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第3章 |
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原料/バイオ燃料の供給ポテンシャルと利用状況 |
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バイオマス由来のバイオ液体燃料の代表的なものとして以下のものがあげられる。
表 3.1 バイオ燃料の種類と原料・利用形態
| バイオ燃料の種類 |
原料 |
|
| バイオエタノール |
エネルギー資源作物
食料廃棄物
農作物非食用部
木質系バイオマス、 |
ガソリン代替、混合燃料
ボイラー燃料等 |
ETBE
(エチル・ターシャリー・ブチ
ル・エーテル)
|
イソブテン(石油製造過程
の副産物)とエタノール |
ガソリン混合燃料 |
| バイオディーゼル燃料
(BDF・FAME) |
食品廃棄物(廃食用油)
エネルギー資源作物 |
軽油代替・混合燃料
ボイラー燃料 |
| 黒液 |
木材パルプ廃液 |
パルプ製造工場燃料 |
| SVO(植物油直接燃料) |
食品廃棄物(廃食用油)
エネルギー資源作物 |
軽油代替燃料
バイオディーゼル燃料の原料等 |
| BTL(バイオマス液化燃料) |
木質系バイオマス
農作物非食用部 |
軽油代替・混合燃料
ボイラー燃料等 |
第2世代バイオディーゼル燃料
(水素化処理油) |
食品廃棄物(廃食用油)
エネルギー資源作物 |
軽油代替・混合燃料 |
| バイオメタノール |
エネルギー資源作物
食品廃棄物
農作物非食用部
木質系バイオマス、 |
化学原料
各種燃料
燃料電池
バイオディーゼル燃料のメチルエステル化剤 |
| バイオブタノール |
エネルギー資源作物
食品廃棄物
農作物非食用部
木質系バイオマス |
ガソリン代替・混合燃料
軽油代替燃料
バイオディーゼル燃料混合燃料 |
このうち、国内ですでに商業規模で実用化されているものは、ETBE、バイオディーゼル燃料、黒
液である。
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3.1 原料
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国内のバイオマス賦存量・利用率がバイオマス・ニッポン総合戦略推進会議において公表されてい る。 |
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図 3.1 国内のバイオマス賦存量・利用率(2006年)3
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表 3.2各種バイオマス賦存量・利用率の根拠
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バイオマス |
管轄 |
賦存量 |
利用率 |
家畜
排泄物 |
農林
水産省 |
農林水産省「畜産統計平成18年」より
全国の家畜頭数×1頭当たりの排せつ物量 |
H16年12月、全国の農家に
対する調査より。
利用状況の割合を算出。 |
|
国土
交通省 |
社団法人日本下水道協会「下水道統計」
(国土交通省都市・地域整備局下水道部実施の「下水道に関する実態調査」等の
結果を基にとりまとめを行ったもの)の各下
水処理場の数値を足したもの。 |
黒液 |
経済
産業省 |
経済産業省「石油等消費動態統計年報」
絶乾重量を、湿重量で計算しなおしたも
の。(80%水分と前提し5倍にした数値) |
木材パルプ製造工場は18社、
39工場存
在する。 |
| 廃棄紙 |
環境省 |
環境省「日本の廃棄物処理平成16年度
版」(一般廃棄物)「平成16年度事業 産
業廃棄物行政組織等調査報告書」(産業
廃棄物)の「廃棄紙」を足し合わせた数
値。 |
環境省「廃棄物の広域移動
対策検討調査及び廃棄物等循環
利用量実態調査報告
書」平成17年度 |
| 食品廃棄物
|
農林水産省 |
環境省「循環型社会白書平成17年版」 |
製材工場
等残材 |
林野庁 |
農林水産統計データ
「木質バイオマス利用実態調査結果(平成17年)の概要」
比重0.4としてトンに換算 |
建設発生
木材 |
国土
交通省 |
国土交通省「H17年度 建設副産物実態
調査結果」
「建設廃棄物の品目別排出量」より |
同左「建設廃棄物の品目別
再資源化等の状
況」より |
農作物
非食用部 |
農林
水産省 |
都道府県ごとのヒアリングによる。農作物については非公表。 |
| 林地残材 |
林野庁 |
「森林林業統計要覧」「木材需給表」林
野庁HPデータより、立木伐採量の幹材
積から丸太生産量を引いた数値に、枝葉
の量と松くい虫被害材を加算した数値。
(860万m3)
→比重0.4としてトンに換算 |
「木材需給表」のデータ(14万3千m3)
→比重0.4としてトンに換算
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| |
|
*参考:以下のサイトおいても、日本国内のバイオマス賦存量を公表している。 |
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表 3.3 日本国内のバイオマス賦存量関連サイト |
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図 3.2 バイオマスとバイオ燃料の関係 |
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3.1.1 食品廃棄物 |
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|
(1) 賦存量
国内の食品廃棄物は、年間約2,150万トン発生していると推計されており、このうち、肥料や
飼料として利用されているものが約470万tである。食品循環資源の再生利用等の促進に関する
法律が2001年に施行された事等により、肥料や飼料に再生利用されているものは同法施行時の約
10%から約20%に向上した。しかし、依然として残りの約1,680万t
は焼却・埋め立て処理されているものと推計される。(表 3.4) |
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| |
表 3.4 食品廃棄物の発生及び処理状況(2002年度) 1 |
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| |
(単位:万t)
|
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発生量 |
処分量 |
| 焼却・
埋立処分量 |
再生利用量 |
| 肥料化 |
飼料化 |
その他 |
計 |
| 一般廃棄物 |
1,706 |
1,560 |
― |
― |
― |
146 |
| |
家庭系 |
1,189 |
1,168 |
― |
― |
― |
21 |
| 事業系 |
517 |
392 |
43 |
31 |
52 |
125 |
| 産業廃棄物 |
448 |
121 |
124 |
134 |
69 |
327 |
| 合計 |
2,154 |
1,681 |
― |
― |
― |
473 |
|
|
| |
|
また、国内の廃食用油発生量については、以下の表 3.5のようになっている。
推計結果によると、国内における廃食用油の発生量は約41~55万t/年、容量に換算して45~ 60万kL(比重:0.92程度)と見込まれている。しかし、そのうち外食産業や食品工業からの廃食用油 については大部分が既に回収され、飼料や石鹸原料として有効利用されているため、バイオディー ゼル燃料の原料としての利用可能量は、家庭からの廃食用油発生量(11~25万t)が主になると 推察される。現状ではそのうち9割以上が家庭ごみ又は台所排水とともに廃棄されている。 |
|
| |
表 3.5 国内の廃食用油発生量の推定結果(2003年度) 2 |
|
| |
|
|
供給量
(千t/年) |
1人1年あたりg/人年 |
廃食用油発生量
(千t/年)
|
| 供給量 |
廃油量 |
| 家庭 |
619.9 |
4,857 |
950-1,943 |
114-248 |
| 外食産業 |
671.5 |
5,262 |
1,579 |
201 |
| 食品工業 |
767.8 |
