East Asia Summit / Energy Cooperation Task Force   Bio-fuel Database in East Asia 日本語版 English HOME
Adress About DB Contact Us Link
Japan
  トップ  >  日本  >  第2章 戻る
日本_目次
第1章
第2章
第3章
第4章
第5章
第6章
第7章
 
前へ 目次へ 次へ
 
日本
 
第2章  
  バイオ燃料関連政策  
    2.1 エネルギー基本政策  
    我が国における石油危機以降の主なエネルギー政策に関する年表を、表 2.1に示した。  
   
    表 2.1 エネルギー政策 関連年表  
   
第一次石油危機以降(1973年~1977年)

第1次石油危機(1973)

エネルギーの安定供給確保
■サンシャイン計画(1974)
■電源三法(1974)
   
第二次石油危機以降(1978年~1984年) 第2次石油危機(1978)
省エネルギー・代替エネルギーの推進
■ムーンライト計画(1978)
■省エネルギー法(1979)
■石油代替エネルギー法(1980)
   
プラザ合意以降(1985年~現在) プラザ合意(1985)




■新エネルギー法(1997)
■地球温暖化対策推進法(1998)
■地球温暖化対策推進大綱(2002)
■RPS法(2002)
■エネルギー政策基本法(2002)
① 安定供給の確保 
② 環境への適合  
③ 市場原理の活用 
■バイオマス・ニッポン総合戦略(2002)
■エネルギー基本計画(2003)
■京都議定書目標達成計画(2005)
■新・国家エネルギー戦略(2006)
■エネルギー基本計画改定(2007)
国連気候変動枠組条約採択(1992)
京都議定書採択(1997)
京都議定書締結(2002)
京都議定書発効(2005)
   

我が国は、2度の石油危機を経験するなど、エネルギー面で幾多の困難に直面しながらも、省エネルギー、エネルギー源の多様化等を推進しながら、難局を乗り越え、エネルギー問題への対応と経済成長を両立させてきた。.
 
ページ上部へ
    2.1.1  第一次石油危機以降のエネルギー政策(1973年~1977年)  
   

(1) エネルギーの安定供給確保
石油危機によって石油供給不足の脅威を経験した我が国は、エネルギーの安定的な供給を確保することを国の将来を左右する最重要課題と位置づけ、極めて脆弱な我が国のエネルギー供給構造を改善するため所要の施策を行った。具体的には、
1) 石油依存度の低減と非石油エネルギーによるエネルギー源の多様化
2) 石油の安定供給の確保
3) 省エネルギーの推進
4) 新エネルギーの研究開発
の4点を掲げ、そのうち、中長期的課題である新エネルギーの研究開発については、1974年に、2000年を目途として数十年後における我が国のエネルギー需要の相当部分をまかなう新しいクリーンエネルギーを供給するための技術開発を目指した「サンシャイン計画」が発足した。

(2) 電源開発と電源三法
電力需要は、高度経済成長期には年平均10%を超える旺盛な増加を続け、増大し続ける需要に対応するための電源開発の促進が重要課題であった。一方、発電所等の建設が安全性や公害に対 する不安から、地元住民の反対にあって難航することが多くなってきた。このため、発電所等の建設による安全性や公害に対する不安を取り除く努力を続けるとともに、発電所等の立地を受け入れる地域の福祉向上を図ることが重要となったため、1974年に「発電用施設周辺地域整備法」、「電源開発促進税 法」、「電源開発促進対策特別会計法」の、いわゆる電源三法が成立したことを受け、これらに基づく電源立地促進対策交付金等により、種々の施策が講じられるようになった。これにより、原子力発電所の立地が大きく進展することとなり、我が国の石油依存度引き下げに大きく寄与した。

