導入 事業」の補助事業として、2007年4月27日から首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)50 箇所の給油所において、バイオETBEを配合したレギュラーガソリン「バイオガソリン(バイオ ETBE配合)」を販売している。
4 エコ燃料利用推進会議、「輸送用エコ燃料の普及拡大について 参考資料3」、平成18年5月
宮崎県、木質バイオマス活用ビジョン策定事業に係る未利用木質資源等調査報告書、2004
ページ上部へ
5.1.3 バイオディーゼル燃料
バイオディーゼル燃料については、我が国では自治体や廃油処理事業者、NPO 団体等が生産し ており、2005年時点で88カ所のプラントの稼働が確認されている。小 規模な地域的取組が多いが、京都市の廃食用油燃料事業。(生産規模5kL/ 日)以外にも、比較的大規模な生産設備が最近稼働しており、バイオディーゼル燃料の生産・利用 に関する取組は広がりを見せている5 (表 5.5)
5 エコ燃料利用推進会議、「第5回エコ燃料利用推進会議 議事次第・資料:
輸送用エコ燃料に係る我が国の取組状況について」、平成19年2月
表 5.5 主な大規模BDF 製造施設の概要
事業主体 トラスト企業㈱ 塩釜市団地水産
加工業共同組合
富山BDF㈱ ㈱プレナス
設置場所 福岡県いわき市 宮城県塩釜市 富山県富山市 福岡県福岡市
開始時期 2004年8月 2006年4月 2006年11月 2007年1月(予定)
生産規模 100kL/月
(設備能力10kL/日)
36kL/月
(設備能力2.4kL/8h)
80kL/月
(設備能力3.8kL/日)
150kL/月
原料調達
スーパー等の回収拠
点での家庭からの廃
食用油収集、飲食店や
食品工場からの収集、
回収業者からの買取
市内の揚げ蒲鉾工場、
水産加工場30ヶ所より
40kL/月の廃食用油を
収集
富山県及び隣接県内
のスーパーや給食セン
ター、食品工場等から
廃食用油を収集
自社弁当店、飲食店約
930店舗で発生する廃
食用油を収集
BDF利用
いわき市環境整備公
社所有車両、大型フ
ォークリフト、バックホ
ウ等でニート利用
会員登録制によるニ
ート燃料販売(組合員、
市公用車、ごみ収集委
託車両等)
富山市公用車及び県
内地元企業所有車両
(プラント隣接給油設
備/タンクローリーに
よる供給)
プラント隣接給油設備
において自社配送車
両へ給油
事業概要
【いわき食用油リサイク
ルネットワーク構築事
業」として、市街地全域
に回収拠点を設置して
家庭廃食用油を回収
し、BDFや石けんを製
造・販売
市民・行政・企業が参
画する「グローバル・エ
コシティ塩釜推進協議
会」を設置し、市基幹
産業である水産加工
業から大量に発生する
廃食用油を利用
各種リサイクル施設が
集積するエコタウン産
業団地内に立地、副産
物の排水や粗グリセリ
ンを近接するメタン発
酵施設で原料としてカ
スケード利用
九州・山口地区に立地
する【ほっかほっか亭」や
「やよい軒」から発生す
る廃食用油の回収ネッ
トワークを構築し、自社
専用施設でBDF化
また、バイオディーゼル燃料の原料として、休耕田や転作田で菜の花を栽培してナタネ油を生産 して食用油として利用し、その廃食用油を回収してバイオディーゼル燃料化して利用する“菜の花プロジェクト”が全国各地で実施されている。現在では、150ヵ所あまりの地域で取り組まれるまでになっている6
6 森林環境研究会(編著)、「森林環境2008」p71、2008年2月

図 5.1 菜の花プロジェクトの概念図7
7 菜の花プロジェクトネットワークホームページhttp://www.nanohana.gr.jp/index.php
茨城県つくば市や愛媛県今治市等ではバイオディーゼル燃料の原料として休耕田等でヒマワリ の栽培を実施しており、つくば市の取組では原料の安定供給化を目指してタイのプランテーションでヒマワリの栽培に取り組んでいる。
バイオディーゼル燃料については、自治体ぐるみの取組のほか、地域のNPO等による小規模な取組が行われており、生産量は、合計4,000~5,000kL/年と推計される。
国内では給油所での販売例は少なく、利用者がバイオディーゼル燃料製造販売事業者から直接購入、または使用側でバイオディーゼル燃料を製造して利用する事例が大半となっている8。バイオデ ィーゼル燃料生産・販売事業を行っている事例を以下に紹介する。
事業名称等 ガソリンスタンドにおけるバイオディーゼル燃料生産・販売事業
実施主体 油藤商事株式会社
開始年 2002年
事業概要 滋賀県犬上郡豊郷町のガソリンスタンドにて廃食用油を回収してバイオディーゼル燃料を製 造し、バイオディーゼル20%混合軽油(B20)を販売。
事業特徴 ガソリンスタンド内に資源回収ステーションを設置し、利用客が持ち込む廃食用油を回収。 回収した廃食用油から自社所有する燃料化設備(生産能力100L/日)を用いてバイオディー ゼル燃料を製造し、スタンド店頭で一般車両向け燃料としてB20を販売。B20の小売価格 は軽油と比較して5円/L高(2005年11月時点)。B20給油の都度、燃料炭化水素油譲渡 証となる「給油証明書」を利用者へ発行。混合軽油中のバイオディーゼル燃料について軽油 引取税が納税されるため、半年毎に総括して滋賀県へ申請、納付。2005年からは、松下産 業電気の工場の食堂から発生する廃食用油を回収し、BDFに転換して同社の貨物車用燃料 として供給。
8 内閣府経済社会総合研究所、「総合的な経済・エネルギー・環境分析に資する技術情報の整備のための研究」 December 2007 http://ww
w.esri.go.jp/jp/archive/hou/hou040/hou031.html