6,017 |
602 |
778 |
| 加工油脂 |
424.9 |
3,330 |
166 |
21 |
| 合計 |
2,484.20 |
19,466 |
3,297-4,290 |
413-547 |
|
|
| |
|
(2) 利用状況
国内では現在、新日本製鐵(株)が(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託を受け、 食品廃棄物を原料としたバイオエタノールの製造実証事業を行っているほか、バイオエタノール・ ジャパン関西(株)によるバイオエタノール製造実証試験においても、おから等の食品残渣がバイオ エタノール原料の一部として利用されている。
また、熊本市では、市内の食品廃棄物の分別収集とバイオエタノール化、リサイクル処理化の事 業可能性調査を行っているほか、静岡油化工業(静岡市)は、生のおからとジャガイモの皮を原料 にバイオエタノールを製造する小型プラントを2008年2月末に完成させ、1年間に4,800Lの生 産量を目指し、製造を始める予定である。
また、廃食用油を回収しバイオディーゼル燃料を製造している自治体や企業、団体は全国で数百 に昇っている。 |
|
| |
3.1.2 農作物非食用部 |
|
| |
|
(1) 賦存量
稲わら、麦わら、籾殻等の農作物非食用部は、年間発生量約1,400万tのうち、約30%が堆肥、 飼料、畜舎敷料等として利用されているが、約70%が農地にすき込まれるなどの低利用にとどま っている。 |
|
| |
|
1環境省、循環型社会白書平成17年版、2005
2池上 詢 編、バイオディーゼル・ハンドブック、2006
3農林水産省、稲わらをめぐる状況、2005
|
|
| |
|
|
|
| |
|
稲わらのみの発生量をみると、2003年度、全国で約871万tである。そのうち飼料等の積極的
な利用は約2割であり、残りの約8割はすき込みや焼却がなされている(図 3.3)。 |
|
| |
|
|
|
| |
図 3.3 国産稲わらの発生量及び用途別利用状況(2003年出来秋分) 3 |
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| |
|
(2) 利用状況 |
|
| |
|
三井造船(株)は、岡山県と共同で、籾殻・稲わら・スイートコーンの茎葉および遊休農地の活用 として栽培を見込むエネルギー作物(ソルガム)などのソフトセルロース系原料によるバイオエタ ノール生産の実証事業を2007年度より開始している。
また、北海道上川、空知支庁管内や島根県内においては、稲わら、籾殻等を原料とするバイオエタノールの製造の事業化可能性調査が行われている。 |
|
| |
3.1.3 木質系バイオマス |
|
| |
|
(1) 賦存量
木質系バイオマスのうち製材工場等残材(年間発生量約430万t)はほぼ製紙原料やエネルギー として再生利用されているが、間伐材・被害木を含む林地残材(年間発生量約340万t)について は、わずかに製紙原料等への利用がある程度で、ほとんど利用されていない。
また、建設発生木材(年間発生量約470万t)の利用割合は、建設工事に係る資材の再資源化等 に関する法律が2002年に施行されたこと等により、約40%から約70%と大幅に向上した。建設発生木材は製紙原料、ボード原料、家畜敷料等やエネルギー(主に直接 燃焼)に利用されている。 |
|
| |
|
|
|
| |
表 3.6 都道府県別森林資源量、林地残材発生量の推定結果(上位5県) 4 |
|
| |
|
県名
(t/ha上位)
|
森林蓄積量
(千m3) |
林野総面積
(千ha) |
林地残材量
(千m3/年) |
林地残材乾物 (千t/年) |
林地残材/林野面積*
(t/ha/年) |
| 宮崎 |
117,599 |
590 |
569 |
216 |
0.366 |
| 熊本 |
104,563
|
466
|
371
|
141
|
0.302 |
| 大分 |
89,281
|
457
|
313
|
119
|
0.260 |
| 栃木 |
57,636
|
345
|
200
|
76
|
0.220 |
| 愛媛 |
79,838
|
401
|
231
|
88
|
0.219 |
| 全国計 |
3,757,845
|
24,918
|
7,685
|
2,920
|
平均 0.117 |
| 備考 |
*この値は自然林の数値であり、通常の人造林の間伐材の平均値は9~10(t/ha/年)と推定。
|
|
|
| |
|
4 林野庁HP
宮崎県、木質バイオマス活用ビジョン策定事業に係る未利用木質資源等調査報告書、2004 |
|
| |
|
製材工場残材については、製材工場への入荷量に対して一定量排出され、その割合は48.2%と なっている(表 3.7)。全国では乾物基準で年間約320万tの製材廃材は発生するものの、その うち焼却・廃棄処分されているものは約5.7%相当の18万tとごくわずかである。一方、製材廃材 の種類別発生割合を見ると樹皮(バーク)の発生率が21.4%であるが(表 3.12)、樹皮は焼却以 外の有効利用が困難なことから、この有効利用が望まれている。 |
|
| |
表 3.7 製材工場からの廃材発生率5 |
|
| |
|
| 原材料投入量に対する木質廃棄物発生率(製材廃材発生率) |
48.2% |
| 発生した木質廃棄物のうち、焼却・棄却処分される割合 |
5.7% |
| 原材料投入量に対する再利用割合 |
45.4% |
|
|
| |
|
5 (財)日本住宅・木材技術センター、再利用・廃棄技術調査・開発事業報告書 |
|
| |
|
|
|
| |
表 3.8 製材廃材種類別の発生割合 6 |
|
| |
|
|
発生量(m3) |
% |
背板 |
5,498 |
31.5 |
鋸屑 |
5,452 |
31.2 |
樹皮(バーク) |
3,740 |
21.4 |
端材 |
1,178 |
6.7 |
プレナー屑 |
1,131 |
6.5 |
ベラ板 |
240 |
1.4 |
チップ屑 |
221 |
1.3 |
合計 |
17,460 |
― |
|
|
| |
|
竹はホロセルロース(セルロースとヘミセルロースの総和)の含有量が高いことから、バイオエ タノール原料として好ましい。
鹿児島県のみで、4.6~21.1万t/年の竹の利用可能量があると推算されている。 |
|
| |
表 3.9 竹の賦存量の推定 7 |
|
| |
|
全国順 |
都道府県 |
竹林面積
(ha) |
平均生重量
(千wet-t) |
平均乾従量
(千dry-t) |
| 1 |
鹿児島 |
16,309
|
1,996
|
998 |
| 2 |
大分
|
13,338
|
1,632
|
816 |
| 3 |
山口
|
11,073
|
1,354
|
677 |
| 4 |
福岡
|
11,020
|
1,348
|
674 |
| 5 |
熊本
|
10,578
|
1,294
|
647 |
| 6 |
鳥取
|
9,719
|
1,252
|
626 |
| 7 |
千葉
|
5,896
|
721
|
360 |
| 8 |
京都
|
5,412
|
662
|
331 |
| 9 |
宮崎
|
4,991
|
610
|
305 |
| 10 |
岡山
|
4,938
|
604
|
3,002 |
| 11 |
高知
|
4,388
|
536
|
268 |
| 12 |
静岡
|
4,185
|
513
|
206 |
| 13 |
愛媛
|
3,967
|
485
|
242 |
|
全国合計 |
136,081
|
18,633
|
9,316 |
|
|
| |
|
前提条件:最小3000~最大8000本/ha→平均5000本/ha |
|
| |
|
幹重量20~30wet-kg/本→平均25wet-kg(12.5dry-kg)/本 |
|
| |
|
備考:全国合計には統計資料のないため北海道、青森を除外しているが、総計への影響は軽微である。
竹の成長速度から5年サイクルで伐採可能のため、全国での年間伐採可能量は約300万t/年である。
鹿児島出水、川薩地区森林組合の竹材生産量は6.7万t/年(2万kL/年エタノール相当)となっている。
建設発生木材に関しては、全国合計で471万t(そのうち再利用量は68%で321万t)となって いるが、不純物の混入など、再利用される可能性が低いものも含まれる。 |
|
| |
|
6 伊神祐司、村田光司、森林総合研究所研究報告Vol.2 No.2、2003 7 農林水産センサス2000、千葉県バイオマス利活用マスタープラン |