 
    2.1.2  第二次石油危機以降のエネルギー政策(1978年~1984年)  
    (1) 省エネルギー・代替エネルギーの推進
第一次石油危機以降、エネルギー安定供給の確保への取組を進めていた我が国は、第二次石油危機を経て、更にその取組を推進していった。 省エネルギーについては、その重要性が認識されるとともに、法制度の整備、各種施策などの省エネルギー政策を推進することとなった。法整備については、1979年に「エネルギーの使用の合理化に関する法律」(省エネ法)を制定・施行し、工場、建築物及び機械器具に関する省エネルギーを総合的に進めるために、各分野において事業者が取り組むべき内容等を定めた。 技術開発については、1978年に「ムーンライト計画」がスタートし、エネルギー転換効率の向上、未利用エネルギーの回収・利用技術の開発などが進められた。また、民間における省エネルギー技術の研究開発への助成等が推進された。 また、石油の安定供給の確保及び省エネルギーを推進し、一方で石油代替エネルギーの開発及び導入をすることで石油依存度の低下を図り、エネルギー供給構造を改善する必要から、1980年に「石油代替エネルギーの開発及び導入の促進に関する法律」(代エネ法)が制定された。
 
    2.1.3 プラザ合意以降のエネルギー政策(1985年~現在)  
   

(1) 新エネルギーに関する政策

国内外のエネルギーを巡る経済的・社会的環境の変化に伴い、石油代替エネルギーのうち、経済性における制約から普及が十分でなく、石油代替エネルギー供給目標の達成のために促進を図ることが特に必要な新エネルギーの普及促進を目的として、1997年に「新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法」(新エネ法)が制定された。
新エネルギー法は、国や地方公共団体、事業者、国民等の各主体の役割を明確化する基本方針の策定や新エネルギー利用等を行う事業者に対する金融上の支援措置等を定めたものである。
また、2002年6月、電気事業者に 対して一定量以上の新エネルギー等を利用して得られる電気の利用を 義務付ける「電気事業者による 新エネルギー等の利用に関する特別措置法」(RPS法)が公布され、2003年4月に全面施行された。
2005年3月に総合資源エネルギー調査会需給部会において「2030年のエネルギー需給展望」を取りまとめた。この中で、2010年度における供給サイドの新エネルギー導入見通しは、当時の地球温暖化対策推進大綱に掲げる施策の着実な実施と熱分野を中心とする追加対策を行った場合(追加対策ケース)には、原油換算で1,910万kL(一次エネルギー総供給に占める割合は3%程度)と設定した(表 2.2)。

 
ページ上部へ
   
    表 2.2 新エネルギー等導入目標  
   

 

2005年度
(黒液・廃材等のみ
2004年度の数値)
2010年度目標
('05年3月の需給部会
における追加対策ケース)
発電分野 太陽光発電 34.7万kL (142.2万kW) 118万kL (482万kW)
風力発電 44.2万kL (107.8万kW) 134万kL (300万kW)
廃棄物発電+
バイオマス発電
252万kL (201万kW) 586万kL (450万kW)
熱利用
分野
太陽熱利用 61万kL 90万kL
廃棄物熱利用 149万kL 186万kL
バイオマス熱利用 142万kL 308万kL※1
未利用エネルギー※2 4.9万kL 5万kL
黒液・廃液等※3 470万kL 483万kL
合計
(対1次エネルギー供給比
1,158万kL (2.0%) 1910万kL (3%程度)

※発電分野及び熱利用分野の各内訳は、目標達成に当たっての目安である。
※1輸送用燃料におけるバイオマスス由来燃料(50万kL)を含む。
※2未利用エネルギーには雪冷熱を含む。
※3黒液・廃液当等はバイオマスの1つであり、発電として利用される分を一部含む。
黒液・廃液等の導入量は、エネルギーモデルにおける紙パルプの生産水準に依存するため、モデル内で内生的に試算する。

【出典:総合資源エネルギー調査会第21回新エネルギー部会資料、2007】



(2) 地球温暖化対策

1992年に国連気候変動枠組条約、1997年に京都議定書が採択され、この中で、我が国については、温室効果ガスの排出量を2008年から 2012年までの第一約束期間に基準年排出量と比べて6%削減することが定められた。まず、第一歩として、1999年に地球温暖化対策推進法が制定され、国、地方公共団体、事業者、国民が一体となって地球温暖化対策に取組むための枠組みが定められた。
我が国は同議定書を2002年に締結し、同年、京都議定書の約束を履行するための具体的な基本方針を示した地球温暖化対策推進大綱が決定された。2005年には京都議定書を発効し、同年、京都議定書目標達成計画が閣議決定された。その中で、エネルギー起源二酸化炭素については、1990年度の水準から基準年総排出量比で+0.6%の水準(約10億5,600万t-CO2)にすることを目標とした