平成19年12月
ページ上部へ
5.2 海外市場(燃料輸入状況)
バイオエタノールは、掲げられた目標を達成するためには相当量のエタノールの輸入が不可欠である。ETBEについては石油業界が既に輸入を行っており、バイオディーゼル燃料についても、複数の事業者が輸入を行っている状況である。
ページ上部へ
5.2.1 バイオエタノール

当面の目標達成には、相当量のエタノールの輸入が不可欠であり、その安定供給体制を確立することが重要である。備蓄体制の整備や海上輸送能力の確保、長期購入契約の締結等の条件を満たせば2009年以降180万kLの供給確保は可能との結論が得られている。ブラジルから輸出されるエタノールの確保に際しては他国と競合する可能性があることから、輸入エタノールの安定供給を確保するためには、ブラジルとの長期購入契約の早期締結等による対応が必要とされている。9

9 「ブラジルからのエタノール輸入可能性に関する調査研究」検討委員会(経済産業省委託調査)、 「ブラジルからのエ タノール輸入可能性に関する調査研究 報告書」、平成17年5月
ページ上部へ
5.2.2 ETBE
既述したようにETBEの原料となるイソブチレンについては、国内の石油精製過程で得られる副 生イソブチレン約63万tの利用が可能とされているが、これらの大部分は自家燃料として利用されており、ETBEの原料利用に伴い新たに代替燃料を確保する必要がある。
副生イソブチレンの利用以外の方法として、ETBE利用検討WGの検討では輸入ブテンを異性化・脱水素してイソブチレンを生成して利用する方法が挙げられているが、これには輸入ブテンの安定供給確保や異性化・脱水素/ETBE製造装置の新規導入が必要となる。我が国においては、すでに海外からのETBE輸入実績がある。石油業界は、2007年1月に石油 元売り各社の共同事業組合組織として、バイオマス燃料供給有限責任事業組合(JBSL)を立ち上げた。JBSLは2007年4月にフランスからバイオETBEを約7,800kL10、同年7月にオランダから約7,900kLを輸入した。11 また、丸紅株式会社は、ブラジルの大手石油化学メーカーであるコペスル(Copesul)社からバ イオETBE6,500klを調達し、JBSL向けに供給している。
10  バイオマス燃料供給有限責任事業組合 プレスリリース、http://www.jbsl.jp/whatsnew/wn070406.html、2007年4月6日

11  バイオマス燃料供給有限責任事業組合 プレスリリース、
http://www.jbsl.jp/press/press070731.html、 2007年7月 31日
ページ上部へ
5.2.3 バイオディーゼル燃料
バイオディーゼル燃料の輸入については、複数の事業者が事業に取り組み、月数千kL 規模での供給を目指しているが(表 5.6)、パーム油の高騰等により必ずしも計画どおり行われていない。また、NEDOの「研究開発型ベンチャー技術開発助成事業」の採択課題として、タイ等の自社直営農園で収穫されたヒマワリ油を輸入してバイオディーゼル燃料を製造販売する「植物粗精製油を用いた高品質バイオディーゼルの大量生産」(サンケァフューエルス株式会社)が実施されており、2008年度中に商業生産を開始する計画となっている。
表 5.6 主なバイオディーゼル燃料 輸入事例の概要
事業主体
畠山石油(有)
ロイズジャパン㈱
開始時期
2006年6月
2006年7月
輸入規模
3,000kL/月
2,000~3,000kL/月
バイオディーゼル 燃料調達
マレーシアよりパーム油由来
バイオディーゼル燃料を輸入
マレーシアよりパーム油由来
バイオディーゼル燃料を輸入
ページ上部へ
 
    Site Policy Copyright New Energy Foundation.All right reserved.