|
 |
| |
表 3.11 未利用森林、竹材、製材廃材、建築発生木材量上位10県 9 |
|
| |
|
全国順 |
林野面積当たり
林地残材推算量 |
竹(孟宗竹)
賦存量推算値 |
製材廃材(バーク)
発生量推算値 |
未利用建設発生廃材
推算値 |
| 1 |
宮崎県
|
鹿児島県
|
広島県
|
埼玉県 |
| 2 |
熊本県
|
大分県
|
北海道
|
東京都 |
| 3 |
大分県
|
山口県
|
富山県
|
神奈川県 |
| 4 |
栃木県
|
福岡県
|
愛媛県
|
兵庫県 |
| 5 |
愛媛県
|
熊本県
|
宮崎県
|
宮城県 |
| 6 |
佐賀県
|
鳥取県
|
福島県
|
福島県 |
| 7 |
茨城県
|
千葉県
|
茨城県
|
大阪府 |
| 8 |
宮城県
|
京都府
|
静岡県
|
愛知県 |
| 9 |
三重県
|
宮崎県
|
大分県
|
岩手県 |
| 10 |
岩手県
|
岡山県
|
秋田県
|
茨城県 |
|
|
| |
|
9 山田富明、国内外のバイオエタノール製造の現状と展望、2007 |
|
| |
|
(2) 利用状況
岡山県、真庭市、三井造船(株)によるバイオエタノール製造実証試験では、風倒木や製材廃材などの木質系バイオマスを原料として利用している。
また、バイオエタノール・ジャパン関西(株)によるバイオエタノール製造プラントでは、建設発生木材、木くず、剪定枝等の木質系バイオマスが原料として利用されている。 |
|
| 3.1.4 エネルギー資源作物 |
|
| |
(1) 賦存量
エネルギー資源作物としては、でんぷん系(穀類、イモ類)、糖質系(サトウキビ等)、セルロース系(草本系、木質系)、油脂系(ナタネ、ヒマワリ、大豆等)があげられる。
エネルギー資源作物の国内栽培事例が少ないため、ここではエネルギー資源作物の作付け可能性 のある、米の生産調整面積および耕作放棄地の面積を示す。 |
|
| |
|
|
| |
① 米の生産調整面積
米の生産調整面積は2003年時点で約102万haであり、約6割で既に麦や大豆、飼料作物等の 作付けが行われている。エネルギー資源作物の栽培可能な耕地としては、耕作可能な状態に管理さ れている調整水田、水田預託、自己保全管理、土地改良通年施行が考えられる 。 |
|
| |
表 3.12 米の生産調整面積の内訳(2003年度) 10 |
|
| |
|
区分 |
面積(千ha) |
% |
備考 |
| 作物作付け |
614 |
60.1 |
麦、大豆、飼料作物、野菜、果樹等が作付けされてい
るもの |
| 景観形成等水田 |
9 |
0.9 |
景観形成作物(レンゲ等)の作付けや学童農園として利
用されているもの |
| 調整水田 |
47 |
4.6 |
水田に水を張り、常に水稲の生産力が維持されている
状態に管理されているもの |
| 水田預託 |
3 |
0.3 |
農協等に預託されて常に耕作可能な状態に管理されて
いるもの |
| 自己保全管理 |
64 |
6.3 |
農業者自らにより常に耕作可能な状態に管理されてい
るもの |
| 土地改良通年施行 |
3 |
0.3 |
通常農閑期に行う土地改良事業が稲作期間と重複して
行われているもの |
| 実績算入 |
282 |
27.6 |
かい廃や助成期間が終了した果樹など助成の対象とな
らないもの |
| 合計 |
1,022 |
100.0 |
|
|
|
| |
|
10 環境省 エコ燃料利用推進会議、輸送用エコ燃料の普及拡大について、2006
|
|
| |
|
② 耕作放棄地
2005年農林業センサスによると、全国の耕作放棄地は、総農家(販売農家と自給的農家の合計)
と土地持ち非農家の合計で約38万6千haとなっている(表 3.13)。 |
|
| |
表 3.13 地域別の耕作放棄地面積(2005年)11 |
|
| |
|
(単位:ha) |
|
| |
|
|
全国計 |
北海道 |
東北 |
関東 |
中部 |
近畿 |
中国 |
四国 |
九州 |
| 総農家 |
223,372 |
9,551 |
47,470 |
44,026 |
39,481 |
14,257 |
21,304 |
12,598 |
34,686 |
| 土地持ち非農家 |
162,419 |
9,919 |
23,753 |
31,752 |
28,669 |
11,373 |
17,496 |
10,004 |
29,453 |
| 合計 |
385,791 |
19,470 |
71,223 |
75,777 |
68,150 |
25,630 |
38,800 |
22,601 |
64,139 |
|
|
| |
|
11 農林水産省、農林業センサス、2005
|
|
| |
|
(2) 利用状況
エネルギー資源作物の栽培事例としては、多収穫米、ソルガム、高バイオマス量サトウキビ等の 栽培、生産特性や栽培に伴うエネルギー消費等に関する調査や、それらの作物をバイオエタノール の原料として利用する実証試験等が行われている。
全国農業共同組合連合会(JA全農)では、2006年度より「バイオエタノール原料イネの栽培 実証調査」に取り組んでおり、2007年度には、計37haに飼料用多収穫イネ品種「北陸193号」 を栽培した12 。
また、菜の花を栽培し食用油として利用した後、廃食用油を回収しバイオディーゼル燃料を製造 する、地域での取組みである「菜の花プロジェクト」は、国内各地で進められている。 |
|
| |
|
12 JA全農 営農総合対策部、イネを原料としたバイオエタノールの地域エネルギー循環モデルづくりについて、2008
|
|
| |
|
参考:バイオエタノール原料となりうる、食用農作物の作付面積及び収穫量は以下の通りである。 |
|
| |
表 3.14 農作物の作付面積(ha) |
|
| |
|
|
年 |
全国計 |
北海道 |
東北 |
関東 |
中部 |
近畿 |
中国 |
四国 |
九州 |
稲
(青刈り面積を除く) |
2007 |
1,673,000
|
116,000
|
434,000
|
271,200
|
332,720
|
144,750
|
118,900
|
58,800
|
196,920 |
麦類 |
2007 |
264,000
|
119,400
|
9,570
|
38,066
|
19,599
|
15,125
|
3,980
|
3,880
|
54,396 |
馬鈴薯 |
2007 |
84,500
|
56,900
|
5,060
|
5,800
|
4,724
|
1,387
|
1,240
|
640
|
8,769 |
甘藷 |
2007 |
40,700
|
19
|
286
|
13,027
|
2,707
|
1,455
|
1,150
|
2,430
|
19,650 |
テンサイ |
2007 |
66,600
|
66,600 |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
スイートコーン |
2006 |
25,500
|
8,670 |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
サトウキビ |
2006 |
21,700 |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
|
|
| |
|
【農林水産省統計より作成】 |
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| |
表 3.15農作物の収穫量(t) |
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|
|
年 |
全国計 |
北海道 |
東北 |
関東 |
中部 |
近畿 |
中国 |
四国 |
九州 |
稲 |
2007 |
8,715,000 |
603,200 |
2,430,800 |
1,375,381 |
1,767,000 |
725,400 |
592,200 |
281,400 |
939,180 |
麦類 |
2007 |
1,105,000 |
587,500 |
19,800 |
121,698 |
68,328 |
43,573 |
16,200 |
14,300 |
233,622 |
馬鈴薯 |
2007 |
2,828,000 |
2,242,000 |
100,680 |
137,140 |
91,300 |
17,210 |
18,730 |
9,480 |