(3) 我が国におけるエネルギー政策の再構築

(a) エネルギー政策基本法
我が国におけるエネルギー政策の基本的な方針を定めたのが、2002年6月に制定されたエネルギー政策基本法である。同法においては、「安定供給の確保」、「環境への適合」及びこれらを十分考慮した上での「市場原理の活用」という3つのエネルギー政策の基本的な方針が示された。また、2003年10月には、同法に基づき、エネルギーの需給に関する施策の長期的、総合的かつ計画的な推進を図るため、エネルギー基本計画が閣議決定・国会報告され、政府は、本基本計画に基づき、エネルギー政策を推進することとなった。

(b) 新・国家エネルギー戦略
こうした中、最近の世界におけるエネルギーをめぐる情勢変化を踏まえ、経済産業省においては、2006年5月、エネルギー安全保障を軸とし、2030年に向けて特に重要な施策プログラムを盛り込んだ新・国家エネルギー戦略を策定した。本戦略においては、官民あげて軸のぶれない取組を行うに当たり、官民が共有すべき長期的な方向性として、次の5つの数値目標を設定している。
1) 省エネルギー目標:2030年までに更に少なくとも30%の効率改善を目指す。
2) 石油依存度低減目標:2030年までに、40%を下回る水準を目指す。
3) 運輸部門における石油依存度低減目標:2030年までに、80%程度とすることを目指す(アクションプランの一つとして「バイオ由来燃料やGTL等新燃料の導入促進」を提示)。
4) 原子力発電目標:2030年以降においても、発電電力量に占める原子力発電の比率を30~40%程度以上にすることを目指す。
5) 海外での資源開発目標:2030年までに40%程度を目指す。

(c) エネルギー基本計画の改定
エネルギー基本計画は、今後10年程度を見通して、我が国のエネルギー政策の基本的な方向性を示すものであるが、世界的なエネルギー需給の逼迫傾向、地球温暖化問題をめぐる国際的な動きの活発化等、最近のグローバルなエネルギーをめぐる情勢変化を踏まえて改定し、2007年3月9日に閣議決定・国会報告された。
改定されたエネルギー基本計画では、エネルギー安全保障の確立、地球温暖化問題への対応等の観点から、以下のような政策の方向性を提示している。
1) 核燃料サイクルを含む原子力発電の推進と新エネルギーの着実な導入拡大
2) 石油等の安定供給確保に向けた戦略的・総合的な取組の強化
3) 省エネルギー政策の強化と地球温暖化問題についての実効ある国際的枠組み作りの主導
4) 技術によるエネルギー・環境制約のブレークスルー(技術力の強化とその戦略的活用)
今後、本計画に則り、政府一体となってエネルギー政策に取り組んでいくことになる。

 
   
    各種政策の関連情報  
   
①サンシャイン計画(1974)・ムーンライト計画(1978)
EICネット
http://www.eic.or.jp/ecoterm/?act=view&serial=1006

②省エネ法(正式名称:エネルギーの使用の合理化に関する法律)(1979)
エネルギーの使用の合理化に関する法律
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S54/S54HO049.html
EICネット
http://www.eic.or.jp/ecoterm/?act=view&serial=1250

③代エネ法
(正式名称:石油代替エネルギーの開発及び導入の促進に関する法律)(1980)
石油代替エネルギーの開発及び導入の促進に関する法律
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S55/S55HO071.html
EICネット
http://www.eic.or.jp/ecoterm/?act=view&serial=1530

④新エネ法(正式名称:新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法)(1997)
新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H09/H09HO037.html
EICネット
http://www.eic.or.jp/ecoterm/?act=view&serial=1323

⑤地球温暖化対策推進法(1999)
地球温暖化対策推進の推進に関する法律
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H10/H10HO117.html
EICネット
http://www.eic.or.jp/ecoterm/?act=view&ecoword=%C3%CF%B5%E5%B2%B9%C3%C8%B2%BD%C2%D0%BA%F6%BF%E4%BF%CA%CB%A1