211,440 |
甘藷 |
2007 |
968,400 |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
テンサイ |
2007 |
4,297,000 |
4,297,000 |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
スイートコーン |
2006 |
233,000 |
98,600 |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
サトウキビ |
2006 |
1,310,000 |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
1,310,000 |
|
|
|
| |
|
【農林水産省統計より作成】 |
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| |
|
*収穫量について |
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| |
|
米: |
一定面積の稲を刈取り、農産物規格規定三等以上の品位を有し、かつ粒厚が1,70mm以上のものの重さを計測。 |
|
| |
|
野菜: |
収穫したもののうち、生食用、加工用として流通する基準を満たすものの重量 |
|
 |
 |
|
|
| |
3.2 バイオ燃料 |
|
| |
3.2.1 バイオエタノール |
|
| |
|
(1) 特性
石油や天然ガスから合成されるエタノールを合成エタノールと呼ぶのに対し、バイオマスを発酵させ、蒸留して作られるエタノールのことをバイオエタノールというが、化学的には同じものである。 |
|
| |
|
エタノールの特性として以下の点が挙げられる13 |
|
| |
|
- 単一物質である為、芳香族や硫黄化合物を含まず、安全性も高い。
- 高オクタン価であり、燃焼によるCO2排出量が比較的少ない。
- 発熱量が低く、単位体積当たりの燃費はエタノール混合1%当たり約0.3%程度悪化する。
- エタノール混合ガソリンは少量の水分混入により水層(水+エタノール)と油層(ガソリン) に分離することから、燃料品質の悪化を招くことが懸念され、通常のガソリンに比較して、 水分混入防止のための追加対策が求められる。
- 燃料系部材等にアルミニウムを利用している既販車等に利用する場合は、一定濃度以上の エタノール混合は部材腐食の恐れがあり、品質確保法ではガソリンへのエタノール混合割合 は3%以下との規定がある。
- ゴムや樹脂部材に対しても膨潤度や強度に影響を与える事から、エタノール混合ガソリン 使用時にはガソリン流通系部材の変更が必要である。
- 含酸素化合物であり、既販車に用いると空燃比が希薄化することによりCOやHCが減少 し、NOx(窒素酸化物)が増加する傾向が見られる。また、特に低温始動運転下では、アルデ ヒド類の排出量が多くなる。
- エタノール単品では蒸気圧は高くないが、ガソリンと混合すると蒸気圧が約7kPa高くな り、OC(揮発性有機化合物)の悪化が認められる。現行の国内規格を遵守するためには、 蒸気圧を調整したサブオクタンガソリンへの添加が前提となる。
|
|
| |
|
日本におけるバイオエタノールの原料として、高バイオマス量サトウキビ、廃糖蜜、木質系バイ オマス(建設廃木材、木くず、剪定枝等)、紙くず、食品残渣(おから等)、ソルガム、規格外小麦、 未利用森林資源等の利用事例がある。近年ではバイオマスの有効利用、食糧との競合回避の観点か ら、セルロース系バイオマス原料からの効率的なバイオエタノール製造技術の研究開発が行われている。 |
|
| |
|
13 (財)新エネルギー財団「新エネルギー人材育成研修会」テキスト(第2版)、2007 |
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| |
表 3.16 バイオエタノール原料になりうる国内のバイオマス |
|
| |
|
| 糖
質
原
料 |
サトウキビ |
太陽エネルギーの固定化効率が高い。[沖縄、鹿児島] |
| テンサイ
(砂糖大根/ビート) |
寒冷地に適し、国内では、北海道においてのみ
主に製糖用原料として生産
されている。[北海道]
|
| 糖蜜(モラセス) |
サトウキビ又はビートジュースを濃縮し粗糖を
結晶化させた残液で、黒褐
色で粘質な液体。
北海道産ビート糖蜜は主に家畜用飼料、
沖縄産糖蜜はエタノール発酵原料
や家畜用飼料として用いられている。
|
| ソルガム(こうりゃん) |
温帯から亜熱帯に適し、トウモロコシより耐干性が強い。 |
| 果汁蜜 |
みかんから果汁を搾り取った後の果皮から糖分約8%と
苦味を含む果汁をさらに搾りとり、これを糖分40%以上に
濃縮してエタノール発酵原料とする。国内では
日本アルコール産業㈱のアルコール工場で用いられている。
|
| 乳清 |
国内では、研究段階である。 |
で
ん
ぷ
ん
質
原
料 |
穀
類 |
トウモロコシ |
食用のスイートコーン、飼料用のデントコーン等の品種がある。
[北海道、宮崎] |
| 麦類 |
小麦、二条大麦、六条大麦、裸麦のうち小麦の生産量が最も多い。
[北海道] |
| 米(籾) |
国内では主にジャポニカ種、約300品種が栽培されている。
[北海道、新潟] |
| イ
モ
類 |
甘藷
(さつまいも) |
[鹿児島、茨城] |
馬鈴薯
(ジャガイモ) |
北海道での収穫量が全国の約60%を占める。
[北海道、長崎] |
セ
ル
ロー
ス
系
原
料 |
木
質
系
バ
イ
オ
マ
ス |
未利用
森林資源 |
林地残材 |
|
| 間伐材 |
|
| 製材廃材 |
|
| 竹 |
セルロールとヘミセルロースの含有量が高い。
鹿児島県のみで、4.6~21.1万t/年の利用可能量が
あると推算されている。
|
| 建設発生廃材 |
新築および解体工事からの建設発生木材 |
| 古紙 |
|
| 稲わら・籾殻 |
|
| 牧草 |
[北海道、鹿児島、岩手] |
| 海藻 |
2008年度から民間企業や大学を中心とする研究グループにより、
海藻から
エタノールを製造する技術研究が開始される。 |
| そ
の
他 |
食品廃棄物 |
|
|
|
| |
|
※[ ]内は国内の主な生産地 |
|
| |
|
(2) 生産能力・生産量
国内の実証試験事例によると、2007年に年間約16,00kL生産されたと推定されるが、今後、バ イオエタノール製造の取組みがさらに増え、生産量は増えていくと考えられる。
現在建設が開始されているプラント3ヵ所が2009年に稼動予定であり、合わせて年間31,000kL の生産量が見込まれている。 |
|
| |
|
(3) 利用・導入状況
バイオエタノール製造・利用事業については、技術開発段階から実証試験段階に移行している状況である。過去の事例や2009年に稼動予定のものを含め代表的な事例が10数事例存在するが、
現状では、経済産業省及び新エネルギー・産業技術開発機構、環境省、農林水産省などの関連省庁
からの支援により、主に実証事業として実施されており、商用プラントは1事例のみである。ま
た、原料供給やE3供給が軌道に乗らない事例も存在する。 |
|
| |
|
 |
|
| |
図 3.4 国内のバイオエタノール燃料実証事業の取組状況 14 |
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| |
|
14経済産業省、総合資源エネルギー調査会 新エネルギー部会 資料、2008.2 |
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| |
表 3.17 国内のバイオエタノール製造地域、事業主体、生産規模 |
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|
地域 |
事業主体 |
生産規模 |
大阪府
堺市 |
バイオエタノール・ジャパン・関西(株) |
初年度:1,400kL/年
設備増強後:4,000kL/年(予定) |
岡山県
真庭市 |
岡山県
真庭市
三井造船(株) |
26.8kL/年
(315L/日) |
沖縄県
宮古島 |
(株)りゅうせき
|
90kL/年 |
沖縄県
伊江島
|
アサヒビール(株)
(独)農業・生物系特定産業技術研究機構
九州沖縄農業研究センター
|
1.1kL/年 |
福岡県
北九州市
|
新日本製鐵(株)
|
397L/日 |
北海道