⑥地球温暖化対策推進大綱(1998)(2002改訂)
環境省、地球温暖化対策推進大綱について
http://www.env.go.jp/earth/ondanka/taiko/index.html
EICネット
http://www.eic.or.jp/ecoterm/?act=view&serial=1721

⑦バイオマス・ニッポン総合戦略(2002)(2006改訂)
農水省、バイオマス・ニッポン
http://www.maff.go.jp/j/biomass/index.html
EICネット(改訂前)
http://www.eic.or.jp/ecoterm/?act=view&ecoword=%A5%D0%A5%A4%A5%AA%A5%DE%A5
%B9%A1%A6%A5%CB%A5%C3%A5%DD%A5%F3%C1%ED%B9%E7%C0%EF%CE%AC

EICネット(改訂後)
http://www.eic.or.jp/news/?act=view&serial=12848&oversea=0

⑧RPS法
(正式名称:電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法)(2002)
電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H14/H14HO062.html
EICネット
http://www.eic.or.jp/ecoterm/?act=view&serial=1322

⑨エネルギー政策基本法(2002)
エネルギー政策基本法
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H14/H14HO071.html
EICネット
http://www.eic.or.jp/ecoterm/?act=view&serial=2897

⑩エネルギー基本計画(2003)
経済産業省資源エネルギー庁総合政策課
http://www.meti.go.jp/report/committee/data/g_commi08_20.html
EICネット
http://www.eic.or.jp/ecoterm/?act=view&serial=2898

⑪京都議定書目標達成計画(2005)
環境省、京都議定書目標達成計画
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=5937
EICネット
http://www.eic.or.jp/ecoterm/?act=view&serial=3672

⑫2030年エネルギー需給展望(2005)
総合資源エネルギー調査会需給部会「2030年のエネルギー需給展望(答申)」
http://www.meti.go.jp/report/data/g50328bj.html

⑬新・国家エネルギー戦略(2006)
資源エネルギー庁 総合政策課
http://www.meti.go.jp/press/20060531004/20060531004.html
EICネット
http://www.eic.or.jp/news/?act=view&serial=13311&oversea=0

⑭原子力立国計画(2006)
総合資源エネルギー調査会 電気事業分科会 原子力部会
http://www.enecho.meti.go.jp/policy/nuclear/nuclear00.htm

⑮エネルギー基本計画改定(2007)
資源エネルギー庁 エネルギー戦略推進室 エネルギー基本計画の変更について
http://www.meti.go.jp/press/20070309003/20070309003.html
EICネット
http://www.eic.or.jp/news/?act=view&serial=15499&oversea=0
 
ページ上部へ
  2.2 バイオ燃料関連政策  
    2.2.1 バイオ燃料関連政策  
    図 2.1にエネルギー・バイオ燃料分野に関わる主な政策の全貌を示す。この内、政府が打ち立てたバイオ燃料に関連する基本的な政策は2002年12月に閣議決定された「バイオマス・ニッポン総合戦略」であり、2005年の京都議定書の発効を経て改訂された新たなバイオマス・ニッポン総合戦略に基づき、国産バイオ燃料の大幅な拡大が指向されている。

image

 
    図 2.1 エネルギー・バイオ燃料分野に関わる主な政策の全貌  
    2005年に発効した京都議定書では、日本は2008年~2012年の第1約束期間内に1990年の温室効果ガス排出量に比べ、6%削減する義務が課せられており、このためのガス排出削減対策の一つとしてバイオマスエネルギーの導入・促進を図ることが求められている。このことが日本でバイオエタノールの導入についての検討が開始された最大のインセンティブとなり、その目標達成のための具体的な数値と工程に基づく対応をすべく、新たに各数値目標の見直しなどが織り込まれた京都議定書目標達成計画が2005年4月に閣議決定された。その中で、輸送用燃料におけるバイオマス燃料として原油換算50万kL導入を内数として含むバイオマス熱利用導入目標を原油換算308万kL相当とすることが掲げられた。