上川郡清水町
|
北海道バイオエタノール(株)
(北海道の農業共同組合連合会が中心の新会社)
|
15,000kL/年(予定) |
北海道
苫小牧市
|
オエノンホールディングス(株)
北海道バイオ燃料地域協議会
(社)北海道総合研究調査会
|
15,000kL/年(予定) |
新潟県
新潟市
|
全国農業共同組合連合会
(JA全農)
|
1,000kL/年(予定)
|
|
|
| |
|
(4) 供給体制
現在の国内でのバイオエタノールの供給方法には、ガソリンにバイオエタノールを直接(体積量 にて3%まで)混合するE3としての供給方法、またはバイオエタノールからETBEを製造し、 ETBEとガソリンとを(体積量にて8%まで)混合して供給する方法とがある。 |
|
| |
|
① E3としての供給
既存の石油系ガソリンの流通システムを利用して全国的な展開をする場合と地域限定で独自に展開する場合が考えられる。既存のガソリンの流通系では、製油所(32ヵ所)で製造されたガソリンの一部は直接給油所に輸送されるが、大部分は各地に設置されている油槽所(全国237ヵ所)を経て給油所(全国約5万ヵ所)に配送され、消費者に提供されている 。15
エタノールとガソリンの混合物は微量の水分で相分離を起こすので、水分混入の機会が少なくなるようにエタノールをできるだけ給油所に近いところ、すなわち油槽所で混合する必要がある。
現在、E3走行実証試験は、バイオエタノール製造試験と同時に行われているケースが多いが、石油連盟がETBEの導入拡大を進める決定を行ったため、E3の供給が進んでいないのが現状である。 |
|
| |
|
2008年2月現在、国内で実際にE3の販売を行っている給油所は、大阪府の6店と宮古島市の4店である。 |
|
| |
|
15 総合資源エネルギー調査会石油分科会石油部会燃料政策小委員会ETBE利用検討ワーキンググループ第2回資料「ブラジルからのエタノール輸入可能性に関する調査研究報告書」、2005 |
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| |
|
② ETBEとしての供給 |
|
 |
 |
|
|
| |
3.2.2 ETBE |
|
| |
|
(1) 特性
ETBEは、エタノールとイソブテン(石油製造過程の副生物)を混合して製造され、バイオマ ス由来のエタノールから製造される場合はバイオ燃料といえる。 |
|
| |
|
ETBEの特性として、以下の点が挙げられる13。
エタノールと同様にETBEも単一物質であるため、芳香族や硫黄化合物を含まない。
オクタン価が高く高オクタン価基材として使用されている。エタノールと比較して酸素含 有率が低いため、燃費低下はエタノールの半分程度に抑えられる。
エタノールのガソリン混合時には注意が必要となる水分であるが、ETBEの場合には水と の相溶性からほとんど問題にならず、通常のガソリン基材としての取扱いでよい。
蒸気圧が低く、エタノール混合の際には調整が必要なベースガソリン組成について配慮の 必要が無く、既存のインフラや機材を改造なしで利用可能である。
エタノールをガソリンに直接混合して利用するのに比較し、エタノールとイソブチレン合 成のためのエネルギー消費が発生する。
|
|
| |
|
(2) 生産能力・生産量
日本国内において、現在ETBEは生産されていない。
新日本石油(株)は、根岸製油所内の施設を近くETBEの製造装置に改造し、2009年度を目標に 輸入したバイオエタノールを使ってETBEを国産化する方針である。 |
|
| |
|
(3) 利用・導入状況
石油業界は、経済産業省の「平成19年度バイオマス由来燃料導入事業」の補助事業として、2007 年4月から首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)50箇所の給油所において、ETBEを配合したレギュラーガソリン「バイオガソリン(バイオETBE配合のガソリン)」を販売している16 |
|
| |
|
(4) 供給体制
石油元売事業者10社が参加する共同輸入組織「バイオマス燃料供給有限責任事業組合」(2007 年1月設立)は、2007年4月、日本で初めての一般販売目的のETBEをフランスから輸入した。 現在、首都圏において販売されている「バイオガソリン」は、このETBEを日本国内でレギュラ ーガソリンに7%の割合で配合しているものである。 |
|
| |
|
石油業界としては、2010年の本格導入に向けて着実に「バイオガソリン」の導入を進めていく ため、まず首都圏の50箇所の給油所で「バイオガソリン」の販売(流通実証事業)を始め、徐々 にこれを拡大していく方針を決定した。2008年度には100箇所に給油所を拡大し、国内でのETBE 生産体制の整備もあわせ、2010年度には本格的に導入する予定である。 |
|
| |
|
また、丸紅(株)は2008年2月、ブラジルの石油化学メーカー、コペスルからETBEの輸入を開始し、まず6,500kLをバイオマス燃料供給有限責任事業組合に出荷した。17 |
|
| |
|
16 石油連盟HP http://www.paj.gr.jp/index.html |
|
| |
|
17 丸紅株式会社 ニュースリリース、ブラジル産バイオETBEの初の本格的な対日輸入について http://www.marubeni.co.jp/news/2008/080124.html、平成20年1月 |
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|
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| |
図 3.5 現在のETBE供給体制 |
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|
| |
図 3.6 石油連盟によるバイオガソリン販売の見通し21 |
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表 3.18 バイオマス燃料供給有限責任事業組合員18 |
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出光興産株式会社
東燃ゼネラル石油株式会社
太陽石油株式会社
富士石油株式会社
コスモ石油株式会社
極東石油工業株式会社
九州石油株式会社
昭和シェル石油株式会社
新日本石油株式会社
株式会社ジャパンエナジー |
|
|
|
|
18バイオマス燃料供給有限責任事業組合HP http://www.jbsl.jp/index.html |
|
 |
 |
|
|
| |
3.2.3 バイオディーゼル燃料 |
|
| |
|
(1) 特性
バイオディーゼル燃料には厳密な定義は存在せず、未使用植物油脂や廃食用油等を化学処理して 製造し、軽油代替燃料として使用するものの総称を指している。主として普及しているものは、当該油脂類をメタノールと反応させメチルエステル化することにより粘性と引火点を低くし、脂肪酸 メチルエステル(FAME:Fatty Acid Methyl Ester)という軽油によく似た性状に変えた液体燃料で ある。 |
|
| |
|
バイオディーゼル燃料の混合軽油については、その混合率によってB5(5%混合)、B20(20% 混合)、B100(バイオディーゼル100%)と称する。
日本国内では「BDF」と略して標記・呼称される事が多いが、「BDF」は有限会社染谷商店の登録商標となっており、国外では「FAME」と呼称される。 |
|
| |
|
バイオディーゼル燃料の特性として以下の点が挙げられる。 |
|
| |
|
- 原料となる廃食用油の性状が燃料の品質へ大きく影響することから、原料の選択が重要で ある。飽和脂肪酸を多く含む油脂を原料とすると、低温時に結晶化しやすく、燃料の低温流 動性に影響を及ぼす。
- 精製過程のアルカリ触媒や副生グリセリン、原料のトリグリセリドやメタノール、その他 中間反応物の残存によって、品質が劣化する。
- 芳香族や硫黄化合物を含まず、含酸素化合物であるため、排出ガス中のCO、HC、PM(粒 子状物質)が大幅に減少するが、NOx(窒素酸化物)は微増となる。
- 精製後に副生成物としてグリセリンが発生するため、その有効利用を行う必要がある。
- 酸化安定性は軽油に比べて劣り水分を吸着しやすいため、一般に長期貯蔵安定性に課題が ある。品質設計上は不純物の管理や酸化防止剤の添加などの対策が施されているが、長期間 の保存は出来るだけ避ける必要がある。.