(1) バイオマス・ニッポン総合戦略1
初めて燃料用としてのバイオエタノール生産・普及の推進が政府の計画として発表されたのは「バイオマス・ニッポン総合戦略」である。バイオマスを中心とした環境保全や資源循環を促進するため、農林水産省が中心となり今後のバイオマスの利活用促進のための国家戦略として関係省とともに検討を開始し2002年12月に閣議決定された。
同戦略では、バイオエタノールについては「バイオマス由来の自動車燃料に円滑な導入に向け幅広い意見を踏まえながら、関係府省が一体となって規格化、供給体制の整備の導入スケジュールを検討するため、その前提として、バイオマス由来の自動車燃料導入のメリット・デメリットについて、日本の事情も踏まえて適切な評価を行う。」こととしており、具体的には「バイオマス由来の自動車燃料の安全性確認、品質評価を行うため、一定の利用システムの実証等を行う」ことが明記された。
2006年3月に、バイオマスの利活用の現状と課題の検証を踏まえて、2002年の総合戦略を大幅に改訂した新たなバイオマス・ニッポン総合戦略が策定され、今後の国家方針として閣議決定された。新しい総合戦略の見直しのポイントの一つとして、バイオマス輸送用燃料の利用の促進が挙げられている。

<バイオマス輸送用燃料の利用の促進>
○国が導入スケジュールを示し、利用に必要な環境を整備
① 利用設備導入に係る支援
② 利用状況等を踏まえ、海外諸国の動向も参考としつつ、多様な手法の検討
○特に、国産バイオマス輸送用燃料の利用促進
① 関係省庁連携による利用実例の創出
② 原料農産物等の安価な調達手法の導入や関係者の協力体制の整備
③ 低コスト高効率な生産技術の開発
(高バイオマス量農作物、木質系からのエタノールなど)

(2) 国産バイオ燃料の大幅な生産拡大2
バイオマス・ニッポン総合戦略に基づくバイオマス輸送用燃料の利用の促進を実施する中で、日本における国産バイオ燃料の生産拡大に向けた課題を整理するとともに、大幅な生産拡大を図るシナリオを取りまとめた報告書が2007年2月27日に総理大臣に提出された。その中で、国産バイオ燃料の大幅な生産拡大のための工程表を作成し、国産バイオ燃料の生産目標を打ち出している。

1) 国産バイオ燃料の大幅な生産拡大のための工程表
(a)バイオ燃料生産拡大における課題と取組み
国産バイオ燃料は、現時点のガソリンの卸売価格、ブラジルからのエタノールの輸入価格等と競合できる価格で生産する必要がある。国産バイオ燃料の生産コストの目標を100円/L と考えた場合、原料となるバイオマスの生産コストを大幅に引き下げ、さらに低コストで高効率にバイオエタノールを生産することが不可欠である。
現状では、原料となるのは、さとうきび糖みつ等の糖質原料や規格外小麦等のでん粉質原料等の安価な原料や廃棄物処理費用を徴収しつつ原料として調達できる廃棄物に限られる。このため、2010年頃までの当面の期間は、これらの原料を用いた国産バイオ燃料の生産を行っていく。また、国産バイオ燃料の大幅な生産拡大を図るためには、食料や飼料等の既存用途に利用されている部分ではなく、水田にすき込まれている稲わらや製材工場等残材、林地残材、公園・河川敷等から発生する未利用バイオマスの活用や耕作放棄地等を活用した資源作物の生産に向けた取組を進めることが重要である。
これらのバイオマスから国産バイオ燃料を生産するためには、原料の生産・収集・運搬コストやバイオ燃料の製造コストの大幅な低減が不可欠であり、同報告書に記載した課題を解決していかなければならない。このため、2030年頃までの中長期的な観点からは、稲わらや木材等のセルロース系原料や資源作物全体から高効率にバイオエタノールを生産できる技術の開発等により、他の燃料や国際価格と比較して競争力を有する国産バイオ燃料の大幅な生産拡大を図る。なお、具体的に工程表を作成するに当たっては、以下の期間について考慮した。
①目標コストを達成する技術が開発されるまでの研究期間
②開発された技術を実証する実証期間
③施設整備等により生産拡大が進む普及期間

(b)バイオ燃料生産拡大のための工程表
今後の技術開発の可能性等を踏まえた工程表は、下図のとおりとなり、概ね、次のように原料作物等の範囲が拡大していくと見込まれる。
①現時点で利用可能な作物等
・原料を安価に調達できる規格外農産物やさとうきび糖みつ等農産物の副産物
・廃棄物処理費用を徴収しつつ原料として調達できる建設発生木材 等
②今後5年間で技術開発する作物等
・稲わら等の草本類
・製材工場等残材 等
③今後10年間で技術開発する作物等
・原料の収集・運搬コストが必要となる林地残材
・資源作物(ゲノム情報を利用した多収品種)

image


【出典:バイオマス・ニッポン総合戦略推進会議、国産バイオ燃料の大幅な生産拡大、2007】


1 農林水産省および関連府省、バイオマス・ニッポン総合戦略、2002、2006改訂
2 バイオマス・ニッポン総合戦略推進会議、国産バイオ燃料の大幅な生産拡大、2007
 
    図 2.2 国産バイオ燃料の生産拡大工程表  
    2) 国産バイオ燃料の生産目標
(a)当面(2010年ごろまで)の目標
当面は、原料作物としての食料用・飼料用との競合にも留意して、さとうきび糖みつ等の糖質原料や規格外小麦等のでん粉質原料等、安価な原料や廃棄物処理費用を徴収しつつ原料として調達できる廃棄物を用いて生産を行う。
具体的な取組として、農林水産省は、さとうきび糖みつや規格外小麦等の安価な原料を用いたバイオ燃料の利用モデルの整備と技術実証を行い、2011年度に単年度5万kL(原油換算3万kL)の国産バイオ燃料の生産を目指すこととしている。
また、環境省は、建設発生木材を利用した国産バイオ燃料製造設備の拡充等を支援する事業を行い、今後数年内に単年度約1万kL(原油換算約0.6万kL)の国産バイオ燃料の生産を目指すこととしている。
なお、京都議定書目標達成計画において、2010年度までに原油換算50万kL(国産、輸入問わず)のバイオ燃料の導入を図ることとされている。石油業界は、2010年度に36万kL(原油換算21万kL)のバイオ燃料の導入を図ることとしている。
(b)中長期(2030年ごろまで)の目標
中長期的には、稲わらや木材等のセルロース系原料や資源作物全体からバイオエタノールを高効率に製造できる技術等を開発し、国産バイオ燃料の生産拡大に向けて同報告書に掲げる課題を解決することを目指す。
これらの革新的技術を十分に活用し、他の燃料や国際価格と比較して競争力を有することを前提として、2030年ごろまでに国産バイオ燃料の大幅な生産拡大を図る。各関係省庁より発表されているバイオ燃料導入目標・計画について表 2.3にまとめた。
 
    表 2.3 バイオ燃料導入目標・計画(日本)3  
   

※1 農林水産省については2011年の目標値である。
※2 農林水産省の試算による
※3 内閣府経済社会総合研究所、「総合的な経済・エネルギー・環境分析に資する技術情報の整備のための研究」報告書第2部-7 p67の表を一部修正、平成19年12月

(3) 関係省庁、各推進会議等での検討
関係省庁・専門家らで構成される推進会議等により、現状把握、目標設定、ロードマップの作成等が各種報告書の中に取りまとめられている(表 2.4、)。
 
   
    表 2.4 関係省庁・各分野推進会議による取り組み  
   
所轄・実施主体 計画・報告書等名称 概    要 出典など
経済産業省、農林水産省、
各分野専門家
バイオ燃料技術革新協議会資料 「バイオマス・ニッポンケース」、「技術革新ケース」のベンチマーク実現のため、技術マップ、技術ロードマップ、技術開発シナリオを内容とする「バイオ燃料技術革新計画(仮)」の策定を予定。重要技術項目毎に、2010年、15年、20年、30年の時系列で整理する。
「バイオ燃料技術革新協議会」の設立について
http://www.meti.go.jp/press/
20071119002/20071119002.html