|
|
| |
|
(2) 生産能力・生産量
全国各地において、自治体、NPO団体または事業者によりバイオディーゼル燃料製造の取り組 みが行われているものの、小規模な例が多く、日本国内での生産量は年間約5000kLと推定されている。 |
|
| |
|
(3) 利用・導入状況
廃食油を利用したバイオディーゼル燃料について国内では、1994年の滋賀県愛東町における試験的な取り組みが始まりで、現在では全国数百ヵ所で生産されている。
国内事例の一部を以下の表 3.20に示す |
|
| |
表 3.20 国内のバイオディーゼル燃料製造地域、事業主体、生産規模事例 19 |
|
| |
|
都道府県 |
市町村 |
事業主体 |
生産量 |
| 北海道 |
旭川市 |
(株)ぺカルト化成 |
4,680L/y |
| 札幌市 |
(株)北清 |
― |
| 網走市 |
(有)ザ・セサミ |
― |
| 苫小牧市 |
社会福祉法人緑星の里 |
20,000L/y |
| 宮城県 |
仙台市 |
協業組合仙台清掃公社 |
460 L/y |
| 石巻市 |
社会福祉法人石巻祥心会 |
24,000L/y |
| 山形県 |
金山町 |
かねやま新エネルギー実践研究会 |
4,500L/y |
| 山形市 |
NPO法人知音 |
87.5L/d |
| 福島県 |
北塩原村 |
北塩原村 |
13,200L/y |
| いわき市 |
トラスト企画(株) |
7,257,600L/y |
| 須賀川市 |
(株)ひまわり |
390L/d |
| 千葉県 |
市原市 |
千葉三港運輸(株) |
600L/d |
| 柏市 |
NPOせっけんの街 |
3,400L/d |
| 東京都 |
墨田区 |
ユーズ |
― |
| 調布市 |
シダックス(株) |
― |
| 新潟県 |
長岡市 |
NPO法人 地域循環ネットワーク |
― |
| 新潟市 |
あすなろ福祉作業所 |
― |
| 柏崎市 |
柏崎観光事業協同組合 |
24,000L/y |
| 石川県 |
松任市 |
(株)明電舎北陸支店 |
― |
| 金沢市 |
北商事 |
― |
| 小松市 |
小松市 |
20,400L/y |
| 長野県 |
松本市 |
(社)中信社会福祉協会 |
9,600L/y |
| 上田市 |
NPO法人 上田広域市民事業ネットワーク |
3,000L/y |
| 岐阜県 |
高山市 |
高山市 |
― |
| 山県市 |
山県市 |
― |
| 上石津街 |
上石津町 |
1200L/y |
| 中津川市 |
中津川市 |
9,800L/y |
| 大垣市 |
大垣市 |
11,000L/y |
| 静岡県 |
静岡市 |
社団法人静岡県トラック協会 |
― |
| 磐田市 |
(株)東海ケミカル |
449,466L/y |
| 愛知県 |
一色町 |
一色町 |
11,050L/y |
| 田原市 |
田原市 |
― |
| 豊橋市 |
アイセロ化学(株) |
90L/d |
| 三重県 |
伊勢市 |
コマツ三重(株) |
53,560L/y |
| いなべ市 |
いなべ市 |
24,000L/y |
| 紀伊長島町 |
紀伊長島町 |
7,658L/y |
| 藤原町 |
藤原町 |
2,600L/y |
| 滋賀県 |
大津市 |
滋賀県 |
― |
| 東近江市 |
東近江市 |
2,400L/y |
| 高島市 |
社会就労センターアイリス |
9000/y |
| 甲賀市 |
(株)水口テクノス |
21,600L/y |
| 近江八幡市 |
社会就労センターいきいき |
80L/d |
| 豊郷町 |
油藤商事(株) |
33,600L/y |
| 東近江市 |
東近江市 |
― |
| 高島市 |
びわこバイオラボ(株) |
― |
| 竜王町 |
竜王町 |
― |
| 京都府 |
京都市 |
(株)レボインターナショナル |
1,500,000L/y |
| 京都市 |
1,500,000L/y |
| 大阪府 |
大阪市 |
エコ・システム |
54,000L/y |
| 兵庫県 |
神戸市 |
御所坊 |
― |
| 五色町 |
五色町 |
3,100L/y |
| 淡路市 |
淡路市 |
― |
| 伊丹市 |
伊丹市 |
22800L/y |
| 鳥取県 |
岩美町 |
NPO法人 岩美あくてぃぶカンパニー |
4,000L/y |
| 境港市 |
境港市 |
7,437L/y |
| 島根県 |
出雲市 |
出雲市 |
19,000L/y |
| 益田市 |
益田市 |
252,000L/y |
| 松江市 |
NPO法人 斐伊川流域環境ネットワーク |
20,022L/y |
| 松江市 |
20,000L/y |
| 邑南町 |
(有)寺本建設 |
108,000L/y |
| 岡山県 |
真庭市 |
岡山県中部環境施設組合 |
9,600L/y |
| 玉野市 |
玉野市 |
2,400L/y |
| 笠岡市 |
笠岡市 |
― |
| 倉敷市 |
県立水島工業高校 |
― |
| 倉敷市 |
12,000L/y |
| 新見市 |
新見市 |
6000L/y |
| 広島県 |
広島市 |
(株)フロンティアジャパン |
― |
| 北広島町 |
INE OASA(NPO法人) |
3,000L/y |
| 山口県 |
山口市 |
山口市 |
7,200L/y |
| 徳島県 |
吉野川市 |
吉野川市学校給食センター |
2,880L/y |
| 香川県 |
高瀬町 |
社会福祉法人高瀬荘 |
― |
| 愛媛県 |
宇和島市 |
宇和島市 |
― |
| 松山市 |
ダイキ(株) |
21,000L/d |
| 高知県 |
宿毛市 |
宿毛授産園 |
100L/d |
| 東洋町 |
東洋町企画商工課 |
― |
| 福岡県 |
北九州市 |
九州山口油脂事業協同組合 |
9,900L/y |
| 筑紫野市 |
クリーン筑紫野(有) |
20,000L/y |
| 久留米市 |
久留米市 |
75,600L/y |
| 佐賀県 |
佐賀市 |
佐賀市 |
76,800L/y |
| 三瀬村 |
NPO自然エネルギー実践ネットワーク |
― |
| 伊万里市 |
伊万里はちがめプラン |
12.000L/y |
| 熊本県 |
本渡市 |
本渡市 |
16,900L/y |
| 大分県 |
国東町 |
(有)国東衛生社 |
12,000L/y |
| 佐伯市 |
佐伯市 |
― |
| 鹿児島県 |
大崎町 |
(有)そおリサイクルセンター |
― |
| 屋久町 |
屋久町 |
15,500L/y |
| 霧島市 |
(株)国分隼人衛生公社 |
48,968L/y |
| 沖縄県 |
西原町 |
(有)村吉ガス圧接工業 |
72,265L |
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19(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構、バイオマスエネルギー導入ガイドブック(第2版)、2005 バイオマス情報ヘッドクォーターHP、廃食用油からバイオディーゼル燃料に精製する事例
http://www.biomass-hq.jp/precedent/list3_3.html
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表 3.21 国内のバイオディーゼル燃料製造取組事例 参考URL |
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① 利用・導入状況の傾向
日本国内におけるバイオディーゼル燃料製造の事例として、「バイオマスエネルギー導入ガイド ブック(第2版)」において88例が挙げられている。そのうち、年間生産量が把握できる51事例 を事業主体ごとに分類すると以下の図 3.7のような傾向となる。 |
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図 3.7 各種事業主体ごとのバイオディーゼル燃料年間生産量の傾向 |
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【(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構、バイオマスエネルギー導入ガイドブック(第2版)、2005より作成】 |
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企業においては年間生産量11~100kLの例が最も多く58%を占めている。また、101~1000kL、 1001kL以上の事例も各17%存在する。
一方、自治体による取組みにおいては、年間生産量11~100kLの事例が52%、10kL以下の事例が40%となっており、101kL以上の事例は合わせて8%とわずかである。
民間団体・NPO等の取組みにおいては、小規模な取組事例が主で、年間生産量10kL以下の事例が64%を占め、101kL以上の事例は存在しない。 |
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② 原料(廃食用油)の回収
バイオディーゼル燃料の原料として一般的に、菜種油、大豆油など植物油(未使用油)及び動物 油脂、さらに廃食用油があげられる。しかし、日本においては事業者及び一般家庭から回収された 廃食用油からのバイオディーゼル燃料製造が主であり、回収方法は主に以下の表 3.22のような方法がある。 |
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表 3.22 廃食用油の回収方法20 |
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| 回収方式 |
具体的内容 |
| 家庭からの回収 |
常設拠点方式 |
回収BOXを収集圏内数箇所に設置(1ヶ月に1度程の割合で収集)。
・自治会館や役所に常設する方式
・回収容器をステーションに常設する方式
・地域リーダーの軒先等へ常設
ある程度、回収日時等は自由であり、市民にとっても利用しやすい。 |
| 拠点回収方式 |
回収日時と場所を指定。回収業者が指定場所に回収容器(ドラム缶等)を
その都度、持ち込み回収。
自治会の立会い等が求められる。 |
| 既存ルート回収方式 |
通常のごみ回収時に回収。
ごみを出す際に、密閉容器にて出してもらう。自治体等が密閉容器を配布
する等にて対応している事例あり。 |
| 事業者からの回収 |
持ち込み |
直接、業者が持ち込む方式。 |
| 既存ルート回収方式 |
廃食用油回収業者のルートを通して回収。既存回収業者が持ち込み。
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| 常設拠点方式 |
回収BOXを排出事業所内(複数で共同で持つことも可)に設置し、半月
から1ヶ月に1度収集。 |
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20(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構、バイオマスエネルギー導入ガイドブック(第2版)、2005 |
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表 3.23 拠点回収方式の種類と特徴21 |
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種類 |
方式 |
特徴 |
回収の
利便性 |
品質
確保 |
メリット |
デメリット |
| 地域回収 |
各自治会等拠点回
収協力者の自宅な
どによる回収 |
△ |
◎ |
排出者がみえることで廃
食用油の品質確保 |
回収時間が限定される |
| 公共施設回収 |
公民館、行政庁舎、
リサイクルプラザ
などによる回収 |
○ |
○ |
回収場所がわかりやすい |
回収時間が限られる場合
がある |
| 店頭回収 |
スーパーなどによ
る店頭回収 |
◎ |
△ |
牛乳パックやトレイなど
の店頭回収の延長として
受け入れられやすい |
店側の品質・防火管理の
負担 |
| ガソリンスタンド回収 |
ガソリンスタンド |
◎ |
◎ |
給油の際に回収する手軽
さ
防火管理が安心 |
― |
| ごみステーション回収 |
容器に入れた廃食
用油をごみステー
ションに排出し、
ごみ収集車が回収 |
○ |
△ |
既存のごみ収集システム
を活用するため経済的 |
品質・防火管理
容器処理の負担
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21宮城県環境生活部、バイオディーゼル燃料ガイドブック、2006 |
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表 3.24 先行事例における家庭からの廃食用油回収実績22 |
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自治体名 |
世帯当たり回収量
(L/月/世帯) |
備考 |
京都市 |
0.017 |
130,000L/年(2005年1月末)653,860世帯(2005年国勢調査) |
松江市 |
0.085~0.17 |
250~500L/月、2,925世帯 |
上越市 |
0.026 |
8,978L/23ヶ月、15,000世帯 |
愛東町 |
0.11~0.14 |
150~200L/月、1,400世帯 |
藤原町 |
0.2 |
2,162世帯 |
紀伊長島町 |
0.116 |
4,514世帯、2003年4~9月平均値 |
海山町 |
0.086 |
4,071世帯、2003年4~9月平均値 |
| 二見町 |
0.16 |
2,997世帯、2003年7~9月平均値 |
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22環境省 エコ燃料利用推進会議、輸送用エコ燃料の普及拡大について(2006)を修正 |
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(4) 供給体制
国内では現在、各製造所の地域ごとに供給利用されている。事業者別に見ると主な利用先は以下
のようになっている。 |
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- 企業:自社所有のディーゼル車に利用または販売
- 自治体:自治体内での公用車(ごみ収集車やバス等)に利用
- 民間団体・NPO:事業者所有のディーゼル車または地域内や自治体での利用
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バイオディーゼル燃料の利用形態として、バイオディーゼル100%で利用する場合と軽油と一定割合で混合して利用する場合とがある。軽油と混合して利用する場合には軽油引取税の課税対象となる。
十分に品質管理されたバイオディーゼル燃料は市販軽油と性状が近いため、通常は特別に性状を変更しなくても混合するベース軽油として市販軽油を用いることができる。 |
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滋賀県の民間バス(B20利用)
【出典:滋賀県HP】 |
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バイオディーゼル燃料はゴム材質を膨潤させるが、燃料系材質への悪影響が比較的小さい為、一 般には既存の石油系燃料流通システムの材質の変更は行われていない。 |
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図 3.8 バイオディーゼル燃料製造・配送フロー |
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3.2.4 黒液 |
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(1) 特性
黒液とは、木材原料からクラフト法(硫化ナトリウムと苛性ソーダの存在下蒸解工程を経て木材 を分解し、パルプだけを製品とする方法)にてパルプを製造する際に発生する有機系廃液である。 目的生産物としては製造されておらず、パルプ製造工程における副生成物であり、そのほとんどが パルプ工場の燃料として使用されている。
日本の製紙産業における回収黒液によるエネルギー供給は31%にも及んでおり、エネルギーと しての利用率約100%と大変有効に活用されている。 |
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黒液の特性として以下の点が挙げられる。 |
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- 主成分は、木材繊維の主成分であるセルロース、ヘミセルロース、リグニン等と、蒸解工程の無機薬剤であるアルカリ分(主成分はナトリウムと硫黄)である。
- 回収熱量は、高位発熱量がおよそ12.6MJ/kg-dryであり、パルプ製造プラントで必要なエ ネルギーを十分に回収できる。
- NOx(窒素酸化物)レベルが低く、排水処理負荷を低減できる。
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(2) 生産能力・生産量
黒液は木材パルプを製造する際に発生する有機系廃液であり、目的生産物としては製造されて ない。木材パルプ製造企業は現在、国内に18社、製造工場は39ヵ所存在しており、年間約1,400 万t(乾燥重量)発生していると推定される。 |
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(3) 利用・導入状況
経済産業省「石油等消費動態統計年報」によると回収黒液の消費量は、全国計で約1,400万t(乾 燥重量)となっている。(表 3.25)
発生した黒液のほぼ100%が、パルプ製造工場内にて直接燃焼エネルギーとして利用されている。 |
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表 3.25 回収黒液消費量の推移23 |
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年 |
回収黒液消費量(千絶乾t) |
2004年 |
14,505 |
2005年 |
14,073 |
2006年 |
13,962 |
2007年 |
14,279 |