バイオ燃料技術革新協議会について(2007年11月)
http://www.npobiomass.com/
20071126.pdf
経済産業省 「次世代自動車・燃料イニシアティブ」とりまとめ 2030年に向けてのロードマップを策定。バイオ燃料を含む燃料革新、エンジン革新、インフラ革新により、2030年までに運輸部門の石油依存度80%、エネルギー効率30%改善、2050年までに全世界のCO2半減を目指す。
「次世代自動車・燃料イニシアティブ」とりまとめ
(2007年5月公表)
http://www.meti.go.jp/press/20070528001
/20070528001.html
経済産業省
(新エネルギー・産業技術総合開発機構)
技術戦略ロードマップ 「運輸部門の燃料多様化」に向けたシナリオにおいて、バイオマス由来燃料、GTLBTLCTLなどの新燃料の導入等により、運輸部門の石油依存度の80%までの低減を目指す。また、「新エネルギーの開発・導入促進」に向けた導入シナリオにおいて、バイオマスなどの再生可能エネルギーの導入促進等により2030年までに石油依存度が40%を下回る水準達成への寄与を目指す。
「技術戦略マップ2007」の策定について
(経済産業省、2007年4月)
http://www.meti.go.jp/press/20070423006/
20070423006.html

技術戦略ロードマップ
http://www.nedo.go.jp/roadmap/index.html
産業競争力懇談会
(大手民間企業)
バイオ燃料プロジェクトについて(報告書) 2015年にエタノールを40円/L以下のコストで、年間100万kLの生産を可能とする技術を、環境と地域社会に配慮して開発することが目標。エネルギー作物から使用までの要素技術について、技術ロードマップが例示されている。
「バイオ燃料プロジェクトについて(報告書)」
(産業競争力懇談会、2007年4月)
http://cocn.jp/common/pdf/6baionenryo.pdf
国立環境研究所・京都大学・立命館大学・東京工業大学・みずほ情報総研 2050日本低炭素社会シナリオ
プロジェクトチーム
2050年までにCO2を70%削減。うち、運輸部門は、旅客80%、貨物60~70%の削減。 2050 日本低炭素社会シナリオ:温室効果ガス70%
削減可能性検討(2007年2月)
http://www.nies.go.jp/whatsnew/2007/20070215/
shiryo2.pdf

脱温暖化2050研究プロジェクト
http://2050.nies.go.jp/20070215press/index.htm
バイオマス・ニッポン総合戦略推進会議(内閣府、文部科学省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省) 国産バイオ燃料の
大幅な生産拡大
※国産バイオ燃料の大幅な生産拡大に向けての工程表
目標生産コストを、2015年頃までに製材工場等残材・稲わらなどを原料として100円/L、2020年頃までに林地残材・資源作物を原料として100円/Lとし、2030年頃までに国産バイオ燃料の大幅な生産拡大を目指す。
国産バイオ燃料の大幅生産拡大(2007年2月)
http://www.maff.go.jp/j/biomass/b_energy/
kokusanbio.html
農林水産省
((独)森林総合研究所)
2050年の森 2050年を目処としたロードマップ。重点的に取り組む開発課題及びブレークスルーとなる要素技術を時間軸で示している。木質バイオマスからの低コスト(100円/L以下)・効率的なエタノール製造技術の開発が盛り込まれている。
http://ss.ffpri.affrc.go.jp/2050mori/
環境省
(エコ燃料利用推進会議)
輸送用エコ燃料の利用拡大について 2010年(第一約束期間2008~2012年)に約50万kL、2020年までに約200万kL、2030年までに約400万kL(すべて原油換算値)のエコ燃料(E3、E10、ETBE、BDF、エコ経由、BTL)の導入が目標。
エコ燃料利用推進会議(2006年5月)
http://www.env.go.jp/earth/ondanka/
conf_ecofuel/rep1805/
環境省
(エコ燃料利用推進会議)
熱利用エコ燃料の普及拡大について 短期(2010年度)に258万kL、中長期(2030年度)に約1,260kL(全て原油換算値)の導入が目標。
エコ燃料利用推進会議(2006年8月)
http://www.env.go.jp/earth/ondanka/
conf_ecofuel/rep1808/index.html
経済産業省 新・国家エネルギー戦略 運輸部門の石油依存度を2030年度までに80%程度となることを目指す。 新・国家エネルギー戦略について(2006年5月)
http://www.meti.go.jp/press/20060531004/
20060531004.html
地球温暖化対策推進本部
(内閣総理大臣、内閣官房長官、全国務大臣)
京都議定書目標達成計画 2010年度までに50万kL(原油換算)(国産、輸入問わず)のバイオ燃料の導入を図る。
京都議定書目標達成計画(2005年4月閣議決定)
http://www.env.go.jp/press/file_view.php?
serial=6699&hou_id=5937