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23経済産業省、石油等消費動態統計月報 2007年 年計 |
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(4) 供給体制
木材パルプ製造工程にて回収された黒液は、濃縮した後に工場内の回収ボイラへ燃料として供給 される。ボイラで発生させた蒸気は、工場内にて熱または電力として利用している。 |
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3.2.5 その他 |
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(1) SVO(植物油直接燃料)
SVOとは、「Straight Vegetable Oil」の略で、植物油(廃食用油)をそのまま燃焼させて利用 する燃料のことである。
国内では、廃食用油をバイオディーゼル燃料として利用する事例の方が多く、SVOとしては自 動車燃料や灯油等との混合による利用が一部報告されているものの、粘度、低温特性等品質上の観点から、利用事例は少ない。 |
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SVOをディーゼル車に利用する場合には、始動時の燃料加熱、走行時の燃料加熱、燃料のろ過と油水分離フィルターの追加等、エンジンの仕様を変更する必要がある。
SVOを始動しやすくする為には油の流動性を高める必要があり、各部において温めることが重要である。 |
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(2) BTL
BTL(Biomass To Liquid)はバイオマスから発生するガスを合成して得られる液体燃料の総称 であり、FT(Fischer Tropsch)合成油、メタノール、ジメチルエーテル等が含まれる。このうち、 FT合成油の65~85%を占める中間留分は軽油との混合利用が可能であり、狭義のBTLはバイオ マス由来のFT合成油のうち、この軽油混合/代替可能分を指して用いられる。
日本においては、現在研究開発が進められている。 |
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BTL(狭義)の特性として以下の点が挙げられる。 |
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- ガス化を経由する変換法は、エタノール発酵のように原料質を考慮する必要がないため、 広いバイオマスの活用が可能である。
- 合成ガス化後の製品性状は、触媒や反応条件に依存するものの、GTL(Gas To Liquid) 製品と同等とみなされる。
- 芳香族や硫黄化合物を含まず、潤滑性及び密度等は石油系燃料と比較すると低いものの、 排出ガス中のPM削減効果が認められる。
- 石油系軽油と同様に炭化水素であり、既存の燃料流通システムや燃焼機器を変更することなく利用可能である。
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図 3.9 バイオマスから得られる合成ガスを原料とするBTL |
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(3) 第2世代バイオディーゼル燃料(水素化処理油〔Bio Hydrofined Diesel:BHD〕)
国内では研究開発段階の燃料であり、新日本石油(株)とトヨタ自動車(株)により、油脂の減圧軽 油(石油系軽油原料)との混合処理による水素化分解プロセスの共同研究が進められている。実用 化を目指した取り組みの中で、2007年10月より、両社が共同で開発した水素化処理油を10%配合した軽油を使用したハイブリッドバスの試験走行を開始しており、2008年3月まで運行する予定である 24 |
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24トヨタ自動車(株)HP ニュースリリース2007.9.21
http://www.toyota.co.jp/jp/news/07/Sep/nt07_0909.html |
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図 3.10 水素化分解システムの概要 |
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水素化処理油の特性として以下の点があげられる。 |
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- 製造過程において、燃料として利用可能なガスやガソリン相当燃料以外の副生物が発生しない。
- 製品性状はGTL軽油に類似しており、酸化による劣化がしにくく高濃度での軽油への混合が可能である。
- 軽油と比較し、セタン価が高い。
- PM(粒子状物質)の原因となる芳香族や硫黄化合物をほとんど含まない。
- 低温流動性の調整が容易である。(流動点範囲:-30~5℃)
- 貯蔵安定性に優れる。
- バイオディーゼル燃料(FAME)としての利用は難しい飽和分を多く含む動物性油脂等も 加えた幅広い油脂種を原料とすることが可能である。
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(4) バイオメタノール25
メタノールは現在、天然ガスを原料として生産されているが、バイオマスをガス化して得られた一酸化炭素と二酸化炭素および水素からも製造することができる。バイオマスを原料として工業的に生産されている事例として、SVZ社(ドイツ)の例がある。
国内において、バイオマスのガス化からメタノール合成まで実証したシステムとしては2例が存在する。
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メタノールの特性として以下の点が挙げられる.26 |
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25坂井ら、バイオ液体燃料、(株)エヌ・ティー・エス、2007 |
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26檜山亮、バイオマスからの液体燃料について、北海道立林産試験場 林産試だより、2007年7月 |
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- エタノール以上に燃料系部材への悪影響が大きく、既存の燃料流通系や車の部材の大幅な変更が必要である。
- ガス化を経由する変換法は、エタノール発酵のように原料質を考慮する必要がないため、広いバイオマスの活用が可能である。
- 毒性がある。
- エタノールはいくら精製しても約0.4%含水してしまうのに対して、メタノールは100%の無水物を製造することが可能である。
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図 3.11 バイオマスから得られる合成ガスを原料とするメタノールの製造 |
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(5) バイオブタノール27
ブタノールは現在主に石油から製造されているが、微生物による糖の発酵からも得ることができ る。この発酵はアセトン・ブタノール発酵と呼ばれ、グルコースからの重量収率で26%のブタノ ール、10.5%のアセトン、2.7%のエタノールを得ることができる。
アセトン・ブタノール発酵法は、20世紀初頭から、日本を含め世界中で工業化されていたが、 石油化学工業の発達とともにその生産方法が石油からの合成法に転換され、1960年代頃に姿を消 した。現在、生物工学の発展とバイオ燃料の需要の高まりから、活発に研究が行われている。 |
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ブタノールの特性として、以下の点が挙げられる。 |
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- エタノールと比べ水との親和性が低い。(水の混入による品質上の問題を生じにくい)
- エタノールより約30%発熱量が高くガソリンと同程度である。
- ガソリンやエタノールより揮発性が低い。
- 輸送に関して既存のガソリンのインフラをそのまま利用可能である。
- ガソリンと任意の割合で混合可能であり、エンジンを改良せずに利用できる。
- ガソリンだけでなく、軽油にも混合可能である。
- バイオディーゼル燃料に混合し、着火性の改善および黒煙排出抑制効果を得られる。
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27進藤ら、バイオ液体燃料、(株)エヌ・ティー・エス、2007
檜山 亮、バイオマスからの液体燃料について、北海道立林産試験場 林産試だより、2007年7月
環境省 第5回エコ燃料利用推進会議、輸送用エコ燃料に係る海外の取組状況について、2007 |
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