境省
(再生可能燃料利用推進会議)
バイオエタノール混合ガソリン等の利用拡大について(第一次報告) 2004年3月、これまでの議論を取りまとめ、バイオエタノール混合ガソリン普及の将来像としてE3普及のロードマップおよびE10(バイオエタノール10%混合ガソリン)普及の道筋が明らかにされた。
再生可能燃料利用推進会議(2004年3月)
http://www.env.go.jp/earth/ondanka/
renewable/index.html
環境省 中核的温暖化対策技術検討会報告書 2002年度に中核的技術として「低濃度バイオエタノール混合ガソリン」「業務用バイオエタノール混合燃料」を選定。普及シナリオの検討。現在はエコ燃料利用推進会議での検討内容のフォロー。
「中核的温暖化対策技術検討会」報告書について
(2003年6月公表)
http://www.env.go.jp/press/file_view.php?
serial=4687&hou_id=4181


①京都議定書目標達成計画(2005)
環境省、京都議定書目標達成計画
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=5937
EICネット
http://www.eic.or.jp/ecoterm/?act=view&serial=3672

②バイオマス・ニッポン総合戦略(2002)(2006改訂)
農水省、バイオマス・ニッポン
http://www.maff.go.jp/j/biomass/index.html
EICネット(改訂前)
http://www.eic.or.jp/ecoterm/?act=view&ecoword=%A5%D0%A5%A4%A5%AA%A5%DE%A5
%B9%A1%A6%A5%CB%A5%C3%A5%DD%A5%F3%C1%ED%B9%E7%C0%EF%CE%AC

EICネット(改訂後)
http://www.eic.or.jp/news/?act=view&serial=12848&oversea=0

③新・国家エネルギー戦略(2006)
資源エネルギー庁 総合政策課
http://www.meti.go.jp/press/20060531004/20060531004.html
EICネット
http://www.eic.or.jp/news/?act=view&serial=13311&oversea=0

④国産バイオ燃料の大幅な生産拡大(2007)
農林水産省
http://www.maff.go.jp/j/press/2007/20070227press_1.html
 

ページ上部へ
    2.2.2 バイオ燃料に関わる法律  
    我が国でのバイオマス原料からのバイオエタノール製造は未だ実用化前であることから、バイオエタノールの品質規格等に関する検討も含めて、今後の課題である。
バイオ燃料に関わる法律としては「揮発油等の品質の確保等に関する法律(品確法)」が2003年5月に改正(同年8月施工)され、輸送用車両の燃料系統に用いられる金属の腐食やゴム・樹脂の劣化問題、排ガス基準への適合性に鑑み、バイオエタノールのガソリン混合許容値は3%(体積ベース)と定められた。4
消防法上は危険物として指定され、第四類引火性液体の、アルコール類に相当し、貯蔵、輸送に際し安全対策上の規制がある。現在、エタノールについては国内では1~90%濃度のものは酒税法で、90%以上のものは工業用エタノールとしてアルコール事業法で管理されている。現法制のもとでは燃料用エタノールも工業用エタノールの範疇に含まれることになる。なお、燃料用エタノールとしての規格は未だないが、(社)自動車技術会の中で検討された結果、団体規格として2006年に制定された。

※4 大聖・三井物産㈱、バイオエタノール最前線,p235,236、工業調査会,2004


①揮発油等の品質の確保等に関する法律(品確法)の改正(2003年)
資源エネルギー庁:揮発油等の品質の確保等に関する法律(品確法)の一部改正について
http://www.meti.go.jp/committee/materials/downloadfiles/g71015c06j.pdf

②消防法(1948年)
消防法
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S23/S23HO186.html

③酒税法(1953年)
酒税法
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S28/S28HO006.html

④アルコール事業法(2000年)
経済産業省
http://www.meti.go.jp/policy/alcohol/main_03.html
 
ページ上部へ
 
    Site Policy Copyright New Energy Foundation.All right reserved.